柳生武芸帳 剣豪乱れ雲

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柳生武芸帳 剣豪乱れ雲

レビューの数

9

平均評点

64.1(30人)

観たひと

42

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇 / アクション
製作国 日本
製作年 1963
公開年月日 1963/8/7
上映時間 106分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督内出好吉 
脚色高田宏治 
原作五味康祐 
企画森義雄 
安田猛人 
撮影三木滋人 
美術白根徳重 
音楽只野通泰 
録音堀場一朗 
照明中村清 
編集河合勝巳 
スチル佐野秀雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演近衛十四郎 柳生十兵衛
松方弘樹 飛鳥井大納言時光
島田兵庫 家光
北龍二 松平伊豆守
徳大寺伸 板倉重宗
永田靖 柳生但馬守
藤純子 登世
山形勲 山田浮月斎
風見章子 東福門院
和崎俊哉 柳生兵庫
尾形伸之介 鬼塚喜八郎
楠本健二 海野総四郎
加藤浩 河原彦三郎
河村満和 一色隼人
佐々木孝丸 佐々木左門
戸上城太郎 田宮平八郎
阿波地大輔 花左衛門
佐藤洋 篠原小藤次
五里兵太郎 多兵衛
船越正雄 轟小源太
津村礼司 榊原刑部
矢奈木邦二郎 小野次郎左衛門
神木真寿雄 伝奏
戸塚新八 猿楽桐之助
坂本京三郎 高倉少将
江木健二 使者
南方英二 海野貢
近江雄二郎 内藤主税
小山田良樹 水木右近
岩尾正隆 竹林林仲

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

前作「柳生武芸帳 片目水月の剣」に続く“柳生十兵衛シリーズ”の七本目。五味康祐原作“柳生武芸帳”から「伊賀の影丸」の高田宏治が脚色、「てなもんや三度笠」の内出好吉が監督した剣豪もの。撮影は「八州遊侠伝 男の盃」の三木滋人。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

三代将軍家光の治世。京の朝廷で俊秀の名も高い青年公卿飛鳥井時光は、幕府創設期の三十三年前、反徳川の公卿らが行方不明になった事実を知るや、家康が指令したに違いないこの暗殺事件を明るみに出し、幕府の弱味を押えようと考えた。そしてこの暗殺者--柳生一門の四人の剣客の名は“柳生武芸帳”なるものに記してありそれはその四人・柳生石舟斎、柳生新次郎、佐々木左内ともう一人“寒夜に霜を聞く太刀”を使う謎の剣客のうちの誰かに伝わっているはずであった。時光はこの証拠の武芸帳を、柳生打倒を叫ぶ疋田陰流の使い手山田浮月斎の協力で手に入れようとする。他方、柳生家の危機をさとった独眼の剣豪柳生十兵衛も一門の但馬守、青年剣士兵庫ともに必死の働きを示す。左門の娘登世、一葉浮水の構えの使い手登世が住む伊勢の佐々木家や尾州の柳生家で、柳生一統と山田浮月斎の一味は激突するが、発見された武芸帳は、乱世の最中、急変した飛鳥井時光の手に入る。時光を追う十兵衛は、そこへ現れた浮月斎と対決、“寒夜に霜を聞く太刀”の謎の男と知り驚く一瞬、太刀をはね折られ、時光をとりにがしてしまった。勅使として江戸に着いた時光は、武芸帳を将軍家光につきつけ、幕府の朝廷優遇を確約させた。勅使歓迎の御前試合で、登世、兵庫らも活躍するが、十兵衛対浮月斎の試合は吹上御苑の木立ちの奥で真剣勝負となり、ついに十兵衛の“無刀取り”が、浮月斎の“寒夜に霜を聞く太刀”を破ったのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年8月下旬号

日本映画紹介:柳生武芸帳 剣豪乱れ雲

2024/02/15

2024/02/15

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『柳生武芸帳 剣豪乱れ雲』。シリーズ7作目。新たな武芸帳が登場。内容は陰謀の血判状ではなかった。そして行方知れず。本作でも敵役は山田浮月斎(山形勲)。冒頭では東福門院役の風見章子が大活躍、ナレーションまでも担当。藤純子は新人らしい演技。「疋田陰流」は「ひったいんりゅう」と発音。

2011/09/22

2020/07/24

80点

選択しない 


無刀取りVS寒夜に霜を聞く太刀

 東映版「柳生武芸帳」シリーズの第七弾。
 本作の舞台は三代将軍家光の時代であります。33年前に、豊臣の残党といふことで公卿らが暗殺された事件がまづ語られます。東福門院(風見章子)による語りはなよなよしてゐて、聞き取りにくいのでした。風見章子さんは品があつて好きな女優さんなのですが。

 その東福門院の前で佐々木左門(佐々木孝丸)が、その事件の首謀者は自分であると告げ自害します。東福門院は飛鳥井大納言時光(松方弘樹)に、江戸へ出て真相を探つて欲しい旨の依頼をしました。家康公が暗殺を指示したのなら、それが明るみに出ると幕府に大きなダメーヂを与へられます。
 暗殺者四名の名は柳生武芸帳に記載されてゐて、そのうち三名は既に物故者であると。残る一名が「寒夜に霜を聞く太刀」を駆使する「誰か」であるといふ。

 時光は武芸帳を入手せんと、山田浮月斎(山形勲)の配下に探らせますが柳生十兵衛(近衛十四郎)に阻まれます。偶然武芸帳を発見した十兵衛と柳生兵庫(和崎俊哉)ですが、それを時光に奪はれてしまひます。時光を追ふ十兵衛でしたが、そこへ浮月斎が現れ十兵衛の前に立ちはだかり、時光を見失ふのであります。
 時光は早速江戸の将軍家光(島田兵庫)を訪ね武芸帳を見せます。そして家光から、今後は朝廷(公卿)の地位を安泰せしからめ、これを優遇するとの言質を得るのでした。してやつたりの時光。
 浮月斎は御前試合を利用して、真剣にて十兵衛を斃し柳生家に代り指南番の地位を狙ひます。しかし、十兵衛の「無刀取り」の前に敗れ、武芸帳は家光の手に委ねられるのでした。

 サテ今回は内出好吉が二度目の登板、馬上の対決などにキレを見せます。脚本は引き続き高田宏冶、過去作に捉はれぬ設定を作り、脱マンネリに成功してゐます。何より武芸帳の内容が、幕府転覆を狙ふメムバアの連判状から、暗殺四人組の名が記された秘密文書に変つてゐます。幕府VS朝廷の対立を一層際立たせてをります。
 なほ、佐々木左門の娘役に新人の藤純子が配されてゐます。一葉浮水の構への使ひ手として、きりりとした演技を見せます。映画出演はまだ二作目くらゐで、当時は17歳と存じます。クレジットの順列も山形勲と同格扱ひで、既に将来が嘱望されてゐたのですねえ。

2015/06/18

2015/06/18

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


これ程の作品が何故モノクロ?音楽の曲調といいそこには三船=黒澤の三十郎が見え隠れする。当時の流行というか、人気の波の影響なのだろう。東映時代劇には他とは一線を画す様式美があり、それが見応えあるチャンバラ映画として君臨していたのだが、本作はそのあたりを考慮し他らしく白黒。嵐の中、剣を極めるために苦悩する十兵衛の佇まいはやはり黒澤時代劇と違う凄みがあったし、クライマックスの午前試合などはこれぞ東映と総天然色で見たかった。

2015/02/01

2015/02/02

50点

選択しない 


親子対決

 登世役の藤純子のクレジットに新人の二文字がつく。彼女のデビュー作らしい。デビューの時から剣を扱っていたことがわかる。
 武芸帳に記された幕府の謀略を元に公卿大納言(松方弘樹)らが反乱を起こすという内容だけどもストーリーが入り組んでいてプログラムピクチャーらしいわかりやすさに欠けていてどうもスッキリと楽しめないのが難。だからせっかくの最後の御前試合のシーンもいまひとつ盛り上がりに欠けた感じ。十兵衛(近衛十四郎)と対決することになる山田浮月斎を演じた山形勲のなりきりぶりには感心したが。

2014/12/18

81点

選択しない 


見応えのある佳作

ピシッとしたホンがまず良い。そして、カメラがいいなあ。金をかけたセットをゆったりと撮っている。更には照明。メリハリが効いていて、これも良い。褒めておいて言いにくいが、タイトルが‘剣豪’というからには、十兵衛、浮月斎の他に大納言ともう一人ぐらい剣豪を出して、戦って欲しかったね。

2014/12/13

2014/12/13

55点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


藤純子

藤純子のデビュー当時の映画
任侠ものに比べてあっさりしていた。