若い娘がいっぱい

わかいむすめがいっぱい|----|----

若い娘がいっぱい

レビューの数

4

平均評点

54.0(22人)

観たひと

30

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1966
公開年月日 1966/4/3
上映時間 88分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督筧正典 
脚色長谷川公之 
井手俊郎 
原作石坂洋次郎 
製作金子正且 
撮影小泉福造 
美術竹中和雄 
音楽池野成 
録音吉沢昭一 
照明大野晨一 
編集岩下広一 
スチル山崎淳 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演上原謙 依田春樹
加藤治子 依田宗子
浜美枝 依田久美子
金子吉延 依田春雄
上原ゆかり 依田恵子
石坂浩二 村瀬正吉
井上紀明 伊東博文
藤間紫 高木民代
中川ゆき 高木貞子
沢井桂子 智恵子
田村奈己 昌子
豊浦美子 こずえ
八代美紀 君代
若原啓子 雪子
藤山陽子 万理
丘照美 みどり
高橋紀子 とん子
江崎鴻二 川田
前島幹雄 山口

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

石坂洋次郎の“楽しい我が家”を「無宿者仁義」の長谷川公之が脚色、「万事お金」の井手俊郎が潤色、「お姐ちゃん三代記」の筧正典が監督した青春もの。撮影は「姿三四郎(1965)」の小泉福造。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

村瀬正吉は、大学の学生であったが、友達の伊東から家庭教師の口を押しつけられ、仕方なく依田家を訪れた。依田家では、いたずら盛りのチビがてぐすねひいて村瀬を待っていた。だが村瀬はこのアルバイトを快よくひき受けた。それはこの家の娘久美子の現代的な美しさに魅かれたからだ。久美子は短大を卒業すると、娘の勤めることを認めない両親に反撥しながらも、渋々家庭にひきこもっていた。そんな久美子の悩みは弟妹の家庭教師村瀬へぶつけられた。ある日、久美子の同窓生智恵子の結婚式に集まったクラスメートたちが、それぞれ個性的な生活の中で、積極的な生き方をするのを見た久美子は、その帰り村瀬の下宿を訪れた。その夜二人の間には何事も起らなかったが、村瀬は久美子の母親宗子が実の母でないことを知った。村瀬の友人、伊東が下宿する高木美容院の娘貞子は秘かに村瀬に好意をもっていた。村瀬と久美子、伊東と貞子の二つのカップルが箱根で水上スキーを楽しんだ日、貞子は久美子に激しい嫉妬を感じた。この時二人の若い娘は、自分たちが血を分けた姉妹であることを知るはずがなかった。貞子の母民代こそ、久美子の生みの親であったのだ。事実を知った久美子は、娘心を乱され、悩んだあげく高木美容院へ向った。実の親に会おうと決めたのだ。帰らぬ娘を案じた宗子は初めて民代を訪ねた。かつて一人の男性をめぐった二人の母親は、この事態にどう処すべきかを話し合った。数分後久美子は民代に髪をセットしてもらい、母娘であることを認め合って、久美子は晴ればれとして依田家に向った。依田家では、両親と村瀬が久美子を暖かくむかえようとしていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1965年10月上旬秋の特別号

新作グラビア:若い娘がいっぱい

日本映画紹介:若い娘がいっぱい

2022/01/23

2022/01/23

50点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


東宝スコープで映される60年代の東京は綺麗だが…

日本映画専門チャンネルで録画しておいた【蔵出し名画座】。
東宝シネマスコープのカラー映画として映し出される1960年代の東京の風景は綺麗なのだが、登場する若者たちに魅力を感じないので、盛り上がらず。
浜美枝ファンなら良いかも知れない。

確かに、冒頭の艶やかな和服姿の若い女性達が「画面いっぱい」に映るシーンなどは華やかに見えるのだが、個人的には「フーン」という感じ。

石坂洋次郎ものだが、ある豪邸に住む子供達のところに家庭教師に来た学生(石坂浩二)が、その家の短大卒業して家にいるお嬢様(浜美枝)とイイ仲になっていったり、実はお嬢様には出生秘密があったり、などとそれなりのエピソードはあるが…。

上原謙はお嬢様の父親役で出演しており、過去の恋愛がらみなども描かれるのには適任かも知れない。

駒沢公園の建物、代々木体育館など…当時の最先端だったと思われる風景を見られたのは良かった、

映画としては平凡な作品。

2021/02/28

2021/02/28

25点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


若者たちが浅薄で魅力に欠ける

1968年日活製作《BG ある19歳の日記 あげてよかった》はモノクロ、シネスコ。
これは1966年東宝製作でカラー、シネスコ。タイトルどおりに冒頭から若い着物姿の娘が大勢登場する。ある短大の卒業式シーン。オープニングタイトルクレジットも《マイ・フェア・レディ》の真似ッコの花々だが、お金のかけ方、予算の少なさが丸わかりのしょぼさ。
音楽に華やかさがまるでないし。
そして一番の弱点は石坂浩二が貧相!ヘアスタイルが変だし。もうちょっと逞しい人はいなかったんですか?
まだ25歳だもんね。《犬神家》がこの10年後。男も30過ぎないとダメなのかなぁ?
対する浜美枝23歳、クレージー映画や怪獣映画で見せた華やかさがココでは感じられない。なんかおばさんクサイ。
ここでも『女でも社会に出て職業を持つべきだ』と宣言して、まずやるのは「タイピスト」なのである。
『女が本気で仕事をしようたって、なかなか大変なんだから』というセリフも出てくる。
父親が上原謙、継母が加藤治子でかなり上流の生活。家のセットがあり得ないような上流階級感漂うもの。《あげてよかった》でも二谷英明邸は同じようにすごかった。凄い家、居間の家具や調度を見せるのも観客の高度成長志向を煽るのに必要だったのだろうか?
実母、美容院を経営する藤間紫が一番納得できるキャラクターで、浜美枝が藤間紫に髪を梳かしてもらうシーンがいい。実母と娘、継母との関係が出てくるあたりはいかにも石坂洋次郎原作っぽいが、ドロドログチャグチャにはならない品の良さ。
石坂浩二のアパートがすごいオンボロで部屋も汚いのだが生活感はない。建築を勉強してるようなのだが、部屋にル・コルビュジエのポスターが貼ってあるだけ。
浜美枝の部屋には《悲しみよこんにちは》のポスターが。
《若い娘がいっぱい》と謳ってる割にはきちんと「娘」が描かれていない。《あいつと私》の方が当時の風俗や若者世代の考えや行動を知るのに適している。
藤間紫と石坂浩二の同級生、坊主の息子役の井上紀明が印象に残っただけかな。
水上スキーシークエンスなんかまったくの無駄。

*石坂浩二が浜美枝に作ってやろうとする料理『スパゲッティ・イタリアン・ナポリタン・ミラネーゼ』なんだって。

2021/02/11

2021/02/11

56点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


石坂洋次郎もの

石坂洋次郎原作。
お金持ちのお嬢さんが、継母と実母の間で悩みながらも、新しい恋と生活に向かっていくといういかにも石坂洋次郎らしい作品。こうした作品は、日活吉永小百合で随分見たような気がする。
浜美枝が水上スキーをしたりして、スポーツ感覚を見せる。石坂浩二の大学生姿もなかなかにいい。父親が上原謙、継母が加藤治子、実母が藤間紫と、このあたりのキャスティングはしっかりしている。そして、浜美枝の同級生たちに沢井桂子、田村奈美、藤山陽子、芸妓に高橋紀子と若々しい女優が扮して、着物姿などを見せてくれるのは楽しい。

2015/09/20

2015/10/19

55点

その他/映画美学校 


後味は悪くない

今年(2015年)1月、大庭秀雄「朱の花粉」を上映した有志グループが、今度は筧正典「若い娘がいっぱい」という、上映されるのが珍しい映画を掛けてくれるというので、足を運びました。
山の手のお嬢さんとして不自由なく育てられ短大を卒業した浜美枝が、弟妹の家庭教師として家に来るようになった大学生・石坂浩二との恋や、親から反対されている就職、初めて知らされる実母の消息などの事態に直面するという、石坂洋次郎原作の青春劇です。
石坂洋次郎原作らしく、ヒロイン浜美枝が性という主題にぶつかる局面もある(友人の結婚式に出たあと、自分の婚期も近いという本能からか、汚い下宿住まいの石坂浩二のもとを訪ねた浜が、石坂に関係を迫られそうになります)ものの、生々しい事態に陥ることはなく、いかにも東宝らしく微温的な世界に収まりますが、長谷川公之脚本(井手俊郎が潤色)と筧正典演出は、山の手お嬢様の人生経験という与えられた題材の料理に真摯に向き合っており、後味は悪くありませんでした。
ヒロイン浜美枝の実母・藤間紫は、浜が想いを寄せる石坂浩二の親友・井上紀明が下宿している家の大家という偶然は、些かご都合が良すぎますが、美容院を営んでいる藤間のもとを実娘の浜美枝が訪ね、藤間に髪をセットしてもらうところは、「婦系図」の再現だったのであり、作り手がそのことをどこまで意識していたかわかりませんが、戦前の母娘メロドラマの構造を戦後映画が踏襲するということは悪くないと思いました。