地方記者

ちほうきしゃ|----|----

地方記者

レビューの数

4

平均評点

73.2(16人)

観たひと

25

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/10/13
上映時間 90分
製作会社 東宝
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督丸山誠治 
脚本国弘威雄 
関沢新一 
製作田中友幸 
森田信 
撮影玉井正夫 
美術浜上兵衛 
音楽阿部皓哉 
録音西川善男 
照明小島正七 
スチル吉崎松雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演フランキー堺 中野俊次
白川由美 中野文子
坂部尚子 中野浄枝
夏木陽介 三浦健一
田辺靖雄 戸川保夫
中谷一郎 梅木孝一
星由里子 岸部園子
清水元 上坂
中村是好 宮崎
榊田敬二 岡田
堺左千夫 阿部
土屋嘉男 会田
児玉清 吉井
山本康 江波
伊藤久哉 結城
小杉義男 戸川源造
木田三千雄 畑生平一
沢村いき雄 農協組合長
左卜全 町会議長
田武謙三 森脇

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

朝日新聞社通信部篇「地方記者」より、「キングコング対ゴジラ」関沢新一と「紅の海」の国弘威雄が共同で脚色、「B・G物語 二十才の設計」の丸山誠治が監督した記者もの。撮影は「女難コースを突破せよ」の玉井正夫。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

今日もペタルを踏んで田園地帯を取材して回る東朝新聞記者中野俊次は、中央の政治記者や事件記者のように派手さはないが、自分の住み馴れた土地に人一倍愛着を持っている。ある朝、中野は妻文子の叫びに床をとび出した。「豚十頭焼け死ぬ」の記事が各紙に大きく載っている。新任早早の三浦が豚死ぐらいと馬鹿にしての大失敗だ。「ここは東京じゃねえんだ!」中野にどなられた三浦は青くなって駈け込んだところは平尾警察署。そこで三浦は女の子とぶっつかり弁当箱をすっとばしてしまった。彼女の名は岸部園子。それを契機に二人は好意を持ち始めた。ある日、園子から三浦に電話がかかってきた。「子供が排水溝に落ちたの……」。三浦は風のごとくとび出して行った。そして、三浦と中野の活躍によって、東朝の記事は完全に各社を抜いた。ほっとする中野に一息つくひまもなく大事件が起きた。町の繁栄のために町会が誘致し創立した工場の汚水により、近海の魚が全滅し漁民に大打撃を与えたのだ。工場側と漁民との公聴会が開かれ両者の意見が真向から対立し、議場は大乱闘、多数の負傷者が続出した。翌朝三浦から保夫一家がオルグ団と応援団体幹部の入れ知恵でくも隠れしたと聞かされた。保夫の父戸川源造(漁業組合長)は、この間の乱闘騒ぎで逮捕状が出されているのだ。中野は源造のアジトを突き止めようと聞込みを始めた。が、漁民達の「どっちの味方だんす?」の一言に、中野は堪えられぬ孤独を感ずるのだった。この漁業問題は中野のカンと文子の機転も手伝って各社を完全に抜き、そして無事解決した。平尾の夏の宵は美しい。文子相手にビールを飲む中野の顔は地方記者のプライドに輝いていた。中野夫妻を見た三浦も、「園子と立派な家庭を築こう!」と心の中でつぶやきながら園子の待つ夕映えの砂浜へ足を早めるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年11月下旬号

日本映画批評:地方記者

1962年10月上旬秋の特別号

日本映画紹介:地方記者

1962年9月上旬号

新作グラビア:地方記者

2018/12/09

2019/01/14

86点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


東北が舞台の記者モノ

 これも結構気に入っている作品で、ラピュタ阿佐ヶ谷でもう3回は鑑賞した。東北が舞台で、3・11の原発事故があった辺りでロケをしている(撮影当時はまだ原発はできていなかった)。のどかな風景だ。後に事故が起こったことを考えると、胸が詰まる。
 基本的にコメディー映画ではあるが、地方記者のあり方を問うような作品でもあったと思う。特に祭の日、排水溝に落ちて死んだ女の子の写真を借りようとする場面では、記者という仕事の「重さ」を強く感じる。
 仕事風景の描写も細かく丁寧だ。フランキー堺とその部下の夏木陽介が自転車に乗ってあちこちで取材に駆けずり回る。フランキーの奥さん・白川由美も基本的には家庭の人ではあるが時に暗室にこもって写真の現像作業をしたり、泊まり込みに来た他の記者さんの面倒をみてあげる。両親が手が離せない時は幼い一人娘の坂部尚子が電話番をやってあげる(何とも微笑ましい)。あと、白川が伝送装置を使って写真を電送するシーンもあって興味深い。
 東京と地方のギャップに迷いながらも上司・フランキーの指導を受けながら、時に対立することもあれど真面目に仕事に取り組む夏木の成長も描かれている。また星由里子との恋愛エピソードもある。
 本作では公害問題も取り上げられている。が、それでもあまり深刻にならず、説教臭くもなっていないところが良い。逆に「ゴジラ対ヘドラ」(1971年、坂野義光監督)等のような公害だとか社会問題をやたら深刻に扱っている作品は私は嫌だ。
 その他、「国定忠治」の芝居及びその練習風景は何度見ても楽しい。エンドクレジットは珍しく平仮名で「おわり」。ジブリの映画みたい(笑)。

2018/12/09

2018/12/16

65点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


傍観者の立場から

ミステリーかと思っていたが、ローカル色豊かなコメディであった。フランキーの妻役の白川由美がいい味を出している。事件らしい事件はなく、「国定忠治」の芝居と漁業交渉が巧くかみ合っていない。記者という傍観者の立場が物足りなくしているのだ。

2016/09/23

2016/09/26

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『地方記者』。フランキーは一歩下がった役。福島ナンバーの車が走っているので浜通りの架空の港町が舞台か。「私は嘘は申しません」発言も。写真の伝送装置が珍しい。フランキーの愛用カメラはペンタックスのSPみたい。娘役の坂部尚子は名子役。芝居の見物客の中に一万慈鶴恵。テレビにはカバー。

2012/03/08

2013/07/08

76点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


東北舞台

テレビでも小山田宗徳主演の連続ドラマがあったような気がします。主題歌が良かった。この映画もなかなかの出来栄えです。夏木陽介は唯一の代表作かもしれません。機会が有ったら見て下さい。損はしません。フランキー堺は鹿児島の出身で鶴丸高校時代サインを頂きました。ドラムも聴かせて頂きました。稀有な名優です。