一等女房と三等亭主

いっとうにょうぼとさんとうていしゅ|----|----

一等女房と三等亭主

レビューの数

6

平均評点

57.8(12人)

観たひと

16

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 1953/11/10
上映時間 92分
製作会社 新東宝
配給
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督小森白 
脚本松浦健郎 
原案並木透 
製作金田良平 
撮影岩佐一泉 
美術伊藤寿一 
音楽松井八郎 
録音片岡造 
照明傍士延雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演伊藤雄之助 海山千吉
轟夕起子 夫人夏子
小林桂樹 坂本平馬
関千恵子 花巻テル
小川虎之助 馬並社長
三好栄子 夫人鳩子
大泉滉 息子一郎
荒川さつき 愛妾おふね
関弘子 女中玉子
鮎川浩 助手天池
松本朝夫 助手佐渡
大谷伶子 女秘書
青木泰子 女事務員
東京子 女事務員
谷川映子 女事務員
小倉繁 洋品店の店員
新井麗子 妾宅の女中

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

並木透の原案より「次郎長一家罷り通る」の松浦健郎がシナリオを書卸し、新人小森白が初のメガフォンを握っている。撮影は「半処女」の岩佐一泉、音楽は「都会の横顔」の松井八郎である。出演者は「早稲田大学」の伊藤雄之助、「健児の塔」の轟夕起子、「わが恋はリラの木蔭に」の関千恵子、「すっ飛び千両旅」の小川虎之勤、小倉繁、「太平洋の鷲」の小林桂樹などである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

美容術界のオーソリティで嘗てはミス東京として名を馳せた海山夏子は、そうした一等女房である。それにひきかえ亭主の千吉はおひとよしで、スローな事も無類である。二人が一緒に居ることはめったになく、しかも周囲から、亭主はかすんでるのなんのと取沙汰されて、兎角面白くない事ばかりである。職を求めて上京してきた夏子の弟の平馬は、女房関白の海山家の家庭生活に呆れはて、千吉の務め先のナイス産業のセールスマン花巻テルに弟子入りして、テルの下宿に転げこんだ。世界婦人連盟会議から夫人が帰って来たのに慌てたナイス産業社長は、千吉に命じて愛妾おふねに当分来られない旨告げるが、おふねはどうやら千吉に執心で彼のライターを取り上げてしまった。夏子もやはり女である。千吉のライターの紛失を忽ち臭いと感ずいた。社長は社長でおふねのサーヴィスが近頃悪いと連絡係の千吉にあたる。社長夫人も息子一郎から言われて社長に疑いをかけ、一郎は夏子を妾と早合点してしまうが間もなく和解し、テル、一郎、平馬、夏子の四人はアルプス登山に出掛けた。槍カ岳の野天風呂での隣の女は、驚いたことに千吉のライターを持っており、間もなく現れた千吉を口説き始めた。おふねである。すっかり怒った夏子はおふねに喰ってかかり、初めて夫婦の愛情を感じて千吉の胸にすがった。ホテルの中庭ではテルが「三等亭主にはさせないわ」と平馬に微笑んでいた。翌日、快晴の銀座八丁を千吉と夏子が腕を組んで歩いている姿を見かけたとか。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1954年新年特別号

日本映画批評:一等女房と三等亭主

1953年11月上旬号

日本映画紹介:一等女房と三等亭主

2023/06/26

2023/06/26

65点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


美女と恐妻家

恐妻家というのは愛妻家のことである。この映画も結局は尻に敷かれていたような男が妻と立場が逆転する物語である。
ドラマと言うよりもむしろコメディーである。テレビに出るような有名な美容家夏子(轟夕起子)は亭主海山千吉(伊藤雄之助)の10倍の収入があり、自分のおかげでこんな豪華な屋敷に住めるのだという自負心(優越感)を持っている。一方千吉は奥さんの人格尊重で文句も言わず、丁寧に扱っている。そんな二人に危機が。
社長の二号おふね(荒川さつき)の所へたびたび使いに行くうちにおふねに惚れられてしまったのである。堅物で愛妻家の千吉は言い寄ってくるおふねから逃げ回っているが、ついつい帰宅時間に帰ることができない。そこで山の神の悋気の虫が起き上がるのである。
もう一組夏子の弟坂本平馬(小林桂樹)と会社のセールスウーマン花巻テル(関智恵子)の恋愛も絡ませて物語を面白くしている。
轟夕起子と伊藤雄之助というコンビの組ませ方がなんとも軽妙。雨降って地固まるという定番ストーリーながら面白く見られた。

2019/11/05

2020/06/19

60点

映画館/兵庫県/シネピピア 


宝塚映画祭に感謝

他ではこの映画は見られなかったでしょう。

2019/07/24

2020/02/06

45点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


格差婚夫婦という題材は悪くない

シネマヴェーラ渋谷の伊藤雄之助出演作特集で初めて観た「一等女房と三等亭主」は、下村健さんの労作“新東宝データベース”によれば小森白の監督デビュー作のようですが、作劇テンポがギクシャクしている点が残念だし、妻は夫に依存するのが幸せだとでも決め付ける世界観が気に食わぬものの、格差婚夫婦という題材は悪くありません。
「一等女房と三等亭主」の“新東宝データベース”における表記は、“実際の画面から確かめた訳ではないので、違っているかも知れない”と但書きがあった通り、小川虎之助の息子は大泉滉ではなかったし、新井麗子は妾宅の女中ではありませんでした。記載にはなかったですが、轟夕起子の弟子に三原葉子がいました。
冒頭近く、放送開始して間もないTVで美容法を語る轟夕起子を飲み屋の受像機で観ていた亭主の伊藤雄之助が“あれは僕の女房”と語ると、“あんな美人が君みたいな情けない男と結婚する筈がない”と笑い飛ばすサラリーマンの酔客を演じているのが沢村昌之助。兄弟共演を果たしています。

2019/11/02

2019/11/03

65点

映画館/兵庫県/シネピピア 


強妻と弱夫が。

ネタバレ

<第20回宝塚映画祭>の上映作品。

一等女房に轟夕起子、三等亭主に伊藤雄之助が扮した喜劇。轟はテレビにも出演する美容の先生で、伊藤は会社の管理職。妻の稼ぎは夫の10倍はあって、夫は妻に頭が上がらない。田舎から仕事を求めてやってきた、女房の弟に小林桂樹。彼が妻の家庭での君臨ぶりに物申したがため、下宿するはずだった彼らの家から追い出され、下宿先を見つける。会社社長・小川虎之助から2号さんの伝令役をさせられている伊藤は、2号さんから言い寄られ、断りながらも態度をはっきりさせないことが災いして、妻の誤解は深まっていく…

誰に対してもきっぱり物申す轟が、2号さんと一対一で対面した時の、2号さんの反撃が面白い。結末は、古い価値観に収められてはしまうが、後に東宝の社長シリーズなどにも用いられる会社と浮気ネタを程よく笑に昇華した水準作。

社長の本妻で代議士業の三好栄子のインパクトが相変わらず。

2019/07/21

2019/07/22

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『一等女房と三等亭主』。楽しい一編。海山家の表札に注意。海山夫婦(伊藤雄之助、轟夕起子)は夫人の方が稼ぎがいいので女性上位。ナイス産業は女性の下着メーカー。社長に営業成績を示すのは模造紙に描いたグラフ。小林桂樹の下着のセールスが楽しい。三好栄子の髪型がすごいぞっ!

2019/07/20

2019/07/20

65点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


女性活躍の時代があった?

小森白監督の第1作であるが、予定調和的ではあるものの、起承転結もきちんとしていて、笑いのツボも抑えていて、初作にして、すでにベテランの味わいがあります。その後も、新東宝らしい戦争ドラマやキワモノ作品で多数の演出に手腕を発揮しています。

元ミスコン女王で、下着会社社長令嬢の妻と、妻に頭の上がらない部長の夫との格差婚の悲喜劇を描いた作品です。
怪優伊藤雄之助特集での主役で、彼にとってはうってつけのような役どころですが、本来ならばイジケてしまいそうなものですが、伊藤雄之助の持ち前のヌーボー然とした雰囲気で、緊張感や悲壮感はなく、その為に義父にあたる社長には重用され、次期社長にと考えられているのも人徳の一種でしょうか。