こころの山脈

こころのさんみゃく|----|----

こころの山脈

レビューの数

3

平均評点

71.3(12人)

観たひと

23

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1966
公開年月日 1966/2/2
上映時間 104分
製作会社 本宮方式映画=協力近代映画協会
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演宇野重吉 本間久平
山岡久乃 本間秀代
県立本宮高校二年生 本間正一
本宮第一中学校三年生 本間道代
本宮小学校四年生 本間正二
吉行和子 坂井安子
佐藤忠 安子の夫
江角英明 塚田先生
玉川伊佐男 大沢先生
殿山泰司 西川校長
増田順司 小石教頭
本宮小学校五年生 西坂清
奈良岡朋子 西坂貞子
荒井孝一郎 西坂省吉
田中筆子 弘子の母
町田博子 孝枝の母
清水美佐子 和彦の母
佐々木すみ江 荒井先生
大方斐紗子 三浦先生
津野哲郎 白井先生
阿部希郎 先生A
本宮小学校五年生 孝枝
本宮小学校五年生 弘子
本宮小学校四年生 正男
本宮小学校五年生 三郎
上石政雄 警官
本宮町町民総出演 その他

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「高原のお嬢さん」の千葉茂樹がオリジナル・シナリオを執筆、「越前竹人形」の吉村公三郎が監督した師弟愛を描いた社会ドラマ。撮影は杉田安久利。なお、これは俗悪映画の悪影響から子供たちを守ろうという、福島県本宮町のお母さんたちを中心とした、本宮方式映画製作の会が、近代映画協会の協力を得て製作したもので、製作にあたってはスチルの撮影にあたった佐藤布を始めとする、本宮町のお母さんがたが全面的に撮影に協力した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

安達太良山のふもとにある小学校。四年三組の坂井安子先生は出産を間近に控え、代わりに産休先生として本間秀代がやってきた。秀代は戦前の教育を受け、戦時中まで教壇に立っていたが、今は二男一女の平凡な母親であった。しかし西川校長から事情を聞き、昔安子と同じような苦しい立場で教壇に立ったことのある秀代は、夫久平の反対を押しきって、この大任を引受けたのだった。しかし、戦前の教育しかしらない秀代にとって、戦後の民主教育にはとまどうばかりであった。子供たちもそんな秀代を馬鹿にして、勝手な行動をして秀代を悩ませた。しかし、秀代の努力は続き、やがて、母親らしい温い気づかいは次第に子供たちの心にしみこんでいった、ところが。この秀代のクラスには清という乱暴者がいた。清は、同級生の孝枝の給食のお金を盗んだと訴えられ、クラスののけものにされていた。しかし、父親が飲んだくれ、母親が働きにでている清の家庭の事情を知る秀代はなにかにつけて清をかばい、なんとか清に温い心をとりもどさせようとした。だが、この秀代のやり方は、学問本位に考える先生やPTAから非難された。そうしたある日清が近郊市の警察署に補導されるという事件が起った。それは清の母が若い男と家出した後の出来ごとだった。その後、秀代は清を家まで送りとどけたが、かえって父親に乱暴され、額にケガをしてしまった。この事件は、すぐ学校やPTAの間に広まり、ますます秀代の立場は苦しいものになった。が、こんな秀代を力づけたのは、塚田先生と、はじめは秀代が産休先生になることを反対していた夫の久平であった。やがて秀代の努力で清の心にも、次第に優しさが芽ばえてきた。そして、安子先生も無事出産し、約束の三カ月が過ぎた。生徒たちとの別れの日母親と共に仙台の旅館にいっていた清が一人で教室にかけこんできた。そこで清は、かくしていた孝枝の給食袋を秀代に差しだした。--それは秀代にとって何よりもうれしいおくりものであった。秀代が学校に産休先生として赴任してからいろいろなことがあった。だが、それもみんな秀代の誠心誠意か子供等に伝わって、仲良く勉強することが出来たのだった。清という乱暴者も、子供らしい純な心にもどっていった。秀代は、この、子供たちとの“こころの山脈”がいつまでも心に残ることを祈って、学校を去っていくのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1966年3月下旬号

特集 「こころの山脈」はなぜ観客が入らなかったか 日本映画復興への足がかりとして期待を集めながら意外の不振をみたその原因を追求、分析する-:マスコミの支持を過信した

特集 「こころの山脈」はなぜ観客が入らなかったか 日本映画復興への足がかりとして期待を集めながら意外の不振をみたその原因を追求、分析する-:なっていない映画観賞教育

特集 「こころの山脈」はなぜ観客が入らなかったか 日本映画復興への足がかりとして期待を集めながら意外の不振をみたその原因を追求、分析する-:積み重ねられた大衆の失望

特集 「こころの山脈」はなぜ観客が入らなかったか 日本映画復興への足がかりとして期待を集めながら意外の不振をみたその原因を追求、分析する-:金をとるには楽しさが必要

特集 「こころの山脈」はなぜ観客が入らなかったか 日本映画復興への足がかりとして期待を集めながら意外の不振をみたその原因を追求、分析する-:これは貴重な実験だった

1966年2月下旬号

日本映画批評:こころの山脈

1966年2月上旬決算特別号

旬報試写室:こころの山脈

日本映画紹介:こころの山脈

2018/08/18

2018/11/22

45点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


中身はご立派ながら映画的な面白味に欠ける

ラピュタ阿佐ヶ谷の旧サヨク系独立プロ映画特集、「こころの山脈」は、初めて観る映画でした。
わたくしが中学・高校生の頃、東京で上映されている映画のうち何を観るのかという時、新作は監督の名前、旧作の場合はキネマ旬報のベストテンに選出されている映画というのが、取り敢えずの指針でした。まだ知識の浅い小僧にはそれくらいしかガイドラインがなかったのです。
そんな中、「こころの山脈」は、中学・高校生の頃から何度も観る機会があったものの食指が動かず、その後、「安城家の舞踏会」や「偽れる盛装」など吉村公三郎の映画を観たあとも、「こころの山脈」は観る気が起きず、というのも、タイトルからして“良心作でござい”と押し付けがましいし、“本宮方式映画”という謳われ方も胡散臭く思えて仕方ありませんでした。
2000年以降また映画を観るようになってからは、かつての偏見はなくなり、「こころの山脈」を観る機会があれば観たいと思ったものの、旧フィルムセンターでの吉村公三郎特集などでも時間の都合が合わず、結局今回ラピュタ阿佐ヶ谷で初めて観ましたが、真面目で良い映画だとは思いながら、吉村にしては面白くないというのが実感です。
映画の中身自体は、ラピュタ阿佐ヶ谷の解説文に書かれた “産休補助教員として久しぶりに教壇にたった“お母さん先生”が、戦後の民主教育に戸惑いながらも無事務めをはたして去っていく──。福島県本宮小学校のPTA、教師らによる映画教育運動の一環として近代映画協会の協力のもと製作された”という文章の通りの映画であり、実に教育的・道徳的で、なおかつ良心的な映画には違いありませんが、吉村公三郎の“主義者”映画の多くがそうであるように、中身はご立派ながら映画的な面白味に欠けると言うほかありません。

2018/08/18

2018/08/20

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『こころの山脈』。福島県本宮町の小学校の代替教員(山岡久乃)と子供たちの交流。本宮の街や名所旧跡はあまり写らないのが残念。始めは反対していた夫の宇野重吉は出番が少ないがいい味出している。児童たちはとてもいい表情。職員室の入り口脇に「本宮方式映画製作」の解説パネルが掲げられている。

2012/03/08

2013/07/05

64点

映画館/大阪府 


東北舞台

吉村公三郎がこんな教育映画を撮ったことが有るんだ。そう云う面で驚きの映画です。