ヤクザの待田京介が、トルコ風呂(死語)に勤める桑野みゆきと恋仲になり、トルコ風呂の売上金を、内田良平と子分の鈴木ヤスシと強盗するのだが、あまりに行き当たりばったりな強盗なので呆れた。強盗後、鈴木は逃走する際に警官を殺してしまい、その後はお決まりの仲間割れで内田を殺すことに。逃走中の鈴木は、「俺は強盗なんてしたくなかったんだ!」と、桑野が一緒に逃走して励ましてくれるのに、ウジウジ、メソメソbかりで、観ていてイライアラした。時代は、1964年の東京オリンピック直前。聖火ランナーのラジオ中継車をハイジャックするシーンが、ひとつのクライマックス。吉田喜重監督(脚本も)は、若者達の境遇と、オリンピックに浮かれる世情とのギャップを描きたかったのか。桑野みゆきは、大島渚監督「青春残酷物語」('60)にも助演しており、松竹ヌーヴェルバーグのミューズか?この映画でも、絡みや下着姿などなかなかエロいのだが、当時はどういう評価や位置づけの女優だったのだろう?脇役の市原悦子と坂本スミ子も見所。【ラピュタ阿佐ヶ谷「昭和の銀幕に輝くヒロイン」:桑野みゆき」】