家出らしく見えない女・小夜子は上野駅で、始めは魔の手をかわしますが、更に上を行く敵は3人のスケコマシのチームプレーに捕らえられ、ボスの長島に凌辱されコールガールに仕立てられます。
スキあらば逃げ出そうとしますが、見張りが厳しく、リンチも加えられるため全員おとなしく、命じられるままになっています。
日々の虐待に積もり積もったうっぷんが爆発する時がやってきます。どこから集まって来たのかトラックに分乗して長島のヤサを襲撃する売春婦の数は数十名に上りました。リーダーと思っていた小夜子も埋没する女性たちに、女を虐げていた長島の手下も蹴散らかされ、窓から壁づたいに逃げようとした長島は転落して死んでしまいます。
ヒーローに相当する男優は一人として登場せず、男はすべてならず者ばかり。女性たちもすべて同業のおテントウさまの下を歩けないような立場に置かれながら、最後に団結して立ち上がり、結果を出してしまうのは、この種のノワール映画としてはやや甘い結末のような気がします。
女性陣にも計り知れない犠牲が出て、暗澹とした気分にさせるのが本筋かも知れません。その意味でも新東宝映画はやや毒気に欠けるかもしれません。