新・狐と狸

しんきつねとたぬき|----|----

新・狐と狸

レビューの数

3

平均評点

65.0(5人)

観たひと

8

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/9/29
上映時間 98分
製作会社 宝塚映画
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督松林宗恵 
脚色菊島隆三 
原作熊王徳平 
製作杉原貞雄 
佐藤一郎 
撮影鈴木斌 
美術加藤雅俊 
音楽団伊玖磨 
録音鴛海晄次 
照明下村一夫 
編集庵原周一 
助監督岩内克己 
高野昭二 
スチル池上敬介 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演伴淳三郎 野末小次郎
池内淳子 夏子
団令子 まち子
加東大介 青島京太
山茶花究 天中軒瓢右衛門
三井弘次 飯塚半五郎
柳家金語楼 安福秀松
南都雄二 漁師定吉
浪花千栄子 女祈祷師
茶川一郎 駕篭屋
有島一郎 米田権之助
初音礼子 権之助のおかみさん
フランキー堺 甚八
高島忠夫 蓮沼
左卜全 弓削
藤田まこと 西尾
北川町子 裸の女
森繁久彌 額田丹平
三原葉子 京橋まゆみ
花菱アチャコ 大坪
沢村いき雄 山崎巡査
三木のり平 郵便局長
飯田蝶子 いし
中北千枝子 つる子
石田茂樹 つる子の夫多吉
八波むと志 警官
遠藤辰雄 小島の百姓
トニー谷 司会者
中村是好 塩田の百姓風の男
若水ヤエ子 えびすやの女中
南利明 蓮沼の若い者
由利徹 蓮沼の子分
浜美枝 ミス四国

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

熊王徳平原作「甲州商人」より、「花影」の菊島隆三が脚色、「続サラリーマン清水港」の松林宗恵が監督したコミカル・ドラマ。撮影は「夜の傾斜」の鈴木斌。日本喜劇人協会結成記念。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

美しい瀬戸内海を渡る四国航路の定期船。その客室で時ならぬ騒ぎ、二人の男女の言葉につられた船客たちがわれ先きにと着物の奪い合いを始めたのだ。この二人、野末と夏子は泣きおとしの手を使って客の同情を集めインチキ和服を売りつけるバイ人だったのだが。これを苦い顔で見守っていたのは同じ穴のムジナ、化繊の洋服を純毛と偽って売る京太だ。京太ら売人仲間は日本中を舌先三寸で押しまくり、転んでもただでは起きぬたくましい生活力を持っていた。高松へ着いた京太は、偽物を掴まされたまち子という女の伯父になりすまして野末の鼻をあかすと、女に人一倍弱い彼のこと、まち子が宿にたずねてこないかと期待に胸をはずませるのだったが……。翌朝から京太たちのアノ手コノ手の派手な売り込み合戦が展開された。その留守に、まち子は京太の親せき“手早の甚八”のポンコツ車でドライブに出ていたとは。行商は斜陽化したという甚八と強気の京太は議論するのだったが、その最中凄味のきいた男がのりこんできた。この男、まち子が名古屋で同棲していたヤクザで、てんやわんやの大騒ぎ。これがきっかけで甚八とまち子は結ばれ、甚八はバイ人の足を洗って大阪へ向った。一方、京太は夏子に出会い、喧嘩をしながらもネタをわけてやったり病弱な夫がいることを聞くと儲けを見舞いに出す人の好さだ。二、三日後、ウラ目つづきの京太たちはミス四国コンテストに便乗して一か八かの大バクチをもくろんだ。ことは京太と野末の活躍で大成功をおさめるかに見えたが、雨でミス四国の衣裳が半分に縮んでしまって大アワテ。遂に最後のネタも水の泡となって彼らは身の振り方を真剣に考えるが、人間が洋服を着ているかぎりバイは出来るという京太の言葉に元気づけられ、陽気に阿波踊りの波に入って行くのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年11月上旬号

日本映画批評:新・狐と狸

1962年10月上旬秋の特別号

日本映画紹介:新・狐と狸

1962年9月下旬号

特別グラビア:「新・狐と狸」の松林組

2018/11/19

2020/06/07

60点

映画館/兵庫県/シネピピア 


四国珍道中

すこしずつ思い出してきました。シネピピアでご覧になった方のレビュー、有り難うございます。

2019/04/12

2019/04/13

60点

映画館/東京都/新文芸坐 


観光映画としては使えない

前作は潮来地域が舞台でしたが、瀬戸内海を船で渡って四国をを舞台にしての詐欺まがいの売人(ばいにん)グループの怪商売ぶりが描かれます。
日本喜劇人協会結成記念作品ということでキャスティングの豪華さには目を奪われました。
あまりの多さに主役クラスの何人かを除いては、ぼーっと見ていると誰が出ていたのか見逃してしまうほどで、勿体ないと思いました。
ただ千葉泰樹演出に比べて、人数の増えた分一人当たりの露出時間が制限されたためでしょうか、全体の尺が短くなったことも加わって、平板になり、売人の毒気がかなり薄められてしまい、迫力はなくなりました。

2018/11/18

2018/11/23

70点

映画館/兵庫県/シネピピア 


四国を股にかけた詐欺商売。

ネタバレ

<第19回宝塚映画祭>の上映作品。

「狐と狸」の続編で、加東大介、三井弘次、山茶花究らがインチキ商品を巧みに売りつける行商人役を続投。前作で売り上げを持ち逃げした森繁久彌も途中から顔を出す。監督は、松林宗恵にバトンタッチして、オープニングタイトルでの道中マップの通り、四国各地を広範に舞台としている。漁村や山林へと足を延ばすが、この商売も先細りであると実感させられるシビアな現実を描いている。

なお上映後にシネトークと題して本作チーフ助監督の高野昭二氏が登場。共に助監督を担当するはずだった岩内克己が、デビュー監督作「六本木の夜」のために途中で抜けたためかなり苦労させられた作品であるとか。当時年2、3本のペースで助監督をしていたが、本作は普通の作品より一週間ほど長い41日間の撮影で四国全土を実際にロケして回ったということからも苦労のほどがしのばれる。

その時の助監督としての苦労談といえば、ロケが多く宿の手配などにきりきり舞いさせられた他、松林監督に毎日怒られた記憶しかないとのこと。高野氏言うことには、陸軍養成学科で終戦を迎えた高野氏と、海軍出身の松林監督で何かとソリが合わなかったらしい。

その他に、クライマックスの阿波踊りを実際の日とは別の日にエキストラを集めて撮影した話や、レンコン畑に雨が降るシーンで、スタッフがホースで雨降らしをするも 上手くいかずこれまた怒られたこと、監督一人だけスタッフとは別の宿を予約しておくが機転を利かせ、宿の玄関に「松林宗恵監督御宿 」の上りを掛けておくことで監督ご満悦だった話、監督は脚本を全く変えなかったことなど語ってくれました。

高野氏は入社が昭和29年、映画の全盛期が昭和33年なので、映画ではなくテレビドラマを多く監督をすることになった。最後に宝塚撮影所スタッフの技量の高さについて語り、話を結ばれました