俺は地獄の部隊長

おれはじごくのぶたいちょう|----|----

俺は地獄の部隊長

レビューの数

3

平均評点

57.8(13人)

観たひと

21

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル アクション
製作国 日本
製作年 1963
公開年月日 1963/4/28
上映時間 93分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督古川卓巳 
脚色山崎巌 
佐藤道雄 
原作紙屋五平 
企画浅田健三 
撮影伊佐山三郎 
美術松井敏行 
音楽小杉太一郎 
録音古山恒夫 
照明高橋勇 
編集辻井正則 
スチール目黒祐司 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演小林旭 桂木少尉
内田良平 佐々木少尉
朝風みどり リカ
井上昭文 村上上等兵
和田浩治 中田一等兵
藤村有弘 浅井一等兵
武藤章生 茂平二等兵
土方弘 長井二等兵
浜村純 飯塚守備隊長
二本柳寛 井上大佐
杉江弘 佐伯大尉
天草四郎 石丸司令官
星ナオミ 美代
近藤宏 陳将軍
弘松三郎 八路軍参謀
上野山功一 八路軍将校
山田禅二 八路軍隊長
八代康二 八路軍通信兵

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

紙屋五平原作を「波止場の賭博師」の山崎巌と佐藤道雄が共同で脚色、「海の鷹」の古川卓巳が監督したアクションもの。撮影はコンビの伊佐山三郎。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

敗戦も間近い昭和二十年、北支の安平城に本部を持つ日本の歩兵大隊は八路軍の猛攻にたじたじとなり転進をはじめていた。安平城を守る三つの砦のうち二つが全滅し、第三砦も桂木少尉が援軍を求めて飛び出した直後砲撃を喰い、通称忍びの源と発狂した飯塚守備隊長を残すのみとなった。桂木は五人の兵士と途中危機を救ってくれた佐々木少尉共々やっとの思いで辿り着いたが、残り少ない食糧と弾薬は三日ともつものではなかった。翌朝、佐々木は忍びの源ら六人を偵察に出すと桂木を呼びつけ、拳銃を構えながら「弟の仇!」と迫った。半年前、桂木の部下だった弟はゲリラ隊に武器の横流しを計り、その現場を桂木に発見され発砲したので止むなく射殺したのだった。しかし佐々木は一人の目撃者から正反対の話を聞いていたので桂木の言葉に耳を貸そうとしなかった。突然おこった八路軍の銃声で決闘は中止され、偵察の四人が駈け込んで来、源と一人が捕まったという。桂木は一人敵の陣地に潜り込むと火薬庫を爆発させ、どさくさに紛れて二人と牢にいたリカという娘を救い出した。リカを見た佐々木は弟殺しの目撃者は彼女だと呟やいた。翌朝まだ皆が寝ているのを確めて、リカは八路軍に信号を送り、地下のダイナマイトに火をつけた。彼女は肉親を皆日本兵に殺されゲリラの手先となったのだ。この時飛びこんで来た桂木と赤鬼は真相を知り、導火線に飛びついたが、早くも八路軍の一斉砲撃が始まっていた。またたく間に砦は白煙と砂塵に包まれ、五人の兵士たちは次々に戦死し、降服をすすめに飛び出して来たリカも弾丸に当って倒れた。今は誤解も解けた佐々木と桂木は最後のタバコを分けあい、再び始まった敵弾の中に消えていった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1963年6月下旬号

日本映画批評:俺は地獄の部隊長

1963年5月下旬号

日本映画紹介:俺は地獄の部隊長

2019/12/04

2023/07/04

60点

選択しない 


何故か弾薬はふんだんにある第三砦

 マイトガイには珍しい戦争アクション「俺は地獄の部隊長」であります。古川卓巳監督作品。紙屋五平の原作を、山崎巌&佐藤道雄が脚本化。音楽は小杉太一郎で、主題歌「俺は地獄の部隊長」、挿入歌「男なら」、「皇国の母」ともにアキラ自身の歌唱となつとります。

 物語の舞台は終戦間近い昭和20年の北支。日本軍は安平城で守りを固めてゐましたが、八路軍の勢ひは止められず、三つの砦のうち二つは既に陥落、残る第三砦も食糧が三日と持たない有様です。桂木少尉(小林旭)以下、七名のみが残る第三砦。そのうち佐々木少尉(内田良平)は、桂木を弟の仇として狙ひ紛れ込んでゐました。佐々木の弟はゲリラ隊に武器の横流しをしてをり、それを咎めた桂木を殺さうとしたので、已む無く桂木は彼を射殺した事情があります。しかしその話を信用しない佐々木。目撃者がゐると主張するのでした。

 そんな時に八路軍の攻撃が始まりますが、桂木は逆に敵陣で火薬庫を爆発させます。その攻防の中で、桂木はリカ(朝風みどり)と云ふ娘を救ひ出します。彼女こそ佐々木が云ふ弟殺しの「目撃者」で、桂木が本当のことを話してくれと頼むも、改めて彼女は偽証をするのでした。
 翌朝、リカは八路軍に日本軍の情報を送り、皆がまだ寝静つてゐる間にダイナマイトに点火する! 実は彼女は肉親を日本兵に殺された中国人で、ゲリラ隊に参加してゐたのです......

 本隊から見放された「第三砦」を預かるマイトガイ。「ロビンフッド」の異名があります。配下たちも夫々ニックネームがあり、「六区のケン」(和田浩治)、「赤鬼」(内田良平)、「忍びの源」(井上昭文)、「河内山」(藤村有弘)、「一本刀」(武藤章生)、「ドモ政」(土方弘)、「椿姫」(天坊準)と、なつてゐます。「ロビンフッドと愉快な仲間たち」を意識してゐるのでせう。但しこの設定は余り活かされませんでした。

 戦争映画の体裁を採つてゐるものの、その中身は従来通りの日活無国籍アクション。ヒーローにアキラ、ライヷルに内田良平、味方を見殺しにする悪役ポジションに二本柳寛、ヒロインには朝風みどりと、相関図としては何ら目新しいものではございません。リアルな戦場を再現するよりも、ヒーロー・アキラをカッコよく見せる事に腐心してゐるやうに見えます。
 だから敗戦間近で物資も不足、食糧も足りない筈なのに、兵隊さんは皆丸々して血色が良いのです。都合よくマイトガイが歌ふためのギターもあるし、武器弾薬も足りないと言ひつつ尽きる事がないのでした。

 朝風みどりの正体が判明すると同時に、八路軍の総攻撃が開始され大戦闘シーンが披露されます。兎に角爆発また爆発の連続で、火薬使ひまくり。クレジットに無いけれど、特殊技術はやはり金田啓治でせうか。まるで中野昭慶の仕事みたいなスペクタークルのつるべ撃ちであります。

 次々と部下が斃れ、最後に残つたのがアキラと内田。八路軍の圧倒的な兵力の前に、最早最期を待つだけの状況になり、ここへ来て漸く内田の誤解も解けて、友情すら生れる二人です。眞に皮肉な展開。一本の煙草を分け合ひ、「さあ、行くか」とばかりに絶望の戦ひに挑むラストシーンまで、アキラをカッコよく描く為の映画で、反戦思想とかは皆無なのでした。

2021/01/10

2021/01/17

68点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


厭戦思想とかは無縁

アキラの北支戦線の砦を舞台にしたアクション。しかし、裕次郎の『零戦黒雲一家』のような豪快さ、ユーモアはない。ロビンフッドの仇名は和田浩二など7人の部下たちに由来していると思われるが、その部下たちの活躍があまりなく、活かしきれていない。岡本喜八の『独立愚連隊』に見られた反戦、厭戦もない。敵の八路軍のリーダーが近藤宏だから、人情家の将軍のようで迫力に欠ける。撮影は田坂具隆コンビの伊佐山三郎。

2018/08/10

2018/08/13

65点

VOD/GyaO! 


無国籍アクションみたいな戦争映画。

ネタバレ

当時の日活アクションといえば、無国籍アクションが主流であったが、戦争映画ではさすがに無国籍であろうはずもないのに、かなりざっくりとした作戦や簡単に騙されてしまう敵兵といい、描き方は無国籍アクションのそれに近い。

しかし、ラストだけは味方兵が全滅していく無情な結末。「ワイルドバンチ」のような(製作はこちらが先)滅びの美学。