0線の女狼群

ぜろせんのおんなおおかみぐん|----|----

0線の女狼群

レビューの数

4

平均評点

53.1(11人)

観たひと

27

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960/1/13
上映時間 73分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督三輪彰 
脚本三輪彰 
織田清司 
企画岡本良介 
製作大蔵貢 
撮影岡田公直 
美術宮沢計次 
音楽渡辺宙明 
録音沢田一郎 
照明折茂重男 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演小畑絹子 遠藤小夜子
寺島達夫 佐伯信行
丹波哲郎 長島
大原譲二 斎藤
松原六郎 高橋
鳴門洋二 ニヤニヤ
国方伝 カミソリ
鈴木信二 ノッポ
左京路子 里那
千曲みどり 美智子
秋田真夢 いづみ
大友純 村上
上野綾子 福江
大原栄子 富子
天草博子 0線の女A
青木エミ 0線の女B
柿市安子 0線の女C
扇町京子 0線の女D
中美架子 0線の女E
守山竜次 松田
原聖二 支配人
石川冷 中年紳士
徳大寺君枝 母親
加藤明 手荷物預り所係員

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

0線の女たちと、彼女らをくいものにするグレン隊の搾取ぶりをドキュメンタリー風に描いたもので、三輪彰・織田清司の脚本を、「海豹の王」の三輪彰が監督した。撮影は岡田公直。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

上野駅に降りた小夜子はトランクを手荷物預り所に預け、東京見物に出歩いた。途中、預り証を紛失したが、居合わせた佐伯という青年の好意によって、荷物は受取ることができた。しかし、一人きりになった彼女は、旭商事と称する売春組織団に狙われた。小汚ない部屋に連れこまれ、ボス長島のエジキになった。小夜子は機をうかがって脱出を試みたが、見つけられリンチをうけた。チンピラたちがキャバレー等で拾った酔漢たちを連れこんで来るのだが、彼らの相手にされるのは、脱出の常習犯となった小夜子と美智子が多かった。ある夜、小夜子に指名があり喫茶店に出向くと、佐伯が待っていた。過日、水上バスの乗り場で出会った時に、彼女が所在を告げたからだ。小夜子は、自分にこれ以上接近しないようにと懇願した。美智子は一旦自由の身となったが、チンピラにつけられ、殺された。0線の女たちは、小夜子の呼びかけに立ち上った。小夜子は長島に反抗を宣言した。長島は小夜子殺害を画策した。危機の知らせに、佐伯も駈けつけた。旭商事は暴動の場と化した。佐伯は殺気にはやる小夜子を懸命に制した。--やがて、長島の両手には手錠がかけられた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1960年2月特別号

日本映画紹介:0線の女狼群

2023/07/08

2023/07/08

-点

映画館/東京都/国立映画アーカイブ 

『0線の女狼群』。闇売春組織が田舎から上京してきた娘たちを狙う。組織に取り込まれた小夜子(小畑絹子)の復讐劇。社長役は丹波哲郎、いい味出している。一の乾分斎藤(大原譲二)以下、手下たちは新東宝お馴染みの面々(鳴門洋二、国方伝など)。シークレット・フェイスって誰のことだろう?。

2019/09/25

2020/04/03

60点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ラインシリーズの一環

シネマヴェーラ渋谷の新東宝特集「0線の女狼群」は、聞き慣れぬ“0線”なるものが“地方から東京に出てくる純朴な娘たちを待ち構える恐るべき組織”として冒頭ナレーションで説明されるものの、本篇の中に“0線”なる組織名は一切出てきませんでしたが、石井輝男の「黒線」「白線」「黄線」に連なるラインシリーズの一環として製作されたものだろうと察せられます。
映画自体は、大蔵貢時代の新東宝アヴェレージだと思われ、呆れるほどのご都合主義ではないとはいえ、適度なご都合主義がお話をスイスイと運び、なぜここに都合良く寺島達夫がいるのか、などと問うより先に映画が勝手に疾走するのであり、あれよあれよという間に観客は物語の渦に巻き込まれます。

2019/09/23

2019/09/24

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『0(ゼロ)線の女狼群』。上京してきた娘をうまく言いくるめて売春組織に加える男達。16mmのエロフィルムの販売もする。買い付けするのは大友純。「OK、OK」と言い出しそうでひとりでクスクス。羊だった女たちが狼に変身。国方伝を襲うシーンは何だか楽しい。シークレット・フェイスって誰のこと?。

2019/09/23

2019/09/23

75点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


情緒を排除したクールさが良い

家出らしく見えない女・小夜子は上野駅で、始めは魔の手をかわしますが、更に上を行く敵は3人のスケコマシのチームプレーに捕らえられ、ボスの長島に凌辱されコールガールに仕立てられます。
スキあらば逃げ出そうとしますが、見張りが厳しく、リンチも加えられるため全員おとなしく、命じられるままになっています。
日々の虐待に積もり積もったうっぷんが爆発する時がやってきます。どこから集まって来たのかトラックに分乗して長島のヤサを襲撃する売春婦の数は数十名に上りました。リーダーと思っていた小夜子も埋没する女性たちに、女を虐げていた長島の手下も蹴散らかされ、窓から壁づたいに逃げようとした長島は転落して死んでしまいます。

ヒーローに相当する男優は一人として登場せず、男はすべてならず者ばかり。女性たちもすべて同業のおテントウさまの下を歩けないような立場に置かれながら、最後に団結して立ち上がり、結果を出してしまうのは、この種のノワール映画としてはやや甘い結末のような気がします。
女性陣にも計り知れない犠牲が出て、暗澹とした気分にさせるのが本筋かも知れません。その意味でも新東宝映画はやや毒気に欠けるかもしれません。