雪の降る街に

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雪の降る街に

レビューの数

2

平均評点

74.0(4人)

観たひと

7

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/4/4
上映時間 120分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督村野鐵太郎 
脚本阿部桂一 
企画塚口一雄 
撮影山本修右 
美術井上章 
音楽山内正 
録音奥村幸雄 
照明田熊源太郎 
スチル杉浦博史 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演高原巧 小森信夫
山崎努 小森一郎
三津田健 小森信吉
大瀬康一 辺見隆三
小桜純子 辺見久美子
六本木真 木村勇
当銀長次郎 早川孝次郎
高野道子 宇野キミ子
渚まゆみ 寺尾高子
姿美千子 関口富子
川口浩 
高松英郎 倉田
友田輝 中沢恭平
仁木多鶴子 妻清子
見明凡太朗 塚本和平
飛田喜佐夫 安田
早川雄三 樋口
清水昭 笹田
三夏伸 金子
池崎新一郎 吉田
今井荘一郎 山本

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「犯行現場」の阿部桂一のオリジナル・シナリオを新人村野鐵太郎が第一回目に監督したメロドラマ。撮影も新人山本修右。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

雪に閉された秋田の町にある日大事件が持ち上った。東京クラウンズのエース辺見が現われたからだ。妹のスキーのおつき合いという振れこみだが、町の人々はその裏に超高校級と噂されている小森信夫投手の偵察という目的が隠されていると信じこんでいた。信夫は全く学校の英雄だった。その腕には二千五百万円という契約金がかかっていた。彼の家は、大きな造り酒屋で、成績も良い信夫は女子学生のアイドル的存在だった。ある日、辺見兄妹が、信夫の家に酒造りの見学にやって来た。信夫はその時以来、久美子のことで頭が一杯になってしまった。だが、久美子は信夫の兄一郎に惹かれるものを感じた。一郎は二年前、スキー選手として活躍したが、競技中転倒して骨折以来、陰うつな男となっていた。信夫は久美子をスキーに誘ったり、一郎の大事なこけしを贈ったりして一生懸命だった。その信夫の調子が突然狂ったように乱れ出した。一郎の冷えきった心を何とか暖めたいという久美子の願いに、二人の心が急速に近づいていったことを信夫が知ったからだ。信夫の苦しみは、一郎が久美子に教えるのだといってスキーを持ち出した日に頂点に達した。兄のストックを折ってしまった信夫は、その足でスキー場へ出かけ、久美子に一郎が来ないと告げると、折から発せられた暴風雪警報を無視して、山を奥へ奥へと進んで行った。久美子からこのことを聞いた一郎は信夫を追った。夕方になって一郎は雪に埋れて眠る信夫を発見した。嵐の中を、信夫を肩に一郎は歩きつづけた。数時間後、救助隊は信夫に自分のアノラックを着せ、シャツ一枚で倒れている一郎を発見した。信夫は助かったが一郎は凍死していた。久美子は一郎の思い出を胸に秘めて、東京へ帰るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年5月下旬号

日本映画批評:雪の降る街に

1962年4月上旬春の特別号

日本映画紹介:雪の降る街に

1962年3月下旬号

特別グラビア:「雪の降る街に」の村野組

2017/11/15

2018/02/08

75点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


村野鐵太郎渾身のデビュー作

シネマヴェーラ渋谷の大映女優特集「雪の降る街に」は、ちょうど40年前、自主上映サークルの仲間と一緒に村野鐵太郎監督の家にお邪魔した際、デビュー作の16ミリがあるから観て行かないかと言われ、監督ご自身が映写機を回して観せていただいた事がある映画ですが、全く中身を覚えておらず、忸怩たる思いです。
「雪の降る街に」は、雪深い北の街で高校野球のエースとしてプロ入りを薦められている高原巧が、東京から来たプロ野球選手・大瀬康一の妹・小桜純子に一目惚れするものの、小桜のほうは高原の兄でスキー選手を断念した山崎努を想うようになり、嫉妬からやけくそになった高原が悲劇を招き寄せるというお話です。
この映画で覚えていたのは、ラスト近く、高原巧や山崎努の家である造り酒屋の無人の光景をキャメラがゆっくり移動しながら見せるバックに、ダークダックスが歌う“雪の降る街を”が流れる場面だけでしたが、もっと記憶に残っていて然るべきような、村野鐵太郎渾身のデビュー作だったとは思います。

2017/11/15

2017/11/15

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


雪山惨禍

雪国の町・湯沢にシーズンオフに湯治に訪れたプロ野球の辺見選手と妹の女子大生の久美子。
湯沢高校野球部のエースの信夫は辺見に面会し、実家の造り酒屋を見学させるなどして辺見兄妹と親しくなる。
信夫には兄一郎がいるが、かつてスキーの名選手だったが、けがをしてから、内に籠った暮らしむきをしていた。

山崎努が兄・一郎を演じていますが、鬱屈した役柄が多い中、本作もその範ちゅうの人物のようでいて、人の好い行いをしているシーンが過半を占めているという、変わった描き方をしています。
一方の、主人公の信夫は新人が演じていて、若々しくフレッシュな印象で好感が持てますが、後半での恋愛感情が絡んでの兄との確執、そして自分をかばった兄の死を知って号泣するシーンはさすがに荷が重かったようです。

狭い地域社会に、東京からやってきた世間知らずの女子大生にかき廻される様子を描いているが、時代が昭和37年という事もあって今の感覚では他愛なく、騒ぎだてする様なものではないが、みんなそれだけ純粋だった事が伺われます。