カモとねぎ

かもとねぎ|The Bamboozlers|The Bamboozlers

カモとねぎ

レビューの数

9

平均評点

69.6(36人)

観たひと

63

観たいひと

6

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 1968
公開年月日 1968/3/16
上映時間 92分
製作会社 東宝=宝塚
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督谷口千吉 
脚本松木ひろし 
田波靖男 
製作貝山知弘 
撮影鈴木斌 
美術松山崇 
音楽真鍋理一郎 
録音鴛海晄次 
照明西川鶴三 
編集黒岩義民 
スチル池上恭介 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演森雅之 石黒信吉
緑魔子 麻美
高島忠夫 丸木久平
砂塚秀夫 森洋介
東野英治郎 大井繁次郎
小沢昭一 四方山六造
藤村有弘 支配人
山岡久乃 竹村とみ子
桜井浩子 芳江
ロミ山田 女性歌手
藤尾純 安川
谷口完 工場長
桂米朝 山崎
初音礼子 老婆
若月輝夫 吾一
日高久 男の客

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「石中先生行状記(1966)」の松木ひろしと「南太平洋の若大将」の田波靖男が共同でシナリオを執筆し、「国際秘密警察 絶体絶命」の谷口千吉が監督したコメディ。撮影は「落語野郎 大馬鹿時代」の鈴太斌。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

その端正な風貌から“貴族詐欺師”と呼ばれる石黒信吉とキザなチンピラ丸木久平、発明狂の堅物森洋介の三人の詐欺師は、競艇で八百長を仕組み、まんまと三百万円を手にしたが、丸木と森の不注意からその金を謎の女に持ち逃げされてしまった。女の残したマッチを手掛りに、三人はようやくのことで暴力バーのホステスである女、麻美を見つけたのだが彼女は情夫の保釈金にその三百万を使っていた。たまたま、麻美が金庫破りの技術を持っていたことから、彼女が仲間に入ることになり、信吉はフイになった三百万円の穴埋めに、ある暴力バーに税務署員に化けて乗込み、支配人から脱税の口止め料として大金をせしめたのである。ある日、信吉はベトナム特需でボロ儲けの東西油脂工場に目をつけ、大仕事を企んだ。工場の廃液による地元の奇病をネタにしようというのである。信吉は新聞記者に化けて奇病の実態を調べるうち、この公害の犠牲者を父に持つ芳江を知ったが、彼女の黒髪に、戦時中の悲しい恋を想い出し、ファイトを燃やした。工場の中庭に埋まっているという昔の不発弾を掘り出すという名目で自衛隊不発弾処理班になりすました信吉たちは、緊急避難命令で混雑する工場の金庫から、二通の書類を手に入れた。一通は廃液を有害とする研究報告書で、他のは秘かに製造しているナパーム弾の米軍との受注契約書だった。東西油脂の生命を握るこの書類のうち研究報告書の方を芳江に渡した信吉は、残りの一通で勝負に出た。しかし、東西油脂の大井社長もしたたか者で、信吉たちは彼の罠にはまり、書類を取り上げられたうえに、生命まで奪われそうになった。その危地を麻美の機転で助かった詐欺師たちは、「オレたちが悪いことをするのは仕方がないが善良な市民が悪事を企むのは許せない」という妙な理屈で、猛然と反撃にうつった。信吉たらは緻密な作戦を立て、ゴルフ場から大井を誘拐し、麻酔から醒めた大井にそこの地下室が、沖縄の基地の一室と思い込ませた。そして機密書類を暴露したということでMPに引き渡すと脅すと、さしもの大井も、口止め料として三千万円を支払わざるを得なかった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1967年10月上旬秋の特別号

新作グラビア:カモとねぎ

日本映画紹介:カモとねぎ

2023/10/26

2023/10/26

74点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


日本映画専門チャンネル「蔵出し名画座」で鑑賞。
森雅之の没後50年ということで感慨深い。
冒頭から007ジェームズボンドかルパン三世のようにアクアラングで高島忠夫が登場だ。そして緑魔子の峰不二子も。
ただこの悪党4人組は如何にも小悪党。でも愛すべき正義感がある。
ボスの森雅之が渋いくてスマート。良い。
作品は、太平洋戦争の埋没不発弾やベトナム戦争のナパーム弾、当時でも問題だったろう水俣病公害などへの時代への批判精神も垣間見れる。
高島忠夫の軽み、緑魔子の女性の自立精神もあの時代。
青少年不良化防止婦女団体もあの時代を感じさせる。

2023/10/26

2023/10/26

68点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


長い髪フェチ

石黒(森雅之)をキャップとする詐欺師グループの丸木(高島忠夫)、森(砂塚秀夫)は競艇でうまく仕掛け、大穴賞金をせしめる。しかし麻美(緑魔子)と言う女に持ち逃げされ、彼女を仲間に加えてまた別の仕事をする。
リーダーの石黒は長い髪の女に弱いようであるが、石黒に惚れてしまった麻美がどうやって気をひくかが見所。緑魔子も魅力たっぷり。
詐欺グループの話だが、森雅之が悪党の役なんて珍しい。ただし悪党とは言え、すごい紳士。このあたりは森本来のイメージを損なってはいない。谷口監督もこんな喜劇が撮れるんだという驚きもある。スピーディーで話がすらすらと進み、見ていて飽きない。
脇役陣も東野英治郎、小沢昭一、藤村有弘、山岡久乃、桂米朝と芸達者な人たちをそろう見応えがある。

2023/10/13

2023/10/18

77点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


この映画は洒落(シャレ)たセンスの可笑しさがいっぱい詰まっていた

ネタバレ

緑魔子が、これまで私が見てきた彼女の映画で一番魅力を発揮していたと思います。金庫破りの名人で英語が堪能で、短髪で(?)、頭は切れるが小悪党のヒモが居る。他社(東映)からわざわざ借りてきての出演だが、このキャスティングは誰が考えついたのだろう。プロデューサーの貝山知弘かな?彼女の起用を考えただけでも良い仕事をしていると言えます。
砂塚秀夫、高島忠夫がコメディアンの味がうまく引き出されているが、何よりも特筆すべきはベテラン森雅之の喜劇的センスがここまで引き出されるとは意外中の意外である。谷口千吉監督作品で私がこれまで観てきた中でベストワンである。
最初の競艇場のシーンから快調に飛ばしていく。最初からこの調子で飛ばせば息切れしないかと心配になるくらいだ。息切れするどころか、後半になってギアを一段上げた。悪徳化学薬品工場に不発弾処理と称して潜入した泥棒グループが、爆弾処理をしているふりをしていると、その奥を、ストーリィと全然関係なく、子犬が一匹、構内をチョロチョロと右端から左端に横断して画面から切れていく。こんなのは伏線にもなっていない。ドラマに絡んでいない無駄な映像を、スタッフが手間暇かけて、いかにも間の抜けた感じを醸し出していて可笑しい。子犬はロングショットで撮っているから、これ見よがしじゃないようにさりげなく撮っているふりして、結構目立っているのが却って可笑しいのだ。
窃盗団が悪徳化学薬品工場の社長(東野英治郎)を拉致して閉じ込めた部屋の高窓から、沖縄民謡が聞こえてきたり米軍基地の爆音や訓練の様子が聞こえてきて、隣の部屋からもの凄い拷問の悲鳴が聞こえて来たりする。どうなることかと社長は恐怖に怯えていると、高窓からボールが飛び込んできて、野球帽を被った男の子が窓から顔を出して「おっちゃん、ボール取ってんか」と言う。こういう仕掛けはすぐ読めるほどベタなのだが、ベタ過ぎてしらけるのもバカらしくて逆に笑ってしまう。谷口千吉って、こういう洒落(しゃれ)た笑いの映画も撮るんか、と改めて一目を置きました。これまで「暁の脱走」「ジャコ萬と鉄」「銀嶺の果て」「愛と憎しみの果て」など、黒澤明の肌合いに近い画調をイメージしていたので、思いがけない側面を見せられてビックリです。

川本三郎氏推薦の日本映画専門チャンネル「蔵出し名画座」の一本でした。

2023/10/12

2023/10/12

-点

選択しない 


桂米朝出演

蔵出し名画座。

2021/03/28

2021/03/31

60点

映画館/東京都/神保町シアター 


東野英治郎と桂米朝の最強コンビ

今や地上波での放送は不可能なくらいにセクハラギャグの連打。いくつかの犯行を積み重ねた後に、巨大企業を相手にした社会派の顔が現れる。そこに登場するのが東野英治郎。いきなり映画のテンションが上がる。驚異の瞬間だ。凄いぞ、東野英治郎!その横でにたにたしている人間国宝桂米朝も凄い!最強のコンビ!

2019/07/03

2020/02/03

78点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


映画は、基本、観て楽しめなきゃと思っているので、こういう肩の力が程よく抜けたハラハラとゲラゲラが交互にくるような作品が好み。
先日観た「牝」の緑魔子より、断然この作品の彼女のほうが魅力的で、きっと本人もノリノリで楽しんで演じたと思う。そして何より、主役の詐欺グループリーダー役の森雅之が素晴らしかった。観る前はキャスティングとして適役なのかなと訝しく思っていたが、とても良い仕事をしていた。この人の出演作をたくさん観ているわけではないが、自分としては、森雅之がこういう役もできるんだと意外に感じ、好感を持った。是非また観たい映画。