このキネノートには続「逆襲大蛇丸」と一緒に記載されてある。二本まとめての総集編かと思いきやそうではないようだ。それぞれ別にDVDが出ているのだから。
ヘビ、ガマ、ナメクジの三すくみの児雷也の話は映画の初期からの忍術映画としてたくさん作られたようだけど、私にはあまりなじみがなかった。戦前からの児雷也映画のフィルムが喪失したのか、目に触れる機会もあまりないわけだし。
忍術映画だから子供向けというところなんだろうけど、この作品を観ていると子供向けとは言い難い内容になっている。子供向けと言うのなら、彼らの共感を呼ぶ子役が出てこないしね。
戦前からの児雷也映画を懐かしんでみる大人がターゲットだったのかなと思う。
ヘビ、ガマ、ナメクジ(というよりもカタツムリ?)のさんすくみの特撮が粗末なんだから、あまり気合が入らない。こういう荒唐無稽なのは低予算で創るという姿勢なんだから、まあ粗末になってしまうなあ。
冒頭で戦乱の世を説明するところで映し出される合戦場面もエキストラ豊富に使っているけど、これは他の映画からの流用だろうね。冒頭の場面で新たに金をかけて撮っているとは思えない。
クライマックスの乱戦も文字通りの乱戦で敵味方がよく分からないし、唐突にドラマが終了する雑さもあってB級どころかC級の取るに足らない作品なのが残念。自分はこういう荒唐無稽なものが映画の王道だと思っているので、それが雑な作りではがっくり。で、これを監督したのが、加藤泰だというのにも驚いた。荻原遼が共同監督とcreditされているが、彼はワンシーンも撮っていないのにいないのになぜか名前が残ったとか。だからこの作品は加藤泰単独の監督作品なのだけれども、不名誉なものになってしまったなあ。