生きる(1952)

いきる|Doomed|----

生きる(1952)

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レビューの数

97

平均評点

85.2(578人)

観たひと

975

観たいひと

99

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1952
公開年月日 1952/10/9
上映時間 143分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚本黒澤明 
橋本忍 
小国英雄 
製作本木莊二郎 
撮影中井朝一 
美術松山崇 
音楽早坂文雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演志村喬 渡邊勘治
金子信雄 渡邊光男
関京子 渡邊一枝
小堀誠 渡邊喜一
浦辺粂子 渡邊たつ
南美江 家政婦
小田切みき 小田切とよ
藤原釜足 大野
山田巳之助 齋藤
田中春男 坂井
左卜全 小原
千秋実 野口
日守新一 木村
中村伸郎 助役
阿部九洲男 市会議員
清水将夫 医師
木村功 医師の助手
渡辺篤 患者
丹阿弥谷津子 バーのマダム
伊藤雄之助 小説家
宮口精二 やくざ
加東大介 やくざ
菅井きん 主婦

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

黒澤明の「白痴」に次ぐ監督作品。脚本は「羅生門」の共同執筆者橋本忍と「海賊船」の小国英雄とが黒澤明に協力している。撮影は「息子の花嫁」の中井朝一。出演者の主なものは、「戦国無頼」の志村喬、相手役に俳優座研究生から選ばれた小田切みき、映画陣から藤原釜足、千秋実、田中春男、清水将夫その他。文学座から金子信雄、中村伸郎、南美江、丹阿弥谷津子。俳優座から永井智雄、木村功、関京子。新派では小堀誠、山田巳之助などである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

某市役所の市民課長渡邊勘治は三十年無欠勤という恐ろしく勤勉な経歴を持った男だったが、その日初めて欠勤をした。彼は病院へ行って診察の結果、胃ガンを宣告されたのである。夜、家へ帰って二階の息子たち夫婦の居間に電気もつけずに座っていた時、外出から帰ってきた二人の声が聞こえた。父親の退職金や恩給を抵当に金を借りて家を建て、父とは別居をしようという相談である。勘治は息子の光男が五歳の時に妻を失ったが、後妻も迎えずに光男を育ててきたことを思うと、絶望した心がさらに暗くなり、そのまま街へさまよい出てしまった。屋台の飲み屋でふと知り合った小説家とそのまま飲み歩き、長年の貯金の大半を使い果たした。そしてその翌朝、買いたての真新しい帽子をかぶって街をふらついていた勘治は、彼の課の女事務員小田切とよとばったり出会った。彼女は辞職願いに判をもらうため彼を探し歩いていたという。なぜやめるのかという彼の問いに、彼に「ミイラ」というあだ名をつけたこの娘は、「あんな退屈なところでは死んでしまいそうで務まらない」という意味のことをはっきりと答えた。そう言われて、彼は初めて三十年間の自分の勤務ぶりを反省した。死ぬほどの退屈さをかみ殺して、事なかれ主義の盲目判を機械的に押していたに過ぎなかった。これでいいのかと思った時、彼は後いくばくもない生命の限りに生きたいという気持ちに燃えた。その翌日から出勤した彼は、これまでと違った目つきで書類に目を通し始めた。その目に止まったのが、かつて彼が付箋をつけて土木課へ回した「暗渠修理及埋立陳情書」であった。やがて勘治の努力で、悪疫の源となっていた下町の低地に下水堀が掘られ、その埋立地の上に新しい児童公園が建設されていった。市会議員とぐるになって特飲街を作ろうとしていた街のボスの脅迫にも、生命の短い彼は恐れることはなかった。新装なった夜更けの公園のブランコに、一人の男が楽しそうに歌を歌いながら乗っていた。勘治であった。雪の中に静かな死に顔で横たわっている彼の死骸が発見されたのは、その翌朝のことであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「生きる」

1963年4月号増刊 黒沢明<その作品と顔>

シナリオ:生きる

1952年9月上旬号

スタジオ訪問:黒澤明監督「生きる」の撮影を見る

1952年6月下旬号

グラフィック:生きる

1952年6月上旬号

日本映画紹介:生きる

1952年4月上旬特別号

特別掲載シナリオ:生きる 黒沢明監督作品

2018/02/04

2018/02/04

75点

テレビ 


考えさせられる映画

ネタバレ

巨匠黒澤明の作品だけあって、深く考えさせられる。人は、生きているのか、生かされているのか、など難しい。

2018/01/31

2018/01/31

98点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日劇 


生きる

二ヶ月ほど前に日本映画の名作をまとめた本に出会い、タイトルが気になり、監督の名前に反応し、早めに見たいなっと思っていたら日劇が閉まるということでリバイバル上映を行なっている。しかもそのラインナップの中に「生きる」が入っていた。そして個人的休日。
全てがうまく繋がってスクリーンで鑑賞することができました。

感想はただ一つ。個人的ですが「最高傑作」でした。
言葉が邪魔な印象を冒頭受けましたが物語が進むにつれその当時の雰囲気を感じとることができ、主人公のボソボソ喋る声、早口な職場の人たちや息子など登場人物達の性格もうかがい知ることが出来ました。

笑いあり涙ありとはよく言いますが「生きる」とは確かにそれらが生み出される日常の事を言うのだなと。無情にも主人公の日常を変えるにはその「生きる」が大きく変わらなければならなかった、絶望しなければ自分の人生を見出せなかったのだなと。
その変化や素晴らしい精神に触れてもやはり人は人ごと、関係ないんだなと、いろいろ考え過ぎてしまいました。

しかしその変わった人、変わらなかった人、素晴らしい人を、醜いくだらない人。夢も希望もないただありのままのストーリー。
誰がではなく登場人物全ての人の「生きる」をエグいほどリアリティに、客観的に映画化したまごう事なき大傑作最高傑作です。

最後にこの映画を見て気付いた点が一つ。
自分、日本の映画が大好きです。

2018/01/26

70点

選択しない 


命短し恋せよ乙女

パロディーでよく使われるブランコで歌う「ゴンドラの唄」がすごく印象に残る。ガンを宣告されて、死ぬ前に人の役に立とうと思ったのか、本来の職務を全うしようと思ったのか、いずれにしてもガンを宣告されからが本当の意味で「生きる」と自覚したのだろう。心理描写がやや大げさな感じも否めないが、黒澤明の傑作の一つに間違いない。

2018/01/08

2018/01/08

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 

志村喬の中の抜けてしまった、ミイラのようなときの不気味な演技から一転。公園をつくるという目的を得てからの魂だけで動く渡辺の演技のすごみ。
ヤクザから命惜しくないのかの皮肉の脅しへの不気味すぎる笑みの返し。
そして、右にならへの役所の人への批判。
すごかった。

2018/01/06

2018/01/06

90点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


セリフが聞き取れない

BSプレミアムでの放送。黒沢作品の傑作。
相当久しぶりに見たが、やはり素晴らしい作品である。
残念ながら、セリフが聞き取れないところが多い。
いっそのこと、日本語字幕をつけてもらいたいくらいだ。
左ト全のセリフはほとんどなにをいっているのかわからない。
「助役と言え」というセリフ以外は。
古典の輝きを持っているが、構成は斬新である。
がんで余命いくばくもないと悟った主人公が、迷い、悩み、彷徨い、煩悶した挙句、ついに生きる希望を見出し、役所を出かける瞬間、死亡したというナレーションとともに、一気に本人の葬式の場面に至る、その飛躍。そして、回想を交えたその故人をしのぶエピソードから本作は本物のすごみを見せ始める。そしてなんといっても、回想、葬式、回想、葬式、回想、葬式と繰り返すそのリズムこそが、本作真骨頂であり、映画が映像という魔術を持ってしか示しえない場面、名場面を続々と登場させていく。主人公が公園の工事現場で転んで、主婦たちに水をもらうシーンで、水が光りを反射して顔にきらきら揺れるシーンや、助役室でやくざの脅しに無心で挑むそのすごみ、宮口や加藤のやくざそのものの表情、ブランコでの歌、歩道橋からみた夕陽など、つまり回想すればするほど、主人公の人生が輝きを増すという皮肉を、真正面から技術的成果をもって、確実に映画としての存在証明をしながら迫ってくるシーンの数々。
映画という手段のなにかを知り尽くした黒沢の芸術がここにある。

2018/01/03

2018/01/04

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


人が生きることと活きることとの違い

ネタバレ

人生の中で「何かをやった」という充実感は死期を認識した時に強く認識することなのだろう
主人公の渡辺課長はそれまで生きてはきたけど(劇中の表現では死んでいた)活きてはいなかった
そして気持ちを新たにして雪の日の夜、公園のブランコに乗り多分心の中でガッツポーズをして死んで行った。
彼にとってそれは幸せな人生だったのかと思う。
物語の後半の役所のしがらみの話なんてどうってことない。死ぬときは誰も一人。本人がどう思えるか。
渡辺課長は嬉しそうに歌を歌って死んでいった。
それが生きる(活きる)ことなのであろう