シナリオはチープだが江波杏子が超ミニ、ビキニでサービス
藤原審爾の小説『消される男』が原作。同原作の映画化に森一生監督・市川雷蔵主演『ある殺し屋の鍵』(1967)があるが、本作の殺し屋は女に変更されている。
小料理屋のママが実は殺し屋だったというもので、指輪に針を仕込んでいて致命傷を与えるという設定は池波正太郎の『仕掛人・藤枝梅安』を想起させるが、本作の方が先。
政界の大物から汚職の証拠を握る仮釈放中の男を殺すよう、商社社長、ヤクザ、依頼者の4段階を経由して頼まれるが、実行後、車のブレーキに細工をされて暴走。危うく難を逃れて、下から順に復讐し、政界の大物を突き止めて仕留めるという物語。
殺し屋の割には身元がバレバレで、本名を名乗ってしまうという凄腕にあるまじきプロ意識の欠如や、小料理屋の常連客の女が商社社長の愛人と、復讐の手順を追うのに都合のよいキャラクターシフトなど、サスペンスとしてはチープなシナリオ。
もともとB級作品なので、見所は女殺し屋を演じる江波杏子にある。妖艶な上に締まった顔立ちの正統派美人なので、小料理屋のママと殺し屋のどちらも似合う。
その江波杏子が殺し屋に転じると超ミニスカート、太腿も露わに車のシートに座り、柵を跨いで逃げ、ホテルのプールでビキニ姿も披露するるという大サービス。二度三度パンチラすれすれまで行くが、肝腎のシーンはカットという残念さもある。
すでに「女賭博師」シリーズがヒットしていたので、和装の女博徒と並ぶ洋装の女殺し屋を狙ったのだろうが、シリーズ化されなかった。
女殺し屋が依頼を受けるシーンで、今はなき後楽園遊園地が出てくるのも見所。