日本脱出

にほんだっしゅつ|Escape from Japan|----

日本脱出

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レビューの数

5

平均評点

61.8(29人)

観たひと

50

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 日本
製作年 1964
公開年月日 1964/7/4
上映時間 95分
製作会社 松竹大船
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督吉田喜重 
脚本吉田喜重 
製作荒木正也 
撮影成島東一郎 
美術芳野尹孝 
音楽武満徹 
八木正生 
録音堀義臣 
照明田村晃雄 
編集杉原よ志 
スチル堺謙一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演鈴木ヤスシ 竜夫
桑野みゆき ヤスエ
待田京介 浅川タカシ
内田良平 郷田勇
坂本スミ子 光子
黒田絢子 晶子
市原悦子 フジ子
垂水悟郎 花田
早野寿郎 赤間
春日俊二 安原
水科慶子 八重子
秩父晴子 玉枝
中野誠也 
玉川伊佐男 アナウンサー
小沢重雄 医師
岸輝子 ホテルのおかみ
桑山正一 部長刑事
水島真哉 競輪選手

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「嵐を呼ぶ十八人」の吉田喜重がオリジナル・シナリオを執筆、監督したアクションドラマ。撮影は「二十一歳の父」の成島東一郎。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

竜夫は有名歌手の世話に明け暮れる、バンドボーイだ。彼は狐独と焦燥にかられ、アメリカに歌の修業に行きたいと思った。或る夜、竜夫は麻薬中毒の兄貴分浅川タカシに出会った。タカシはソープランドに勤めるヤスエと元競輪選手の郷田を紹介し、ヤスエの勤めるソープランドの、金庫破りに加わるよう脅迫した。犯行は、午前四時。犯行後の集合場所は、競輪室内練習場だ。部厚い札束が異様に光っていた。分け前をとりに来たヤスエは、三人が逃げる時、郷田の撃った弾が、警官を即死させたと知らせた。事件のばれるのを恐れた郷田は、ヤスエを選手控室に監禁すると、乱暴を働いた。ヤスエの抵抗する声のすさまじさに、竜夫は郷田を射った。タカシは逃げ、竜夫とヤスエだけが残った。とにかく二人は、逃げなければならない。ヤスエは、身体をはって竜夫を逃がそうとした。ヤスエは警察の目を盗んで、客を取った。ヤクザの花田に、ヤスエがソープランドを襲撃した女であると感づかれると、竜夫は、花田を殺した。ヤスエは、GIのオンリーの光子を頼って、基地に逃げた。竜夫に、念願の日本脱出をさせようとしたのだ。だがオリンピックを前にして軍用機は、朝鮮への輸送に全力をかけていた。朝鮮まで行けば、アメリカに行ける。竜夫は、冷蔵庫トラックの中にかくれた。そこには、北朝鮮に脱出するという、李がいた。だが李は、竜夫のいない間に、MPに射殺された。愕然とした竜夫は、またヤスエを連れて逃げたが、途中、ヤスエは、刑事に逮捕された。一人になった竜夫はオリンピックでにぎわう、日本の騒動をしりめに、このチャンスを逃がしては、日本脱出は不可能だと身体を賭けた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1964年7月上旬夏の特別号

新作グラビア:日本脱出

日本映画紹介:日本脱出

2022/03/28

2022/03/28

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『日本脱出』。いきなり岡本太郎が爆発してるので吃驚。本作の提供は中外製薬。活力剤「オルパ」が数回登場。1964年東京オリンピックの陰で、あまりに不運なバンドマン(鈴木やすし)がいた。トルコ風呂、首だけ外に出す一人用のサウナ。ヤスエ(桑野みゆき)の実家は旧川口村(現八王子市)の床屋。

2020/08/22

2020/08/23

40点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


ウジウジ、メソメソの鈴木ヤスシにイライラ

ヤクザの待田京介が、トルコ風呂(死語)に勤める桑野みゆきと恋仲になり、トルコ風呂の売上金を、内田良平と子分の鈴木ヤスシと強盗するのだが、あまりに行き当たりばったりな強盗なので呆れた。強盗後、鈴木は逃走する際に警官を殺してしまい、その後はお決まりの仲間割れで内田を殺すことに。逃走中の鈴木は、「俺は強盗なんてしたくなかったんだ!」と、桑野が一緒に逃走して励ましてくれるのに、ウジウジ、メソメソbかりで、観ていてイライアラした。時代は、1964年の東京オリンピック直前。聖火ランナーのラジオ中継車をハイジャックするシーンが、ひとつのクライマックス。吉田喜重監督(脚本も)は、若者達の境遇と、オリンピックに浮かれる世情とのギャップを描きたかったのか。桑野みゆきは、大島渚監督「青春残酷物語」('60)にも助演しており、松竹ヌーヴェルバーグのミューズか?この映画でも、絡みや下着姿などなかなかエロいのだが、当時はどういう評価や位置づけの女優だったのだろう?脇役の市原悦子と坂本スミ子も見所。【ラピュタ阿佐ヶ谷「昭和の銀幕に輝くヒロイン」:桑野みゆき」】

2020/08/16

2020/08/17

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『日本脱出』。岡本太郎が絵を描いてます。待田京介、内田良平を押しのけて、鈴木ヤスシが主演。せっかくの主演なのにカッコ良くない役。おバカすぎて呆れる。タイアップは中外製薬「オルパ」。東京オリンピックの聖火リレーの沿道などに広告看板。ラストの荷物も「オルパ」。ブルーバック合成。

2014/07/03

2014/07/03

80点

映画館/東京都/新文芸坐 


吉田版「気狂いピエロ」

@rightwide: #652 新文芸坐「日本脱出」。1964年製作、吉田喜重監督最後の松竹作品。トルコ風呂強盗の片棒を担がされたジャズ奏者志望の青年の東京五輪前夜の祝祭を打ち破る血塗られた逃走を描いた吉田版「気狂いピエロ」である。成島東一郎のカメラと武満徹の音楽、岡本太郎の前衛アートも効果的である。

2014/07/03

2014/07/03

55点

映画館/東京都/新文芸坐 


東京オリンピック エピソード

バンドボーイの竜夫が兄貴と慕う浅川は麻薬中毒で、愛人ヤスエの働くトルコ風呂の金庫破り。巻き込まれる竜夫は皆が次々と倒される中ヤスエと逃避行。憧れのアメリカでミュージシャン目指し、密航しようと米軍基地、そして時あたかも東京オリンピック開幕前日の聖火リレーに紛れて横浜港と目まぐるしく移動…
まだ少なかったカラーシネスコ作品だが、8割方夜間か室内での撮影で、全体に鬱屈したような、内容だけでなく物理的に暗い画面が続き、この傾向は日中の屋外でも光量を著しく落としていて明るさを微塵も見せない。
主演の鈴木やすしは只々大声でわめき散らすだけの演技で、その一本調子に見ててイライラが募ってくる。
一方、桑野みゆきは半分以上がスリップ姿の体当たり演技で、眼の下の隈が演技の過酷さを物語っているように見えた。