三四郎(岡田英次)は親友が思いを寄せる下宿の娘千代との仲を邪推され、親友から道場で執拗に攻撃されたことから、つい彼に怪我をさせてしまった。
師範の大里(藤田進)は昔、親友と女のことで諍いを起こし、親友に怪我をさせてしまったことを語る。その親友野国弁嶽(月形龍之介)は姿を消し、今もって行方が分からないという。
三四郎は親友の入院費を捻出するため、アルバイトに励むが、闇の親分に見込まれ、悪の道に誘い込まれようとするが、断る。それがもとで用心棒の空手家に痛めつけられそうになるが危うくかわす。それが実は野国弁嶽であった。
野国弁嶽は腕を失った恨みを晴らすために大里の腕をへし折ろうと考えている。
一方三四郎は用心棒が野国弁嶽であることを知り、野国弁嶽しかできない特別の技を習得したいと、教えてくれるよう野国弁嶽に頼み込むが、馬鹿にして、試技だけ見せてくれる。
さて師範との確執は如何に・・・
女を巡る二組の恋物語の決着を求める映画だ。最後に野国弁嶽と大里、三四郎の戦いの場面があるが、藤田進、岡田英次共に空手のスタイルが決まらない。それに反し月形龍之介は時代劇の重鎮でもあるので、しっかりとした構えで様になっている。
沖縄出身者が多く登場するが、いつの時代の話だろう。警察官などの服装を見れば返還前の沖縄がある昭和の初めごろかもしれない。