がちょうのおやじ

がちょうのおやじ|Father Goose|----

がちょうのおやじ

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レビューの数

1

平均評点

75.0(3人)

観たひと

9

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1964
公開年月日 1965/3/13
上映時間 0分
製作会社 グラノックス・カンパニー・プロ映画
配給 ユニヴァーサル
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

S・H・バーネットの原作を、「シャレード」のピーター・ストーンとフランク・ターロフが共同脚色し、「野のユリ」のラルフ・ネルソンが監督したコディ。撮影はチャールズ・ラング、音楽はサイ・コールマンが担当した。出演は「シャレード」のケーリー・グラント、「ファニー」のレスリー・キャロン、「戦艦バウンティ」のトレヴァー・ハワードほか。製作はロバート・アーサー。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

第二次世界大戦中、南太平洋の孤島でエックランド(ケーリー・グラント)は気ままなくらしをしていた。とこらがある日、オーストラリア海軍のホートン中佐(トレヴァー・ハワード)は、マタラバ島の監視員として彼を任命した。そして、エックランドが司令部と無電通信するときは「マザー・グース」という暗号名を使えといいわたされた。ある日、別の監視所があるマンデー島が日本軍に襲撃されたので、エックランドは危険をおかして救助にかけつけた。そこの監視員は殺されていたが、キャサリン(レスリー・キャロン)という美しい女と、7人の少女たちがいた。キャサリンはラバウルのフランス領事の娘で少女たちは領事館所属の小学校の生徒だったが、爆撃が始まったので避難してきたのだ。彼女たちをつれて孤島に帰ったエックランドは、子供たちの父親のような立場になった。キャサリンの懇願で、彼は酒を飲むのをやめ、身なりを正しくしなければならなかった。日がたつにつれ、キャサリンはエックランドが外見とは全く違った人物であることがわかった。彼もキャサリンをひそかに愛していたのでホードン中佐にたのみ、無線電話を通しての結婚式を挙げた。アメリカ軍の潜水艦が島に救出に来た時、日本軍の水雷艇が攻撃してきた。エックランドは自分のランチに日本軍の注意をそらせ味方を救った。そして全員無事に潜水艦に収容された。そしてエックランドとキャサリンは、再び監視所に勤務させてもらうことになった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1965年4月下旬号

外国映画批評:がちょうのおやじ

外国映画紹介:がちょうのおやじ

2010年

2016/08/07

90点

購入 


何とも言えない面白い雰囲気

『脱走大作戦』と同じく第2次世界大戦を背景に、権力に屈することなく飄々と生きるユニークな人物の姿を、ユーモアたっぷりに、ゆる~い笑いで描いた作品です。一見のんきで頼りない主人公ですが、戦時下においても権力を行使することもそれに屈服することもない、一つの理想が描かれているような気もしました。

南太平洋のニューギニア近くの海を、白い船を走らせる海の風来坊エックランド(ケーリー・グラント)。舳先にはペリカンが一羽。ラジオからはニューギニア戦線の日本軍の勢力が伝えられている。エックランドはラジオのチャンネルを音楽番組に切り替える。と、アコーディオン伴奏の陽気でのんきな歌が流れ始めた。あたりでは爆弾の音が鳴り響き、まるで音楽のリズム・パートのよう(笑)(ケーリー・グラントも合わせて歌を口ずさみご機嫌です!)
ここまでがタイトルバック

船を寄せた港で、連合軍の燃料や食糧をくすねていたエックランドは、ホートン中佐(トレヴァー・ハワード)にもうまく丸めこまれて(このあたりのやりとりが最高です!)、南太平洋の小島で敵機の監視員をさせられることになる…。

エックランドが救助に向かわされた離れ島では、そこの監視員はすでに殺され、キャサリン(レスリー・キャロン)というフランス領事の娘と、領事館学校に通う7人の少女たちが、疎開の途中に置き去りにされていた。

酒好きで無精ひげの自由な精神の持ち主、風来坊のエックランドは、女子どもの世話など真っ平ゴメンこうむりたい(笑)。無線でホートン中佐に早急に迎えにくるよう連絡するが、戦況がそれを許さない。初めはギクシャクしていたエックランドとキャサリンと子供たちだったが、だんだん心を許すようになり…

この作品の本当の面白さは、ストーリーを書くだけでは伝わらないところにあって…。どの場面も、セリフのやりとりの面白さや、絶妙の「間合い」、それにユーモアたっぷりの音楽使いが作りだす、何とも言えない面白い雰囲気に満ちています!

三枚目役のケーリー・グラントがいい味を出していて、レスリー・キャロン(「巴里のアメリカ人」の)は相変わらず綺麗。ホートン中佐役のトレヴァー・ハワードとグラントの掛け合いが面白いです

1964年のアカデミー賞では、原作者S・H・バーネット、脚本フランク・ターロフ&ピーター・ストーンが、アカデミー脚本賞を受賞しました

同じ脚本家コンビの『脱走大作戦』(ポール・ニューマン主演)とともに、とても好きな作品です

ぜひご覧ください