現代インチキ物語 騙し屋

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現代インチキ物語 騙し屋

レビューの数

6

平均評点

70.0(32人)

観たひと

57

観たいひと

6

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 1964
公開年月日 1964/1/19
上映時間 89分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督増村保造 
脚本藤本義一 
沢村勉 
企画藤井浩明 
撮影小林節雄 
美術下河原友雄 
音楽山本直純 
録音飛田喜美雄 
照明泉正蔵 
編集中静達治 
スチル椎名勇 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演伊藤雄之助 赤とんぼ
船越英二 河豚
丸井太郎 ちょこ松
犬塚弘 胡瓜
曽我廼家明蝶 カマキリ
園佳也子 ムツコ
弓恵子 襟子
中条静夫 木村
小山内淳 笹崎

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

藤本義一と「夢でありたい」の沢村勉が共同でシナリオを執筆。「ぐれん隊純情派」の増村保造が監督した喜劇。撮影は「巨人 大隈重信」の小林節雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

俗称カマキリ、赤とんぼ、河豚、ちょこ松の四人組は人を騙してゼニを頂戴するのを仕事としている。それぞれがコンビで金儲けをするのだ。競馬場に姿を現わすや、舌先き三寸で勝馬予想をして見事大穴をあて十六万四千円の一万円を戴くという具合だ。雑踏の中でカモを物色しては商売に没頭するといたって熱心だ。金儲けとなると徹底したもので無駄使いはオフ・リミットというガッチリ屋ばかり。この四人の前に仲間入りを願ってつきまとう胡瓜というチンピラ、しかしカマキリたちは相手にしない。そこで胡瓜は赤とんぼの内妻ムツコの店が税金の滞納で税務署員に痛めつけられているのを赤とんぼに注進した。赤とんぼは一大事とばかりムツコの所にかけつけ、高利貸の保証人に早変り、税務署員を退散させた。騙し術四十八手に精通して意気をあげる四人も、それから数日後、自衛隊姿で入って来て、入隊するという胡瓜を見て感激した四人は銭別をはずんで胡瓜を送り出したとたん貸衣裳屋につかまった胡瓜と顔を合せ呆然とした。唯一人胡瓜だけが優越感にひたっていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1964年3月上旬号

日本映画紹介:騙し屋

2021/07/28

2021/08/01

60点

映画館/東京都/新文芸坐 


TVドラマ「C調紳士録」の映画化

藤本義一による連続テレビドラマ「C調紳士録」の映画化で、主演はドラマと同じ曽我廼家明蝶(カマキリ)。伊藤雄之助(赤とんぼ)、船越英二(河豚)、丸井太郎(ちょこ松)のチームが、競馬場、大学受験会場、四十八手の写真、骨董品屋等小さな(せこい)騙しでで小金を稼ぐ話。騙しが次々テンポよく行われるので、最後まで面白い。各人の愛称は、ドラマのままと思われるが、あまり意味はない(丸井以外は戦友という設定)。翌月に京マチ子主演の「現代インチキ物語 ど狸」が公開されているが、脚本が藤本義一というだけで、別の話のよう。【めくるめく増村保造の世界PART2:併映「嘘」】

2019/07/08

2020/02/05

75点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


騙し取る金額もリーズナブル

シネマヴェーラ渋谷の伊藤雄之助・西村晃特集「現代インチキ物語 騙し屋」は約10年前にも観ていますが、その時は腹の虫の置き所が悪かったのか、増村映画の中でも下位に位置すべき映画だと思ったものでした。しかし今回は、次から次へと手を替え品を替え、騙しに徹する様子をテンポ良く見せて面白かったです。
この映画の良いところは、詐欺は詐欺でも騙されるほうが後味の悪い思いをするのではなく、善行をしたと良い気分にさせる騙しに徹している上、騙し取る金額も多額ではなく、実にリーズナブルな点が笑えます。騙しにリーズナブルも変ですけどね。

2019/07/12

2019/07/13

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『現代インチキ物語 騙し屋』。口先で相手をその気にさせて金を騙し取る。相手は騙されていることに気付かない。そんな手法を詳らかにする映画。一味には曽我廼家明蝶、伊藤雄之助、船越英二、丸井太郎。街には路面電車がまだ走っているが高速道路工事真っ最中。昭和の大阪風景が記録されている。

2013/11/13

2013/11/15

70点

映画館/東京都/新文芸坐 


最初に映し出される大阪の街の様子は、今と違って活気があふれている。大きく動きつつある時代の空気を感じさせる映画だ。自分たちは立派な企業家だとうそぶく騙し屋4人組の活躍を表面に置きながら、沖縄は米軍占領下におかれ、傷痍軍人が見捨てられていくなかで、経済成長へと突進し、自衛隊が強化されていく時代の姿をあざやかに切り取ってみせる、実に知的な喜劇だ。そのしたたかな4人組が「胡瓜」の自衛隊入隊にコロリと騙されて餞別をつつみ、万歳三唱で見送ってしまうというラストも皮肉。国民を騙して税金をまきあげたり戦争にひきこんだりする、最大の詐欺師である国家を笑いのオブラートにくるんで示してみせる。伊藤雄之助が、ほんとにうさん臭くて上手いなあ。

2013/11/13

2013/11/14

60点

映画館/東京都/新文芸坐 


全員善人?

口先だけで金をせしめる4人組。仲間に加わりたい少しドンくさい通称胡瓜(犬塚弘)。
伊藤雄之助以下4人の芸達者が口も滑らかに騙すテクニックは金額もみみっちく、騙された方も騙されたとは思わないような、人の心理の盲点を突くような手口。騙されたあなたも悪いとよく言われるが、ここに出て来る被害者は全員善人だらけである。
でもやはりメンバーがやっている事は冷静に考えれば立派な詐欺、犯罪行為である。
警察に挙げられこそしないが、それなりに痛い思いをするメンバー。少しひねりがあるラストが利いている。

2001/03/03

2013/06/08

90点

映画館/大阪府/テアトル梅田 


増村保造の傑作

2001年3月3日に鑑賞。大阪・テアトル梅田1にて。レイト・1100円。ニュープリント上映。

増村保造の傑作である。伊藤雄之助、曽我廼家明蝶がいい。競馬25%が税金、傷痍軍人。助監督:臼坂礼次郎。