忍術児雷也 逆襲大蛇丸

にんじゅつじらいやぎゃくしゅうだいじゃまる|----|----

忍術児雷也 逆襲大蛇丸

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レビューの数

9

平均評点

54.0(23人)

観たひと

35

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1955
公開年月日 1955/1/3
上映時間 0分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督萩原遼 
加藤泰 
脚本賀集院太郎 
企画安達英三郎 
撮影平野好美 
美術鈴木孝俊 
音楽高橋半 
録音志木田隆一 
照明佐藤快哉 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演大谷友右衛門 尾形周馬弘行
田崎潤 大蛇太郎
利根はる恵 綱姫
若山富三郎 高遠弓之助
香川良介 高遠多聞之助
大河内傳次郎 大日方浄雲
山口勇 願人太郎
小林重四郎 針木太郎
永井柳太郎 鹿六
寺島貢 鎌平
小川虎之助 宮原兵衛
新倉美子 宮原深雪
瑳峨三智子 明科姫
田中博行 満王丸
市川男女之助 鯨波将監照忠
堀正夫 五十嵐典膳
中野伝次郎 目付役子母沢
尾上菊太郎 大蛇の精

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

賀集院太郎の脚本に依り「満月狸ばやし」の萩原遼、「快傑まぼろし頭巾」(原作)の加藤泰が共同監督に当った。撮影は「東尋坊の鬼」の平野好美の担当。出演者は「悲恋まむろ川」の大谷友右衛門、「明治一代女」の田崎潤、「千姫(1954)」の大河内傳次郎、「忠臣蔵(1954)」の瑳峨三智子、「からたちの花」の利根はる恵のほか、香川良介、新倉美子に新人若山喜三郎など。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

足利晴氏の家臣、尾形弘澄、鯨波照忠等は功あって、それぞれ領地を賜ったが、応仁以来の天下の乱れに乗じて、照忠は弘澄を主君に讒訴し、その城を襲った。領土は照忠の所有となったが以来、絶えずお家再興を図る弘澄の残党に悩まされた。北陸の三太郎と言われた山賊、願人太郎、大蛇太郎、針木太郎は、照忠よりその討伐を依頼されたが、針木太郎は、尾形弘澄の旧臣であった。篠井の里に住む尾形の残党宮原兵衛と娘深雪は、兄周馬の留守中、願人等に襲撃された。瀕死の傷を負った兵衛の床に駈けつけた周馬は、初めて自分が故主尾形弘澄の忘れ形見であることを知らされた。捕われた深雪を救いに山中深く入りこんだ周馬は、叢林の中で大きながまを狙っている大蛇を見て、その鎌首を射ち落した。途端に烈しかった風雨はおさまりがまは消え、周馬の面前には一老人が立っていた。こうして周馬は老人よりがまの妖術を秘めた一巻の極意を授かった。その後間もなく、柏崎城の照忠のもとに新しい腰元がめし抱えられた。一日、饗宴がひらかれたが、宴たけなわとなった時、鼓に合せて舞い始めた腰元は、突如照忠に立ち向った。名乗りをあげた周馬に、城内は大騒ぎとなり、鉄砲組の筒先は周馬に向けられたが、その姿は無かった。沛然たる大雨の襲来に火縄は消え混乱に陥った城中の襖には「児雷也尾形周馬、近々参上」の文字があった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/02/16

2024/02/17

50点

VOD/YouTube 


たぶんしばらくしたら、この映画を観たことを忘れる

このサイトでは2本を一緒にまとめているんだが、2部作の同時上映だったのかな。
この荒唐無稽の冒険時代劇が加藤泰監督の演出によるというのは驚きである。

昔の映画、しかも低予算でアクション演出も冴えないので、加藤監督としては不名誉の作品である。ラストで大蛇が退治されるのもあっさりしているし、どうしたもんかなあ。

2024/02/05

2024/02/06

50点

VOD/YouTube 


加藤泰監督作品とは思えない

このキネノートには続「逆襲大蛇丸」と一緒に記載されてある。二本まとめての総集編かと思いきやそうではないようだ。それぞれ別にDVDが出ているのだから。

ヘビ、ガマ、ナメクジの三すくみの児雷也の話は映画の初期からの忍術映画としてたくさん作られたようだけど、私にはあまりなじみがなかった。戦前からの児雷也映画のフィルムが喪失したのか、目に触れる機会もあまりないわけだし。

忍術映画だから子供向けというところなんだろうけど、この作品を観ていると子供向けとは言い難い内容になっている。子供向けと言うのなら、彼らの共感を呼ぶ子役が出てこないしね。
戦前からの児雷也映画を懐かしんでみる大人がターゲットだったのかなと思う。

ヘビ、ガマ、ナメクジ(というよりもカタツムリ?)のさんすくみの特撮が粗末なんだから、あまり気合が入らない。こういう荒唐無稽なのは低予算で創るという姿勢なんだから、まあ粗末になってしまうなあ。
冒頭で戦乱の世を説明するところで映し出される合戦場面もエキストラ豊富に使っているけど、これは他の映画からの流用だろうね。冒頭の場面で新たに金をかけて撮っているとは思えない。

クライマックスの乱戦も文字通りの乱戦で敵味方がよく分からないし、唐突にドラマが終了する雑さもあってB級どころかC級の取るに足らない作品なのが残念。自分はこういう荒唐無稽なものが映画の王道だと思っているので、それが雑な作りではがっくり。で、これを監督したのが、加藤泰だというのにも驚いた。荻原遼が共同監督とcreditされているが、彼はワンシーンも撮っていないのにいないのになぜか名前が残ったとか。だからこの作品は加藤泰単独の監督作品なのだけれども、不名誉なものになってしまったなあ。

2024/02/03

2024/02/03

60点

VOD/YouTube 


大ガマに大蛇に大ナメクジ(と、いうより大カタツムリ)。忍術合戦が面白いチャンバラ映画。新東宝のチャンバラは東映風の味付け?主人公は騙されっぱなしで頼りないが、新人の若山富三郎がおいしい役どころで頑張っているし、大蛇の化身となる悪役の田崎潤がよく動く。メンコの絵柄で少年たちを熱くする、自分が現役の子供時代は鉄腕アトムや鉄人28号など漫画の主人公たち。それより前のヒーローはお相撲さんや野球選手と児雷也などのチャンバラの主人公。特別出演に大河内伝次郎!そうだ、丹下左膳もヒーローだった・・・!?

2016/07/28

2016/09/16

65点

映画館/東京都/東京国立近代美術館 フィルムセンター 


愉しいカツドウシャシン

フィルムセンターの加藤泰生誕100年記念特集、10本目。シネマヴェーラの加藤泰特集で観て以来の「忍術児雷也」は、加藤と萩原遼の共同監督とクレジットされているものの、加藤一人が撮ったと言われる映画ですが、ガマ、大蛇、ナメクジが出てくる子供向けの題材のように思えながら、実際は大人向けに作られた痛快時代劇になっており、加藤泰の奥行きある画面作りを堪能できます。
「忍術児雷也」は、ガキ向けに作ろうとすれば必ずと言っていいほどガキが感情移入できる子役の登場人物を入れるところ、それをやっていないし、賀集院太郎による脚本はガキ向け台詞を使わずに侍言葉に終始しているし、加藤泰は画面奥と手前それぞれに芝居を付ける重層的な演出に徹し、画面を活気付けています。
とにかく自分が幼い頃に観て昂奮した“カツドウシャシン”の魅力を再現することが、生涯を通じた加藤泰の監督哲学なのですから、マキノ正博も日活時代に手掛けた「児雷也」のお話は、加藤泰のやる気を引き出したに違いなく、まだローアングル・フィックス・長回しなどの“加藤泰印”が確立していない初期、キャメラを縦横無尽に動かして、モブ場面では人物を前後左右に配してそれぞれの動きに変化を付けさせ、痛快娯楽としてのチャンバラ映画を作ることに腐心している加藤は、愉しそうに映画作りと戯れているのを感じます。その愉しそうな加藤の思いは、画面から観客にも確実に伝わるのです。
傑作などと持ち上げるつもりは更々ないものの、これはこれで愉しいカツドウシャシンです。

2012/02/04

2016/07/13

55点

映画館/東京都/東京国立近代美術館 フィルムセンター 


CG無き時代の特撮

「忍術児雷也」は81分、「逆襲大蛇丸」71分の上映所間の二部構成になっている大作で、上映時期も一ケ月弱ズレているので、別作品として扱うのが妥当と思われます。
「忍術児雷也」は萩原遼と加藤泰二人の共同監督となっているが、萩原監督は多忙すぎて、ワンシーンも撮る事はなかったが、なぜか名前のみ残ったという事で、「逆襲大蛇丸」は加藤泰単独監督として扱われ、新東宝での加藤泰の最後の公開作となった。

尚、重要な脇役の一人として若山富三郎がデビューする作品となり、嵯峨三智子もニューフェイスでお姫様役でした。本作最大の役者と言えば、主役の大谷友右衛門であるが、地味だったことが影響して、悪役の田崎潤の怪演ぶりが見ごたえあって、オーバーアクションが際立っていた。そのおかげがあった訳でもないでしょうが、同年の伊藤大輔監督の「下郎の首」で主役を演じ、評判になりました。
以上のような話題性は色々あったが、監督の証言によると、ドラマ性に色目を持ったために、本来あるべき冒険大活劇のテイストが薄められたためだったと反省していたようです。

2016/04/03

2016/04/03

60点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


知らなかった講談の世界

クレジットで若山富三郎(新人)とあって興味津々で見た。
ストーリーは蛇とナメクジとガマの精がそれぞれの思いから後継者を作り、その後継者の忍術でお家再興と女性の奪い合いを賭けて戦うもの。子供だましではあるが、なかなか面白い。
ちなみにヘビは田崎潤。粗野な感じがよくでている。
ナメクジは利根はる恵。きりりとした女優でアクション向き。
そしてガマは大谷友右衛門のちの中村雀右衛門。さすが女形、美男子で女装での舞はあでやか。
若山富三郎は高遠弓之助という家老の息子。こちらも後年の豪快さの片鱗が見える。