「天下の快男児」シリーズの第二弾は「突進太郎」。凄い名前です。「おい、突進!」「あら、突進さんだわ」などと呼ばれてゐるやうです。「突進」といふ苗字は実在するのでせうか。福岡の日本一の判子屋・秀島さんに確認したいものです。源氏鶏太の原作を離れて、棚田吾郎のオリジナル脚本。監督は小林恒夫が続投です。音楽も全作に続き木下忠司。
就職活動をしてゐた突進太郎(高倉健)が入社したのは、ダイアナ下着社。前作は化粧品会社で、今回は女性下着。これだけでも狙つてゐるやうで、いささかあざといですな。本来は不採用だつたのが、手違ひで採用通知が届いてしまつた。営業部長の堀部(岡田眞澄)は採用を取り消さうとしますが、社長のあぐり(久保菜穂子)の一声で採用決定。
その営業方針も突進突進。お馴染みさんのコルセットを締め過ぎて気絶させたり、社長の母校であるミッションスクールに派手なネグリジェを紹介したりして堀部から大目玉を喰らふのですが、結果として太郎は気に入られ、大量の受注を得るのです。
あぐり社長の覚えは益益めでたくなる一方で、堀部は面白くない。太郎の企画する下着ショウを妨害せんと画策しますが......
今回も共演陣が賑やかです。ワルは前述の岡田眞澄とその父須藤健を中心に、太郎に嫉妬する潮健児が何かと健さんに突つかかります。モデルが着る下着や水着に細工をして、健さんを支へる久保菜穂子を失脚させやうとしますが、悪の栄へたためしはありません。
ヒロインはその久保菜穂子と前作同様、山東昭子。健さんは山東昭子の家に下宿してゐるのです。前作は山東昭子が健さんの心を得たのですが、今回はラストシーンを見てもどちらが本命だつたのか分からぬ結果となりました。
映画的評価とかはまあ気にしない。高倉健がやんちやに豪快に暴れまくる姿を見ればそれで好いのです。