旗本退屈男 謎の伏魔殿

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旗本退屈男 謎の伏魔殿

レビューの数

4

平均評点

63.5(11人)

観たひと

17

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1955
公開年月日 1955/8/14
上映時間 83分
製作会社 東映
配給 東映
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督佐々木康 
脚本高岩肇 
原作佐々木味津三 
企画大森康正 
撮影松井鴻 
美術鈴木孝俊 
音楽白木義信 
録音東城絹児郎 
照明山根秀一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演市川右太衛門 早乙女主水之介
渡辺篤 可内
龍崎一郎 目明し源七
徳大寺伸 真崎玄十郎
杉狂児 三次
若山セツ子 幾野
田代百合子 しづ
喜多川千鶴 小春
千原しのぶ おちか
佐々木孝丸 兵藤妥女匠
進藤英太郎 山室幽斎
青柳竜太郎 曲淵一角
神田隆 真田玄伯
加賀邦男 俵主膳
葉山富之輔 門番
吉田江利子 水芸人白糸

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

故佐々木味津三の原作による退屈男シリーズの一篇を「東京暴力団」の高岩肇が脚色、「闇太郎変化」の佐々木康が監督、「虚無僧系図」の松井鴻が撮影。主な主演者は「虚無僧系図」の市川右太衛門、「ゴジラの逆襲」の若山セツ子、「牡丹燈籠」の田代百合子、「銭形平次捕物控 どくろ駕籠」の進藤英太郎、他に喜多川千鶴、千原しのぶ、竜崎一郎、渡辺篤、徳大寺伸、杉狂児等。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

京都に現われた旗本退屈男早乙女主水之介は葵祭の夜目明しに追われる女を救った。しかし女は何者かに狙撃されて死んだ。ある夜退屈男は彼を襲った不逞の輩を捕えた。この男は先夜の目明し源七であった。源七は退屈男に先夜の女はかねて探索中の盗賊団の一味であること、女を逃がした為に与力真崎玄十郎が御役御免になったことを話した。退屈男は真崎に会った。真崎は一月程前に長崎で起った南蛮船襲撃事件のこと、その際に船からうばわれた財宝は船で堺に運ばれたらしいが未だに発見出来ないこと等を話した。退屈男は一味逮捕に協力することを約した。退屈男の命で堺の船着場を見張っていた源八は一味に見つかり殺された。捜査線上に山室幽斎なる人物が浮んで来た。退屈男は源八の娘おしづを山室邸に女中として住込ませた。彼女の調査と能舞台工事のために山室邸に入ったきり帰らない職人達の噂をきいた退屈男は折から彼を訪ねて来た山室の娘幾野に幽斎の悪事を明らかにした。能舞台披露の日、山室邸に現われた退屈男は舞台下に隠された南蛮船の財宝を暴いた。幽斎は退屈男に追われて抜け穴から所司代邸に逃れた。全てを知った退屈男は所司代の悪政をも暴き幽斎一味を斬った。五月晴のある日、東海道を行きながら退屈男は乱斗の最中に彼をかばって銃弾に仆れた敵の娘幾野の哀れな女心を思い出していた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/01/10

2023/01/10

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 


何かと揶揄されがちな

東映剣劇だが、どうして歌右衛門の太刀さばきは鋭く速い。それもお約束といわれればそれまでだが。退屈男モノはアタマに「謎の」とつくタイトルが多く、物推理要素を含む物語を意識しているようだが、それほどのこともない。まあ、お待たせ路線としてはまずまずのデキじゃないかな。

2022/06/05

2022/06/05

60点

VOD/その他/レンタル/タブレット 


消えた南蛮渡来の財宝を巡って、今回も旗本退屈男が大活躍!

いつもの勧善懲悪時代劇ながら、舞台は京都。多くのエキストラを使った葵祭や大井川の川越など、映画的なスケールの大きさもあり面白さも倍増。清水寺あたりのロケも興味深い。スタジオでの撮影ながらも、山場となる能舞台や屋敷なども空間的にも広く、市川右太衛門の剣さばきも見どころ。もう、こういう時代劇が作らなくなったのは寂しい限り!

2014/05/28

2021/01/27

70点

選択しない 


京に現れた退屈男

 戦後シリーズの第九作目。監督は佐々木康、佐々木味津三の原作を高岩肇が脚色。時代劇や任侠ものなど、娯楽作一辺倒でシナリオを書いた人です。

 今回の舞台は京都。渡辺篤や杉狂児を従へて往来を歩きます。すると、或る女(千原しのぶ)が逃げてきて助けを求めます。追ふのは与力の玄十郎(徳大寺伸)と目明しの源七(龍崎一郎)。彼らから女を救ふ主水之介ですが、直後女は何者かの撃たれて息絶えます。呆気ないぞ千原しのぶ。
 この女を逃した事により玄十郎は首になつてしまつたらしい。玄十郎によると、南蛮船から財宝が奪はれたといふ未解決の事件があり、殺された女はそれに関係してゐると。財宝は堺の港まで運ばれたが在処は不明だといふ。退屈の虫が騒ぐ主水之介は、事件の解明に協力する事になりました。

 源七は堺の港で張込みをしますが、ワルに目的を悟られ消されてしまひます。源七の娘・おしづ(田代百合子)は仇討ちを誓ひ、怪しいと睨んだ山野幽斎(進藤英太郎)の宅に女中として潜入します。
 山野邸では幽斎が命じて能の舞台を普請中。この工事に関つた職人たちが、何故か行方知れずになつてゐるといひます。怪しい。謎の伏魔殿とはこのことか。しかしおしづの目的は知られ幽閉されたと、山室の娘・幾野(若山セツ子)が知らせに来ます。おしづの主水之介に対する恋心を利用して女を危険な目に遭はせるとは、退屈男も大した事はないと難じます。これは幾野の誤解で、主水之介から「生れ変れ!」と一喝されるのですが......

 今回退屈男は京に来てゐるため、妹の菊路やその恋人・京弥さまは出番なし。兄の不在を良い事にいちやいちやしてゐるのだらうと杉狂児たちが軽口を叩きます。
 いつものやうな勧善懲悪、退屈男の完全無欠なヒーローぶりが痛快であります。いつもの取り巻き(渡辺篤・杉狂児、あと一人二の線の子分は不在)、いつものワル(進藤英太郎・加賀邦男・佐々木孝丸・神田隆)が跋扈し、いつものヒロインが眼を愉しませてくれます。しかし女優陣の使ひ方は些か勿体ないですな。千原しのぶは冒頭で死ぬし、喜多川千鶴もあまり好い役ではございません。田代百合子も捕へられた後は姿を見せない。

 その中で、東映お姫様ではない若山セツ子が儲け役でした。「青い山脈」での丸眼鏡の女学生(笹井和子)が印象に残つてゐる人が多いと思ひますが、特撮好きにとつては「ゴジラの逆襲」でのヒロイン(小泉博の恋人役)でせうな。最後は主水之介を庇ふやうに斃れる姿が、哀れを誘ふのでした。実生活でも幸薄い女優さんでしたなあ。

2014/05/14

2014/05/14

65点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


お約束どおり

旗本退屈男のシリーズはたくさんあるにも関わらず放映が少ない。この10年でほとんどなかったがここへ来てシリーズの放映を始めたようである。
幼いころのイメージしかないが、右太衛門の定石通り、かっこよさが売りものである。
ストーリーはいつものことで殺人事件が起き、退屈男が乗り出し、危難に遭いながらも最後は事件を解決するというお決まりのパターンである。
しかし娯楽映画としては面白い。千原しのぶがちょい役なのが惜しい。せめて踊りの才能を活かして田代ゆり子の役をさせたほうが良かったような気がする。