村八分

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村八分

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レビューの数

3

平均評点

77.1(12人)

観たひと

21

観たいひと

9

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1953
公開年月日 1953/3/8
上映時間 94分
製作会社 近代映協=現代プロ
配給 北星
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督今泉善珠 
脚本新藤兼人 
製作山田典吾 
絲屋寿雄 
撮影宮島義勇 
美術小島基司 
音楽伊福部昭 
録音安恵重遠 
照明吉田章 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演中原早苗 吉川満江
藤原釜足 吉川一郎
英百合子 吉川きみ
乙羽信子 香山先生
山村聡 本多記者
日高澄子 妻和子
山田巳之助 村長
菅井一郎 山野
御橋公 遠藤
殿山泰司 教頭
久松保夫 アナウンサー
横山運平 山口のじいさん

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

昨年全国的な話題となつた静岡県下上野村村八分事件を取あげたもので「原爆の子」を製作した近代映画協会に現代ぷろだくしよんが協力している。製作は、「原爆の子」の山田典吾に絲屋寿雄の共同。脚本は「千羽鶴(1953)」の新藤兼人、監督は「原爆の子」の第一助手新人の今泉善珠。撮影は「暴力」の宮島義勇が担当。吉村公三郎が演出補導に当る。配役は、「女といふ城 夕子の巻」の乙羽信子、「リンゴ園の少女」の山村聡、「夫婦」の藤原釜足、「千羽鶴(1953)」の菅井一郎、殿山泰司に新人の中原早苗。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

静岡県選出参院補欠選挙の発表の日、朝陽新聞静岡支局へ富士山麓の野田村の一少女から、同村で行われた替玉投票の事実を訴えた投書が舞い込んだ。支局長は吉原通信部の本多記者に、早速この事実の調査を命じた。本多は野田村在の吉川一郎の娘、富士原高校に在学する満江がこの投書の主であることを確めたが、これを知った同村ボス山野の手配で厳しく口どめをされた村民たちからは何一つ手がかりを得ることが出来なかった。しかし、根気よくこの村へ通っている間に、本多は一老人の口から竹山集落の違反の端緒をつかみ、村役場で確証を握った上、このことを記事にして支局へ送った。これが朝陽新聞に報道され、司法局がこのため活動を開始したと知って村民は色を失い、その反動が、投書の主満江一家の上にふりそそがれた。学校の校長までが、満江の行動を遠まわしにいましめたり、村人からは村八分の扱いをうけた。女教師香山と、本多記者は満江をなぐさめはげましてくれ、本多記者が一家迫害の事実を再び記事にして発表したことから新聞、ラジオ、雑誌記者が村に殺到して更に騒ぎは大きくなった。しかし満江たちへの村人の反感はそれで一そう激しくなった。が、一方、純真な学校の生徒たちは生徒大会で満江を支持する者も多く、自分の非を悟った佐野村長は村の汚名を返上しようと立ち上ったが、因習的な政治力をバックにする村のボス達の策動で罷免された。満江一家は耕作期をひかえて手も足も出ない。そんな一日満江を支持する生徒たちの一団が畠の手伝いに自転車をつらねてやって来た。そのなかには香山先生の顔もあった。満江の父も、はじめて生気をとりもどし、畑へとび出して行った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1953年4月下旬号

日本映画批評:村八分

1953年2月下旬号

グラフィック:村八分

日本映画紹介:村八分

2024/02/19

2024/02/19

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『村八分』。実際の事件、静岡県上野村村八分事件を脚色。投書した高校生役は中原早苗。自分では何も考えず他人の真似をする村人が多いのが要因。ほんの一部の悪人に利用されていることに気づかない。山口の爺さん役の横山運平、流石。本多(山村聰)の愛車は光自転車、前輪上のエンブレムが輝かしい。

2018/07/14

2018/09/14

60点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


記録映画出身の監督らしい画面センス

ラピュタ阿佐ヶ谷の旧サヨク系独立プロ映画特集で初めて観た「村八分」は、投票依頼はもちろんのこと、投票に行けない人の代わりに替え玉投票するなど、地域ぐるみの不正選挙が行われてることに義憤を覚えた女学生・中原早苗が新聞に投書したところ、村を仕切る県会議員・菅井一郎を始め、村長・山田巳之助、選挙管理委員長の久保春二、村役場職員の谷晃らが中心となって、高校生・中原早苗だけでなく、父親・藤原釜足、母・英百合子ら一家を村八分にし始め、それを知った新聞記者・山村聰が村八分の事実を記事にしたことから、全国的な話題となり、ラジオ局がこの地域に来て村民インタヴューを行ったり、日弁連の人権擁護委員会から役員の御橋公が派遣されてきたりと、大騒動に発展する様子を描いた映画。
この映画の監督・今泉善珠の映画を観るのは、川島芳子の話を描いた「燃える上海」に続いて2本目ですが、この監督、つい先日読んだ村山新治の著書の中で、村山が文化映画の会社にいた頃の同僚として登場しており、この「村八分」でも冒頭の畑を耕す人を逆光で捉えた画面からして、記録映画出身の監督らしい画面センスが感じられました。

2018/07/09

2018/07/10

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『村八分』。クレジット文字は焼付けられていない16mm。実際の事件を基にした話。村ぐるみの選挙違反を指摘した女学生(中原早苗)一家が窮地に追い込まれてゆく。正しい行いをしたのに思わぬ結果に悩む女学生。山村聰の愛車は光エンブレムがカッコイイ光自転車。横山運平爺さんはいい味出している。