山麓

さんろく|----|----

山麓

レビューの数

5

平均評点

66.8(9人)

観たひと

17

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/7/1
上映時間 105分
製作会社 東映東京
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督瀬川昌治 
脚色松山善三 
原作丹羽文雄 
企画亀田耕司 
秋田亨 
製作大川博 
撮影飯村雅彦 
美術森幹男 
音楽斎藤一郎 
録音大谷政信 
照明銀屋謙蔵 
編集祖田富美夫 
スチル山守勇 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演山田五十鈴 片桐滝子
笠智衆 片桐良道
淡島千景 片桐菊乃
扇千景 片桐操
岩崎加根子 片桐加奈子
三田佳子 片桐雅子
千葉真一 速水信吉
渡辺文雄 桜井達
木村功 大津昌司
南廣 朝山三吉
西村晃 三つ峰路春
丹波哲郎 五十嵐政夫
沢村貞子 牧子
新井茂子 可津子
吉川満子 上野久子
谷本小代子 女中すず
八代万智子 三つ峰の女
愛川かおる 三つ峰家女中A
鈴木暁子 三つ峰家女中B
杉義一 発送部の男A
須賀良 発送部の男B
岡部正純 運送屋
若月輝夫 機関区の男
潮健児 釜たき

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

サンデー毎日連載、丹羽文雄原作の同名小説を「東京湾」の松山善三が脚色、「乾杯!ごきげん野郎」の瀬川昌治が監督したメロドラマ。撮影は「はだかっ子」の飯村雅彦。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

銀座の運動具店に勤める片桐雅子は恋人の速見信吉に正式に求婚されるが、その日、母の滝子から会計士桜井達との縁談を持ち出された。滝子は娘の結婚を自分の美貌を保つための資金かせぎというふうに考える女で、夫の良道はこの勝気な妻の影にかくれて無気力な男になっていた。こうした母によって雅子の姉三人は次ぎ次ぎに結婚させられていた。長女菊乃は、天文学者の大津という恋人がありながら資産家三つ峰のもとへ、次女操は五十嵐のもとへ、と。三女加奈子だけは母に反抗、恋人の鉄道機関士朝山と結婚、貧しい生活を送っていた。そんなとき、菊乃が三つ峰の女道楽にいたたまれず飛出してしまった。今まで莫大な仕送りを三つ峰から受けていた滝子は怒り狂って菊乃を探した。そのころ雅子は桜井に誘われ北海道旅行をした。逃げ出した菊乃は加奈子の許から滝子の姉で料亭由良富の女将牧子の所へ行き自活を決心した。彼女に同情する牧子は昔の恋人大津を菊乃に引き会わせた。大津は改めて結婚を申込むが、三つ峰の亡霊がその肉体に焼きついた菊乃は直ぐには返事ができなかった。三つ峰から片桐家に菊乃の荷物が届けられてきた。離縁されたのだ。怒る滝子は菊乃の着物を売り払った。そんな愛情のない滝子に初めて怒りを見せた良道は、滝子の反省を求める遺書を残し家を出た。八ガ岳の山麓--。ここに消えた良道を求めて四人の娘たちが集まった。滝子もきた。捜索隊の必死の努力で良道は助かった。滝子の目に夫を愛する涙が光っていた。そして愛情と結婚のなにかを知った雅子は、速見に結婚への意思を語った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年8月上旬号

日本映画批評:山麓

1962年7月下旬号

特別グラビア:「山麓」の瀬川組

日本映画紹介:山麓

1962年7月上旬夏の特別号

新作グラビア:山麓

2018/10/13

2019/02/15

65点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


上品であり、シビア

 上品で、シビアなホームドラマ。ヒロイン・三田佳子が既婚の姉たちの姿を通して、お金にうるさい母親と対立したり、彼女に無理矢理勧められたお見合い相手とお付き合いしながら幸せの在り方を考えていく。
 確か記憶が正しければ、三田が恋人・千葉真一とキスをするシーンがあったと思う。暗闇の中の接吻。すぐ近くで何台か車が通り過ぎていき、そのたびにライトでふたりの姿が浮かび上がる。あそこがすごく格好良かったという印象が強く残っている。
 その他、珍しく笠智衆の感情の起伏が激しい。この人は静かで落ち着いたイメージが強いだけに意外だ。恋人・千葉は山登りが大好きなのだが、その設定を劇中もっと活かして欲しかった。そこが自分としては惜しいところ。4人姉妹の中ではやっぱり三女の岩崎加根子がとても可愛い。

2018/10/12

2018/10/16

69点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


圧倒的存在感

瀬川昌治と渡辺祐介は、松竹で「列車」シリーズや「全員集合」シリーズなどの喜劇路線を支えていたが、それ以前は東映のシリアスドラマ、ラヴコメで活躍していた。本作は信じられないほど豪華なキャスティングのホームドラマ。山田五十鈴が憎まれ役を担っているが、その愛すべき個性で最後は許されてしまう。それにしても寄生虫のような金銭への執着ぶりが凄まじい。そして笠智衆の自己犠牲的抗議。三田佳子主演なのに存在を忘れさせるほどインパクトのある両親と姉たち。

2018/10/13

2018/10/15

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『山麓』。見たことあった。いろんなタイプの結婚についてを親や娘たちを例にとって見せる。末っ子の三田佳子は未婚で恋人(千葉真一)がいる。姉の結婚後の様子を見て自分は…と悩む。家の舵取りをする母親に山田五十鈴。万事控えめな父親に笠智衆。姉妹が食事しているのは東横百貨店食堂。

2017/09/03

2017/11/28

65点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ホームドラマであると同時にメロドラマ

シネマヴェーラ渋谷の東映女優特集で初めて観た「山麓」は、三田佳子と千葉真一がビリングトップで恋人同士に扮していますが、三田の両親が山田五十鈴と笠智衆、三田の姉が淡島千景、扇千景、岩崎加根子、その連れ合いが西村晃、丹波哲郎、南廣、淡島の元恋人に木村功、三田に求婚する会計士に渡辺文雄、家出した淡島千景が頼る山田五十鈴の姉に沢村貞子など、オールスターの家庭劇でした。
娘たちを金づるとしか思わず、その亭主たちから金をせびっては、自らの美容と着物に金を注ぎ込む母親・山田五十鈴。事業が失敗して以降は妻や娘たちに頭が上がらず、ひたすら情けない姿を晒しつつ、ついには自殺を決意して雪山に入ってしまう父・笠智衆。実は好き合っていた男・木村功が居ながら、母親の薦めるままに実業家・西村晃の許に嫁いだ結果、夫との生活に耐えかねて、母の妹で料亭女将の沢村貞子を頼って家出する長女・淡島千景。四姉妹の中で一番おっとりした性格で、親の薦めるまま丹波哲郎の許に嫁ぎながら、姉・淡島千景のように不満を露わにすることなく、善良な主婦であり続ける次女・扇千景。姉・淡島千景の不幸な結婚を目の当たりにしたせいか、がめつく利己的な母親・山田五十鈴に反抗して、貧しく清廉な鉄道員・南廣との結婚を選んで家を飛び出した三女・岩崎加根子。そして、そんな一家の面々を見ながら成長し、長女・淡島や三女・岩崎ほど母に対した敵意を持つわけではなく、かと言って次女・扇千景ほど母に従順になれるわけでもない四女・三田佳子が、結局は好きな相手である千葉真一との結婚を選び取るというお話。
「山麓」は、丹羽文雄原作を松山善三が脚色した、オールスターのホームドラマであると同時に、メロドラマでもあるという題材で、東映というより松竹大船や東宝のほうが似合うお話ではあり、瀬川昌治という監督がそもそも撮影所のカラーを出さずに撮る人なので、東映らしさを感じない映画に仕上がっていました。

2017/09/03

2017/09/05

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『山麓』。一家の大黒柱は女房(山田五十鈴)。彼女が決めた3人の娘たちの縁談を見て自身の結婚を悩む四女(三田佳子)。風呂に入ってた子供たちは「スーダラ節」を熱唱。おとなしい亭主には笠智衆。三田の恋人の千葉真一はなかなかハンサム。婚家を飛び出した淡島千景は珍しい役柄。