生きる(1952)

いきる|Doomed|----

生きる(1952)

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レビューの数

99

平均評点

85.0(0人)

観たひと

1023

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106

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1952
公開年月日 1952/10/9
上映時間 143分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督黒澤明 
脚本黒澤明 
橋本忍 
小国英雄 
製作本木莊二郎 
撮影中井朝一 
美術松山崇 
音楽早坂文雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演志村喬 渡邊勘治
金子信雄 渡邊光男
関京子 渡邊一枝
小堀誠 渡邊喜一
浦辺粂子 渡邊たつ
南美江 家政婦
小田切みき 小田切とよ
藤原釜足 大野
山田巳之助 齋藤
田中春男 坂井
左卜全 小原
千秋実 野口
日守新一 木村
中村伸郎 助役
阿部九洲男 市会議員
清水将夫 医師
木村功 医師の助手
渡辺篤 患者
丹阿弥谷津子 バーのマダム
伊藤雄之助 小説家
宮口精二 やくざ
加東大介 やくざ
菅井きん 主婦

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

黒澤明の「白痴」に次ぐ監督作品。脚本は「羅生門」の共同執筆者橋本忍と「海賊船」の小国英雄とが黒澤明に協力している。撮影は「息子の花嫁」の中井朝一。出演者の主なものは、「戦国無頼」の志村喬、相手役に俳優座研究生から選ばれた小田切みき、映画陣から藤原釜足、千秋実、田中春男、清水将夫その他。文学座から金子信雄、中村伸郎、南美江、丹阿弥谷津子。俳優座から永井智雄、木村功、関京子。新派では小堀誠、山田巳之助などである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

某市役所の市民課長渡邊勘治は三十年無欠勤という恐ろしく勤勉な経歴を持った男だったが、その日初めて欠勤をした。彼は病院へ行って診察の結果、胃ガンを宣告されたのである。夜、家へ帰って二階の息子たち夫婦の居間に電気もつけずに座っていた時、外出から帰ってきた二人の声が聞こえた。父親の退職金や恩給を抵当に金を借りて家を建て、父とは別居をしようという相談である。勘治は息子の光男が五歳の時に妻を失ったが、後妻も迎えずに光男を育ててきたことを思うと、絶望した心がさらに暗くなり、そのまま街へさまよい出てしまった。屋台の飲み屋でふと知り合った小説家とそのまま飲み歩き、長年の貯金の大半を使い果たした。そしてその翌朝、買いたての真新しい帽子をかぶって街をふらついていた勘治は、彼の課の女事務員小田切とよとばったり出会った。彼女は辞職願いに判をもらうため彼を探し歩いていたという。なぜやめるのかという彼の問いに、彼に「ミイラ」というあだ名をつけたこの娘は、「あんな退屈なところでは死んでしまいそうで務まらない」という意味のことをはっきりと答えた。そう言われて、彼は初めて三十年間の自分の勤務ぶりを反省した。死ぬほどの退屈さをかみ殺して、事なかれ主義の盲目判を機械的に押していたに過ぎなかった。これでいいのかと思った時、彼は後いくばくもない生命の限りに生きたいという気持ちに燃えた。その翌日から出勤した彼は、これまでと違った目つきで書類に目を通し始めた。その目に止まったのが、かつて彼が付箋をつけて土木課へ回した「暗渠修理及埋立陳情書」であった。やがて勘治の努力で、悪疫の源となっていた下町の低地に下水堀が掘られ、その埋立地の上に新しい児童公園が建設されていった。市会議員とぐるになって特飲街を作ろうとしていた街のボスの脅迫にも、生命の短い彼は恐れることはなかった。新装なった夜更けの公園のブランコに、一人の男が楽しそうに歌を歌いながら乗っていた。勘治であった。雪の中に静かな死に顔で横たわっている彼の死骸が発見されたのは、その翌朝のことであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1983年11月上旬号

特別企画 [黒澤明の全貌]によせて 第1回 私の黒澤映画:「生きる」

1963年4月号増刊 黒沢明<その作品と顔>

シナリオ:生きる

1952年9月上旬号

スタジオ訪問:黒澤明監督「生きる」の撮影を見る

1952年6月下旬号

グラフィック:生きる

1952年6月上旬号

日本映画紹介:生きる

1952年4月上旬特別号

特別掲載シナリオ:生きる 黒沢明監督作品

2018/09/17

2018/09/17

69点

購入/DVD 


役所

セリフが聞き取りにくい

昔見た時より
ヒューマンドラマってゆうか
行政への不満を訴えている方が強く感じる

2018/04/29

2018/04/30

98点

購入/DVD 


志村喬の迫真の演技

 全体が三部構成になっていることに気づいた。まず第一部はナレーションによる主人公の市役所の市民課長である渡辺の紹介から始まり、彼の職場での働きぶりや同僚、彼の家族などが紹介される。体調が優れない渡辺が病院に行くと待合室で居合わせた男に話しかけられる。この男は死神のように、渡辺の症状を医者より早く宣告する。気落ちした渡辺が家に戻り、しょんぼりしているところに、息子夫婦が帰って来る。息子は父の異変が気になるが、戸締りを頼んで寝てしまう。渡辺が玄関の鍵をかけ、しんばり棒にバットを使うと、次の瞬間、渡辺が息子の野球の応援をするシーンに始まり、彼がいかに息子を溺愛して来たかが窺えるシーンが続く。この手法は素晴らしいの一語だ。まじめ一筋だった渡辺が飲み屋で知合った三文文士と一夜を豪遊する。三文文士は渡辺に同情しつつも自らメフィストと称して、渡辺を快楽の場に連れ回す。 
 続く第二部は朝帰りの渡辺が役所の女性職員に出会うシーンから始まる。渡辺は屈託がなく天真爛漫な彼女の活力に惹かれ、最後に彼がやるべきことのヒントを得る。この瞬間、レストランに隣合わせた誕生パーティの「ハッピーバースデー」の歌が、あたかも生まれ変わった渡辺を祝福するかのように彼に降りそそぐ。
 そして、第三部は渡辺のお通夜会場だ。彼は市民の声を初めて聞いて、公園造りに奔走し、完成した公園で雪の夜に死んでしまう。ブランコに揺られながら、”いのち短し 恋せよ乙女”と絞り出すように歌うシーンはあまりにも有名だ。しかし、通夜に参列している役所の同僚らは渡辺の功績を認めす、上役や助役のおかげとゴマをする。その上役らが先に帰ると、今度は渡辺をたたえ合い、酔いに任せ、自分も渡辺のように市民のために働くと茶番劇を繰り広げる。市役所職員まではびこっている官僚主義を見事に突いている。
 死を覚悟してから初めて「生きる」価値に気付く男の皮肉な物語だが、その男を演じた志村喬の迫真の演技があってこその名作だ。

2018/03/04

2018/03/07

100点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ハッピーバースデー

◎ 何しろテーマが重いし、身につまされるところも多くて、そう何度も観たくなる映画ではない。私の生まれたころに公開された。映画の中頃で、「ハッピーバースデー」の歌が何度もしつこいくらいに繰り返される。ミイラのような市民課長の生まれ変わりを示すとも思われるが、歌っているのは上流階級のお嬢様たちで、映画の中の課長やおもちゃ工場の女工員とは別世界の人たちである。
◎ ミイラ課長は退職前に胃がんで倒れたが公園を残した。わが身は無事に満期退職を迎え、中流の年金生活にある。

2018/03/03

2018/03/03

80点

購入 


「ゴンドラの唄」

志村喬主演による、ヒューマンドラマ。
主人公は、市役所の課長、自分が癌に冒されていることを知ります。
過去の自分を反省し、ある仕事を成し遂げようとするはなしです。
人間の生き方や、生甲斐を考えさせてくれる映画です。
映画半ばをすぎると、彼の通夜のシーンとなります。
ここから、列席者の証言がはじまり、彼が何をしたのかがわかってきます。
謎解きのようなおもしろい見せ方をしています。

2018/01/31

2018/01/31

98点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日劇 


生きる

二ヶ月ほど前に日本映画の名作をまとめた本に出会い、タイトルが気になり、監督の名前に反応し、早めに見たいなっと思っていたら日劇が閉まるということでリバイバル上映を行なっている。しかもそのラインナップの中に「生きる」が入っていた。そして個人的休日。
全てがうまく繋がってスクリーンで鑑賞することができました。

感想はただ一つ。個人的ですが「最高傑作」でした。
言葉が邪魔な印象を冒頭受けましたが物語が進むにつれその当時の雰囲気を感じとることができ、主人公のボソボソ喋る声、早口な職場の人たちや息子など登場人物達の性格もうかがい知ることが出来ました。

笑いあり涙ありとはよく言いますが「生きる」とは確かにそれらが生み出される日常の事を言うのだなと。無情にも主人公の日常を変えるにはその「生きる」が大きく変わらなければならなかった、絶望しなければ自分の人生を見出せなかったのだなと。
その変化や素晴らしい精神に触れてもやはり人は人ごと、関係ないんだなと、いろいろ考え過ぎてしまいました。

しかしその変わった人、変わらなかった人、素晴らしい人を、醜いくだらない人。夢も希望もないただありのままのストーリー。
誰がではなく登場人物全ての人の「生きる」をエグいほどリアリティに、客観的に映画化したまごう事なき大傑作最高傑作です。

最後にこの映画を見て気付いた点が一つ。
自分、日本の映画が大好きです。

2018/01/26

70点

選択しない 


命短し恋せよ乙女

パロディーでよく使われるブランコで歌う「ゴンドラの唄」がすごく印象に残る。ガンを宣告されて、死ぬ前に人の役に立とうと思ったのか、本来の職務を全うしようと思ったのか、いずれにしてもガンを宣告されからが本当の意味で「生きる」と自覚したのだろう。心理描写がやや大げさな感じも否めないが、黒澤明の傑作の一つに間違いない。