愛の歴史

あいのれきし|----|----

愛の歴史

レビューの数

7

平均評点

45.2(12人)

観たひと

20

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1955
公開年月日 1955/9/7
上映時間 100分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演鶴田浩二 小野木清
司葉子 八代亜矢子
藤木悠 大平明彦
御橋公 大平直幸
佐々木孝丸 松本高弘
市川春代 松本千恵子
谷崎碧 松本伸江
小泉澄子 藤川蘭子
藤田進 貝原一郎
松井博子 女中キミ子
佐伯秀男 横田
宮田仲次郎 立川
福田豊 石田
赤尾関三蔵 早川
大友純 小牧
カルメリタ・リボルト 看護婦長
清水谷洋子 洋装店ジュリアの店員テルミ
佐渡絹代 ジュリアのマダム
児玉健二 ジョージ
喜多川隆 横須賀
須永康夫 岩国
春日みどり 松本家の女中
大川平八郎 クラーク

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

主婦と生活連載の原作を「女中ッ子」の須崎勝彌と山本嘉次郎が脚色し「むっつり右門捕物帖 鬼面屋敷」の山本嘉次郎が監督、「ゴジラの逆襲」の遠藤精一が撮影を担当した。主なる主演者は「続宮本武蔵」の鶴田浩二、「初恋三人息子」の司葉子と藤木悠、「たけくらべ」の佐々木孝丸、「リオの情熱」の藤田進など。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

伯父の松本代議士邸に身をよせる八代亜矢子は従妹伸江の恋人で新興財閥の父を持つ大平明彦に恋された。伸江はそれを知って心ならずも身をひいた。亜矢子には戦争中外地で結ばれた男小野木があり、彼女は今も彼を忘れ得ずその行方を求めていたが、政治資金の欲しい伯父の画策する政略結婚の犠牲となって明彦と結婚式をあげた。一方小野木は彼女の行方も行動も知っていたが今は密輸団の一味となっている身なので名乗ることも出来ず、式の当日も変名で花束を贈っただけであった。新婚旅行に出かけた先のホテルで父直幸の事業の危機を知った明彦は亜矢子を残して帰京した。その後で彼女は、偶然そのホテルに取引のため来ていた小野木に会った。彼はすべてを打明けたが亜矢子は運命の悪戯にただ泣くばかりであった。直幸の事業の行詰りから当にしていた政治献金が駄目になり松本と直幸の間には悶着が起った。亜矢子の幸福を願う小野木は密輸団の金を持ち出して彼女に渡した。小野木は仲間に追われたが、折しも動き出した当局の手により一味は全部捕えられてしまった。容疑者として小野木は、かつての上官貝原検事とともに八ケ岳岳麓に実地検証に行った。検事のはからいで、心労のあまり発病しそこの高原療養所に病を養う亜矢子を見舞うことが出来た。束の間の邂逅、やがて白樺の林、高原の道を遠ざかって行く小野木、見送る亜矢子の瞳は涙にぬれていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1955年9月下旬号

日本映画紹介:愛の歴史

2018/07/05

2018/07/06

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『愛の歴史』。メロドラマと言えば古関裕而のオルガン曲。北支の戦場風景、軽井沢の画面奥の山はマット画合成みたい。名台詞「女の過去をほじくるのは耳クソをほじくるより愚劣だわ」。司葉子と谷崎碧は「だいじょうび」、当時の流行語か。藤木悠たちの新居の壁のスイッチは押し釦。天津敏は警察官役。

2017/06/14

2017/07/11

40点

映画館/東京都/新文芸坐 


魅力ない人物像

新文芸坐の司葉子特集、「愛の歴史」は2013年にもラピュタ阿佐ヶ谷で観たことがありますが、戦時中は愛し合っていた鶴田浩二と司葉子が、戦後離れ離れになって、お互いに想い合っていながらすれ違ってしまうというメロドラマである事は覚えているものの、細部はすっかり忘れてしまっており、テンポが悪いという印象だけが強く残った映画でした。
「愛の歴史」は、「肉体の門」の田村泰次郎の原作を須崎勝弥とヤマカジが脚色し、ヤマカジが監督した映画であり、戦時中、怪我したところを司葉子の輸血で生き延び、司のことを命の恩人と崇める鶴田浩二が、戦後は大陸で流れ者になった末、密輸団の一員となっている一方、司は政治家の伯父・佐々木孝丸の資金集めのため、三門財閥と佐々木が蔑む藤木悠と望まぬ政略結婚をさせられるという境遇に置かれています。しかし、司葉子が藤木悠と結婚して間もなく、藤木の父親・御橋公が経営する会社は倒産しそうになるという有り様です。
主人公である鶴田浩二は戦後、司葉子の消息を突き止めて会おうとする寸前、自分のような犯罪者は会う資格がないと諦めているうちに、司は伯父によって藤木悠との政略結婚をしてしまい、その後に及んでようやく司と再会した鶴田は、司の結婚相手・藤木が金に困っていることを知り、密輸で儲けた金をこの藤木の会社に注ぎ込むことにしますが、密輸仲間は鶴田が勝手に金の一部を使うことを阻止しようとします。
とにかく、司葉子に対する鶴田浩二の煮え切らないキャラも、ピーピー泣いてばかりの司も、夫の藤木悠も、いずれも魅力ない人物像であり、だからこそ映画の流れも煮え切らない、テンポの悪いものに思えるという悪循環をもたらしています。とはいえ、前回観た時よりは、まあまあ観られる映画だったとは思います。
この映画で、好き嫌いは別にしてキャラクターとして立っていたのは、藤木悠の元許嫁でありながら藤木が司葉子の事を一目惚れしたため、フラれてしまうものの、藤木の事を好きだと言い続ける司の従姉を演じた谷崎碧と、鶴田浩二に想いを寄せながら密輸の同志として男言葉で接する小泉澄子の二人だったでしょう。

2017/06/14

2017/06/17

58点

映画館/東京都/新文芸坐 


ディフォルメ過剰

ヤマカジ作品は「清十郎の恋」や「馬」のような優れたものから軽いコメディまで幅広い。評価に困る職人だ。本作はギャングに身を落としながらも恩人の人妻に報いようとする男を描いた田村泰次郎原作の映画化。藤木悠の軽薄な夫、司葉子の薄幸な宿命を盛り込みながらも人物像のディフォルメ過剰でしらけた。

2017/06/14

2017/06/15

-点

映画館/東京都/新文芸坐 

『愛の歴史』。鶴田浩二と司葉子の恋物語。鶴田の恋愛物は初めて見る。司の従姉妹役は谷崎碧。この人、下手くそなのかうまいのかよくわからない。鶴田と司が再開する場面でいきなりハモンドオルガン曲。『君の名は』の匂いがする。音楽は古関裕而なので当たり前か。終盤登場する警官役は天津敏。

2017/06/14

2017/06/14

60点

映画館/東京都/新文芸坐 


ベタなメロドラマ

‪#0452 新文芸坐「愛の歴史」。田村泰次郎の小説を原作とした1955年製作の山本嘉治郎監督作品。戦時中に外地で共に死線をくぐった恋人たちが、戦後に女は叔父の代議士の政略結婚に利用されて財閥御曹司の妻となり、男は密輸団の一員となって再会するという運命の皮肉を描いたベタなメロドラマである‬。

2017/06/14

2017/06/14

30点

映画館/東京都/新文芸坐 


歴史にに裏あり

前年にデビューしたばかりの司葉子はまだふっくらとしていて、初々しさが残っていますが、演技もセリフもさすがに上手と言うにはほど遠いものがあります。

異国の戦場で芽生えた軍人と看護婦の愛が、再会を約束し、戦後の日本で出会うが、純粋な気持ちに変わりは無いものの、結婚できる状況ではありませんでした。
お決まりのすれ違い、妨害者の登場といった難問発覚に加えて、男は密貿易で財を成しているという陰の顔を持っていました。

コテコテのメロドラマで、メロドラマらしいと言えばそれまでだが、安易な作りは山本嘉次郎らしくない。