女死刑囚の脱獄

おんなしけいしゅうのだつごく|----|----

女死刑囚の脱獄

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レビューの数

5

平均評点

56.8(28人)

観たひと

50

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960/3/13
上映時間 78分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督中川信夫 
脚本石川義寛 
企画津田勝二 
製作大蔵貢 
撮影吉田重業 
美術黒沢治安 
音楽松村禎三 
録音泉田正雄 
照明関川次郎 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演高倉みゆき 今井京子
林寛 今井有道
宮田文子 今井美鳥
三田泰子 今井美奈子
和田桂之助 島明夫
寺島達夫 赤尾荘一
沼田曜一 宮田警部
高村洋三 上杉刑事
由木城太郎 石井刑事
池月正 加藤刑事
菊地双三郎 渡辺刑事
松方信 刑事A
高松政雄 刑事B
泉田洋志 刑事C
若杉嘉津子 女囚君江
浜野桂子 女囚弓子
美谷早百合 女囚よし子
津路清子 女中加代
渡辺高光 運転手武藤
杉山弘太郎 医者
広瀬康治 管理人
岡竜弘 裁判長
千曲みどり 保母さん
朝倉彩子 吉野マリ

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「東海道四谷怪談」の石川義寛の脚本を、「雷電(1959)」の中川信夫が監督したサスペンス・ドラマ。「黒線地帯」の吉田重業が撮影した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

島製菓の次男明夫と娘京子の縁談をすすめていた資産家の今井有通は、娘に赤尾荘一という恋人がいるときかされて激怒した夜、急逝した。死体からは青酸加里が検出されたが、京子の義理の母美鳥や義妹の美奈子の、京子に殺害の動機があるという証言に加え、京子の化粧品の中から青酸加里が出て来たことから、京子の犯行は決定的なものとなった。無罪を主張する京子は尊属殺人罪として死刑の判決をうけ、盛岡の女囚刑務所に送られた。刑務所を訪ねた赤尾は、結婚を断わられた明夫が京子を陥れるために企んだ犯行だと京子に告げた。明夫への報復を決意した京子は、明夫が盛岡支店に転勤になったことを知ると同房の君江と脱獄を敢行した。しかし島製菓の社員寮に京子が勢い込んで訪ねた明夫は、京子を罠に仕組んだ男ではなかった。京子の無罪を信じる明夫は京子を変装させて、厳重な張込みの中を無事東京につれ帰った。京子の脱獄を知って狼狽する美鳥と美奈子の態度に、訪ねた宮田警部は不審を抱いた。そして脱獄犯人隠避罪をかぶってまでも京子のために奔走する明夫を見て、事件の再調査を始めた。しかしホテルから赤尾にかけた電話から足がついて、京子と明夫は捕えられた。赤尾の身を洗い、彼が美鳥と肉体関係のあることを知った警部は、美奈子を連行して美鳥と赤尾の密会現場に向った。美奈子は白状した。京子の恋人だった赤尾と肉体関係のあった美鳥は、実の娘美奈子も赤尾を愛していることを知ると、美奈子をそそのかし、夫の有通を殺害して罪を京子になすりつけて刑務所に送り込み、しかも美奈子の眼を盗んでは赤尾と密会を続けていたのであった。真犯人として赤尾、美鳥、美奈子の三人が逮捕された。無実を証した京子は、一時とはいえ疑念を抱いたことを詫び、明夫と再出発を誓うのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1960年4月上旬春の特別号

日本映画紹介:女死刑囚の脱獄

2023/03/05

2023/03/05

65点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


沼田曜一が最終的に事件を解決する役なのが良かった。

2021/06/06

2021/06/07

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


「私は無実だ!愛情を裏切られ殺人の汚名に泣き叫ぶ女!」

ほとんど見たことない役者ばかりな作品。
沼田曜一くらいしかわからなかった。
結果的に面白かったのだが前半のテンポがもう少しよければといったところ。
ちょっと前半で集中力落ちたところがあったので。
有名な役者が出演してたらもう少し日の目を見れたかもしれない作品。

2015/10/18

2015/10/22

71点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


沼田曜一が善玉刑事

タイトルの「脱獄」より、真犯人探しが主流のミステリー。怪しい人物は味方で、信用していた人物が悪人だったという石川義寛の脚本はひねりが利いている。脱獄は茅根威に描いているが、巧く行き過ぎ。黒沢治安の美術は、寒々とした刑務所、贅沢な邸宅の設計が見事。珍しく沼田曜一が善玉の刑事。終盤の時間戦は、よく考えると別に遅れてもいいんじゃね、となるのだが、護送前に犯人確保をしたいという想いがサスペンス効果を生んでいる。

2012/06/01

2014/08/19

55点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


脱獄映画にハズレなし

ネタバレ

“脱獄映画にハズレなし”というわたくしが勝手に作っている映画ルールは、中川信夫「女死刑囚の脱獄」に関しては、あまりにご都合主義的な筋立てについて当て嵌まらないかに思え、じじつ、冒頭で許婚・和田桂之助がいながら愛人・寺島達夫と狩りに興じている高倉みゆきのことを、父の後妻である宮田文子の連れ子・三田泰子が嫉妬を含んだ眼で見つめる(三田は寺島に想いを寄せています)という、他愛ない三角関係が描かれたのち、高倉みゆきの父親・林寛が毒殺されると、高倉の化粧品から青酸化合物が発見されたという単純な理由で彼女が父親殺しの疑いで逮捕・起訴され、高倉自身はもちろん無罪を主張するものの、あれよあれよという間に裁判は進んで、高倉には尊属殺人の罪で死刑が言い渡されるという展開は、強引で呆れるほかありません。
獄中で知り合った若杉嘉津子に誘われて、同房の女二人が同性愛関係を持とうとしてイザコザを起こし、独房に連れられて行った結果、高倉みゆきが若杉と二人だけとなった夜、脱獄を実行に移すという筋立ても、ご都合主義という謗りを免れることはできないでしょう。
そして、別の房の女囚から入手した金属ヤスリを使っていとも容易く鉄格子を切り取り、シーツを結い合わせたロープを持って房内から抜け出して屋上に出て、都合の良いことに獄舎の建物の外側には備え付けの金属梯子がある上、建物から別の建物の屋上に移動する際には、ちょうど良い長さの渡し板が都合良く入手できるといった具合に、難なく脱獄が実現できてしまう脚本の杜撰さは、容易に批判できる代物でしょう。
しかし、夜の沈黙が支配する刑務所内で、二人の女性が静かに脱獄を果たそうとする様子を、多彩なキャメラアングルを駆使しつつ、的確な編集リズムを刻みながら描く中川信夫の画面作りにおいては、やはりルールは生きていたと言うべきでしょう。
盛岡の刑務所から脱獄を果たした高倉みゆきは、彼女が真犯人だと目している元婚約者・和田桂之助のアパート(高倉に面会するため盛岡に転勤しているという、都合の良い設定)を訪ねて彼を追及するものの、和田は犯行を否定し、本当の真犯人を掴まえるべく高倉の逃亡を助け、彼女を追いかける地元警察の眼を誤魔化して東京行きの列車に潜り込み、汽車のデッキ外にしがみつくという荒業を二人で実践してまでして東京行きを果たすという展開も、東京に来てみたら高倉が獄中で産んだ寺島達夫との間の子供は病死していたという展開も、その後高倉と和田は警察に捕まってしまうものの、事件を最初から捜査していた刑事・沼田曜一が高倉や和田の必死の訴えを聞くうちに真犯人は別にいるように思えた結果、今は高倉の義妹・三田泰子と恋人関係になっている寺島達夫が、実は三田の母である宮田文子とも関係を結んでいることを掴み、高倉が盛岡に送り返される時刻が迫る中、それより早く寺島・三田・宮田の3人から真実の証言を得るべく警官たちを総動員するという展開も、筋立てとしては観る者を納得させることはできません。高倉が盛岡に再び護送された後であっても、真犯人が見つかれば高倉は無罪釈放になるべきですから、時間に追われることにリアリティはないのです。
しかし、そんなふうな理屈はさておき、何やらドラマの解決に向けて時間的な制約が課せられるという状況を作り、映画に緊張感をもたらすことは、映画的には有効な手段たり得ており、ストーリーテラーとしての中川信夫の確かな腕前には感心させられるのでした。
大蔵貢の愛人として有名な高倉みゆきも、その美貌も含めて、サスペンス物語のヒロインとして及第点です。

2012/06/01

2012/06/07

72点

映画館 


脱獄映画にハズレなしというルールは、中川信夫の女死刑囚ものに関しては、あまりにご都合主義的な筋立てについて当て嵌まらないかに思えますが、多彩なキャメラアングルを駆使しつつ、的確な編集リズムを刻む画面作りにおいては、やはりルールは生きていたと言うべきでしょう。大蔵貢の愛人も及第です。