唐手三四郎

からてさんしろう|----|----

唐手三四郎

レビューの数

4

平均評点

57.3(10人)

観たひと

14

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1951
公開年月日 1951/12/28
上映時間 75分
製作会社 児井プロ=新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演岡田英次 山内龍彦
川喜多小六 鷲見俊介
浜田百合子 平良敷登
香川京子 岡田智子
月形龍之介 野国弁嶽
藤田進 大里義夫
坪内美子 ふみ子
大谷伶子 千代
清水将夫 伊波昭玄
尾上桃華 チンピラ吉

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

原作は『讀切傑作倶樂部』に掲載の石野径一郎の唐手小説から飯島憲一郎と瀬戸口寅雄が共同で脚本を書き、「平手造酒(1951)」の並木鏡太郎が監督に当たっている。撮影は「十六文からす堂 千人悲願」の平野好美。主なる出演者は「風雪二十年」の岡田英次、「決闘鍵屋の辻」の浜田百合子、「女ごころ誰か知る」の香川京子のほか、月形龍之介、川喜多小六、藤田進、坪内美子、大谷伶子、清水将夫などである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

唐手は防御の武器で、決して攻撃に使われてはならぬ。これは東都大学唐手部師範大里義男の信念であった。唐手部の鷲見は彼の愛する下宿の娘千代のことで同じ部員の親友山内龍彦に挑んで足を折られた。龍彦は鷲見の入院費を得るため横浜の波止場人足に雇われ、ボスの伊波からその腕を見込まれ、大金を貰った。が、その金が彼を用心棒に使うための金と知って喧嘩になり、その時出て来た隻手の野国弁嶽に唐手で破れた。その弁嶽を訪ね、秘手三角飛びを見たが、弁嶽はその昔千代の母ふみ子のことで大里と闘って片手を失ったのだった。ふみ子は二人の争いを悲しんで大里からも身を引いたのだったが、その娘の千代が、ボス伊波にさらわれ、弁嶽のもとにあずけられたことから千代の生い立ちを知り、憤然と伊波との関係を断った。が、そこへ大里とふみ子とが駆けつけた時、再び大里に向かって挑戦した。伊波はそのすきに拳銃で大里を打ち倒した。そこへ、龍彦がかけつけ、弁嶽から盗んだ三段跳びの秘手をもって弁嶽に勝ったのだった。その頃、大里道場の婦警の通報で伊波は捕縛され間もなく沖縄航路の船中に、故郷へ去る弁嶽と、沖縄料理店の女で、龍彦にとげられる想いを寄せていた敷登の姿が見られた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1952年2月上旬号

日本映画批評:唐手三四郎

1952年1月下旬号

日本映画紹介:唐手三四郎

2020/12/30

2020/12/31

55点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


有名作品に追随。

ネタバレ

並木鏡太郎監督、岡田英治主演の武道もの。オープニングタイトルでは岡田より師匠役の藤田進の方が先。藤田進といえば「姿三四郎」だが、本作はそのライバル役に月形龍之介というこれまた「姿三四郎」の布陣。その上、回想シーンでの対決がススキの原っぱとは。

バイト先が悪人の巣窟だったために命を狙われる主人公。オリジナリティはあまり感じられないが、香川京子が”美しすぎる婦警さん”だったと分かるのが見どころか。


(※ BD-R 録画 CATV 衛星劇場)

2020/10/15

2020/10/15

55点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


文武両立せず

黒澤明の「姿三四郎」で主役の柔術家を演じた藤田進を唐手家ではあるが本作でも主役に据え、敵役にも同じく月形龍之介を配した、明らかに黒澤三四郎を意識して製作された多くのカラテ映画の一本で、上映フィルムは公称の75分より一部欠落し69分となっていた。
武術の極みを目指す男の闘いという本筋から脇道に逸れ、下宿の母と娘が絡んでの借金返済トラブル、裏で操る悪辣な貿易商と盛沢山の話を短い尺の中に詰め込みすぎたために、肝心のカラテ対決もお座なりで、秘技「三角飛び」もどんな技かスローモーションも無いので見せ場にならないのはもったいない。
香川京子がカラテガール、花売り娘と変り、最後に婦人警官として犯人逮捕に活躍と三変化するのも深い意味はないがサービス精神の現われで新東宝らしく楽しい。

2020/10/13

2020/10/13

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『唐手三四郎』。画質が良くないのが残念。写っているものの文字が判読できない。千代(大谷伶子)が連れていかれたのは渋谷聚楽。塀には「●山町」とあったので円山町だろうか。橋の上から見えた電車は東横線のような気がする。この橋は猿楽橋ではなかろうか。月形龍之介は本当に隻腕のように見える。

2020/08/02

2020/08/02

60点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


恋の仇敵

三四郎(岡田英次)は親友が思いを寄せる下宿の娘千代との仲を邪推され、親友から道場で執拗に攻撃されたことから、つい彼に怪我をさせてしまった。
師範の大里(藤田進)は昔、親友と女のことで諍いを起こし、親友に怪我をさせてしまったことを語る。その親友野国弁嶽(月形龍之介)は姿を消し、今もって行方が分からないという。
三四郎は親友の入院費を捻出するため、アルバイトに励むが、闇の親分に見込まれ、悪の道に誘い込まれようとするが、断る。それがもとで用心棒の空手家に痛めつけられそうになるが危うくかわす。それが実は野国弁嶽であった。
野国弁嶽は腕を失った恨みを晴らすために大里の腕をへし折ろうと考えている。
一方三四郎は用心棒が野国弁嶽であることを知り、野国弁嶽しかできない特別の技を習得したいと、教えてくれるよう野国弁嶽に頼み込むが、馬鹿にして、試技だけ見せてくれる。
さて師範との確執は如何に・・・
女を巡る二組の恋物語の決着を求める映画だ。最後に野国弁嶽と大里、三四郎の戦いの場面があるが、藤田進、岡田英次共に空手のスタイルが決まらない。それに反し月形龍之介は時代劇の重鎮でもあるので、しっかりとした構えで様になっている。
沖縄出身者が多く登場するが、いつの時代の話だろう。警察官などの服装を見れば返還前の沖縄がある昭和の初めごろかもしれない。