父親が裁判官(清水将夫)の海老名昌章(峰健二=峰岸徹)はノイローゼで休学して六本木をさまよっている。一方六本木のバーのマダム芥川恵子(淡路恵子)の子千景(中川ゆき=中川裕季子)も母親の職業に反発し、遊び回っている。
バーで昌章に声をかけたことからふたりは付き合うようになるが、千景は強姦されたことにより妊娠していた。昌章は自分の子として育てることを千景に言い、結婚を申し込む。反対した母を千景が突き飛ばしたことから母は転落死する。
身代わりとなった昌章に検事(高島忠夫)は真実を話せという。昌章は差し入れの毒入りミカンを食べて死に、千景も同じくミカンを食べて自殺する。
「真実は一つしか無い。我々(検察)の力で姿を現す」と検事が言ったが、真実を隠したまま彼等は逝ってしまった。
笹沢佐保原作のラブストーリー。ちょっと甘ったるいのと、主人公二人の演技があまりうまくない。ま、原作の力と監督のまとめ方で見せた映画だろう。中川ゆきはダンスの中川三郎の娘らしい。
母親が淡路恵子なのに、あまり見せ場なく死んでしまうのは残念。もう少しドロドロした演技を見たかった。