復讐の牙

ふくしゅうのきば|----|----

復讐の牙

レビューの数

6

平均評点

61.6(11人)

観たひと

21

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1965
公開年月日 1965/6/25
上映時間 92分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督井上梅次 
脚本田口耕三 
井上梅次 
企画原田光夫 
撮影渡辺徹 
美術山口煕 
音楽伊部晴美 
録音須田武雄 
照明田熊源太郎 
編集関口章治 
スチル沓掛恒一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演田宮二郎 川上吾郎
小山明子 ユリ
滝瑛子 お銀
丸井太郎 三公
東京子 松野令子
村上不二夫 工藤博士
杉田康 
大川修 
安部徹 赤沢弁護士
夏木章 警部佐竹
小山内淳 警部真田
守田学 警部黒田
有木山太 卓然和尚
真城千都世 ムーンライトの女A
緋桜陽子 ムーンライトの女B
藤山浩二 暗闇の親分
橋本力 黒田の手下
谷謙一 マンションの管理人
津田駿 北川刑事
原田玄 友田警視
中田勉 区役所戸籍係
花布辰男 吉峰警視

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「裏階段」でコンビの田口耕三と井上梅次が共同でシナリオを執筆、井上梅次が監督したサスペンスドラマ。撮影もコンビの渡辺徹。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

川上吾郎は、かつて名人肌のスリだったが、現在は足を洗って、場末でバーを経営していた。ある日、真田警部の来訪を受けた吾郎は、自分の戸籍が消されているのを知らされた。早速調べに廻った吾郎は、数年前弟の高志によって、交通事故死として、死亡届けがなされていることを知った。診断書は、工藤医院で書かれていた。裏に犯罪の匂いを感じた吾郎は、子分の三公を連れて、自分のほうむられた墓参りにいった。そこには、すでに美しい女の姿があった。卓然和尚は、高志がよく油壺のヨットハーバーに出入りしていたと語った。油壺のヨットハーバーの支配人叶は、吾郎と聞いて顔を硬ばらせた。そして吾郎はまたそこで例の女の顔を見た。倉庫をみはった吾郎らは、倉庫の中身が麻薬らしいことをつかんだ。叶の後を追った吾郎は、赤沼法律事務所に入ると見るや、躍りこんだ。叶も赤沼も吾郎の姿を見るや、動揺をかくせなかった。吾郎を恐れた一味は、吾郎の命を狙ったが、吾郎はその刺客から名刺をスリ取ると、彼らの組織がバー、ムーンライトらしいことを握った。ムーンライトに行った吾郎は、またもや例の女に会った。彼女はユリというホステスであった。この女が高志の恋人らしいと感じた吾郎は、高志の消息を聞くため、ユリのマンションを訪ねた。だがユリは高志はもう貴方には会えないだろうと謎めいた言葉を残すだけであった。その頃、叶から吾郎に秘密をばらすと電話があった。指定の場所にかけつけた吾郎は、叶から一味が麻薬取引をしていること、そしてボスは“土曜日の男”と呼ばれることを聞いた。だがその叶は吾郎の前で殺害された。再びユリのマンションに来た吾郎は、そこで土曜日の男に出会った。しかも土曜日の男が赤沼事務所を根城にしているらしいことを探知した吾郎は、赤沼事務所で対決した。吾郎は、どうやら弟の高志が、彼等によって殺害されたことを知ったのだ。秘密をあばかれて姿を見せた土曜日の男は、工藤医師であった。吾郎をしばり、吊づりにした工藤は、麻薬を吾郎に注射して、車で轢かせる計画であった。弟高志も同様の方法で殺されていた。だが吾郎は得意の指を使って、アンプルをとりかえると、工藤をなぐり吾郎の身代りに、窓から投げた。下で待っていた工藤の手下は、吾郎の身体と誤って、工藤をひきさったのだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1965年8月上旬号

日本映画批評:復讐の牙

1965年6月下旬号

新作グラビア:復讐の牙

日本映画紹介:復讐の牙

2024/02/08

2024/02/08

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『復讐の牙』。『夜の牙』(1958年、日活)のセルフリメイク。吾郎(田宮二郎)は自分が戸籍上死亡していることを知って真相を追う。人物設定などは多少異なる。土曜日の男の正体も変更されている。掏摸の手口、内パー、外パー、断切りなど。刑事(小山内淳)を弄ぶ吾郎ちゃん。丸井太郎、やるじゃん。

2019/08/12

2019/08/13

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『復讐の牙』。掏摸講習会、黒板に掏摸の手口一覧。内パー、外パー、胸パー、尻パー、鉄砲、のっこみ、断切、鞄師。バー5で東京子の歌に合わせてゴーゴーを踊る丸井太郎。ラクトウ遊園地はどこでロケしたんだろう。観覧車の背景はスクリーンプロセスだが、後方に野球場の照明塔らしきものが写ってる。

2018/10/08

2018/10/25

65点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


日活調の大映ミステリー

#0805 シネマヴェーラ渋谷「復讐の牙」。1965年製作の田宮二郎主演、井上梅次監督作品。自分の戸籍が消されていることを知った元スリの名人が真相を探るうちに音信不通の弟が絡んだ麻薬取引に関係があることを突き止めていく。小山明子演じるホステスや黒幕の「土曜日の男」など謎の伏線を張り巡らしたミステリーになっている。

2018/10/09

2018/10/10

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『復讐の牙』。顔を見せずに犯行を写すオープニングでワクワクさせる。主役の田宮二郎は元掏摸で、戸籍上すでに自分が死亡していることを知る。その謎を追ううちに・・・。悪人たちの乾分の一人、橋本力の眼力はさすが大魔神役者だけある。下っ端だけど目立つ。掏摸担当刑事(小山内淳)がユニーク。

2015/05/10

2015/05/10

70点

映画館/東京都/神保町シアター 


気軽に楽しめる娯楽作

2015年5月10日、神保町シアター『田宮二郎 特集上映』にて鑑賞。

冒頭のいきなり「田宮二郎っぽい男の逆さづり」から始まるサスペンス・アクション映画。
かつての大映映画らしさを持ったテンポ良く楽しめる(ある意味)お気楽に鑑賞できる娯楽作であった。

田宮二郎もさることながら、カラー映画ということもあり「小山明子の美しさ」は目を見張るものあり。


元スリだった川上吾郎(田宮二郎)らが、警察で見せるスリ技は見事で笑える。
しかし、その後、川上吾郎の戸籍が3年前に抹消されており、川上は死亡診断書を書いた医師を訪ねたり、墓のある寺の住職を訪ねたりするうちに、だんだんと事件性の雰囲気が漂ってくる。
「土曜日の男」というのがボスのようだが、なかなか姿を見せない。ボスの周辺にいる3人の男たちがだんだんと判明してくる。
……といった具合に、物語が進んでいく。

気軽に楽しめる映画であった。

2012/10/22

2014/07/11

30点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


テンポも若さもないリメイク

ネタバレ

1965年、大映東京撮影所製作「復讐の牙」(脚本は田口耕三と梅次の共作)は、ラピュタのチラシにも書かれている通り、58年のチャンユー主演作「夜の牙」をセルフリメイクした映画ですが、冒頭で4人組の男たちが一人の男を轢き逃げに見せ掛けて殺す様子を見せたのち、元スリという設定の主人公・田宮二郎が、元スリ仲間の丸井太郎や滝瑛子と一緒に、警察署でスリを捕まえる秘訣について講習会を開いているという描写など、オリジナルのチャンユー版にはなかったお話を入れて、単なるリメイクにはしていません。
しかし、田宮二郎が知り合いの刑事から自分が戸籍上では死んだことになっているのを知らされ、その理由を探るうちに、長年音信不通だった田宮の弟が絡んでいるらしいことを掴んでゆくという展開は、オリジナルのチャンユー版そのままでした。
そのままと言っても多少は手を加えており、オリジナルでは最も黒幕に似つかわしくないと思えた僧侶の森川信が、悪のボスだったのに対し、この映画では僧侶は途中であっさり殺されてしまうのですが、では今回のボスにはさらに意外な人物が設定されているかと言えば、そんなことはなく、冒頭で照明が当てられずに顔は隠れていたとは言え、声の特徴だけで人物は特定できるのであり、その人物が顔出しで登場した時から、彼が真のボスらしいことはバレバレでした。
そもそもオリジナルの「夜の牙」からして、なぜ犯人たちは死んだ人物を兄に見せ掛けなければいけなかったのか、理解に苦しむお話だったのに、まあ梅次のテンポ良い語り口とチャンユーの若々しい動きによって、観客は騙されてしまう形だったのですが、このリメイク版は梅次の語りにテンポは失われ、田宮二郎にもチャンユーのような若い勢いが欠けているのですから、よりによってなぜこの題材をリメイクしたのか、わたくしには理解できません。