旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷

はたもとたいくつおとこなぞのさんごやしき|----|----

旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷

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レビューの数

3

平均評点

50.7(15人)

観たひと

29

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/1/23
上映時間 87分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督中川信夫 
脚色結束信二 
原作佐々木味津三 
企画田口直也 
小倉浩一郎 
撮影三木滋人 
美術塚本隆治 
音楽山田栄一 
録音堀場一朗 
照明田辺憲一 
編集宮本信太郎 
スチル熊田陽光 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演市川右太衛門 早乙女主水之介
沢村訥升 霧島京弥
北条喜久 菊路
渡辺篤 笹尾喜内
堺駿二 伍平
品川隆二 鉄砲玉の勘吉
吉田恵利子 いかさまお仙
山波新太郎 立ちん棒の大八
水谷良重 お良
有馬宏治 万五郎
北沢典子 おしま
小畑絹子 お染
西崎みち子 お梅
松川純子 お咲
石黒達也 十文字屋銅右衛門
坂東好太郎 葛生源十郎
本郷秀雄 清兵衛
沢村宗之助 西海屋市兵衛
長島隆一 直吉
五里兵太郎 伝吉
宍戸邦博 定吉
永井三津子 お春
三沢あけみ お夏
久我恵子 おくに
瀬川路三郎 鮫五郎
楠本健二 鉄五郎
国一太郎 赤滝十兵衛
仁礼功太郎 大内主膳
丘郁夫 同心
長田健二 目明し
東千代之介 檀造酒蔵

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

佐々木味津三原作「旗本退屈男」を、「維新の篝火」の結束信二が脚色。「八百万石に挑む男」の中川信夫が監督した、旗本退屈男シリーズの一篇。撮影もコンビの三木滋人。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

両国に夢の家という飲み屋を開いた柳湯のお染が、突然行方不明になった。三日月傷のお殿様早乙女主水之介が、霧島京弥と遊び人の勘吉にお染のひいき筋を洗わせると、平戸屋という回船問屋の主人六右衛門も行方知れずになっていると判った。船宿川万の娘お良は平戸屋の一人娘おしまと踊り仲間、主水之介のため平戸屋にさぐりを入れる役を買って出るが、番頭清兵衛の邪魔が入って失敗。数日後、平戸屋の主人六右衛門とお染が抱き合い心中の姿で、大根河岸にあがった。主水之介はこの心中死体から何事かを見抜いてか、長屋の連中の協力を求め、平戸屋を見張らせた。その報吉によると、平戸屋では穀物問屋十文字屋銅右衛門と問屋西海屋市兵衛の預かり荷を何処かへ移し、その後、番頭清兵衛が深夜平戸屋を訪れたことなどが判った。清兵衛、銅右衛門、市兵衛のつながりを知った主水之介は、三人の集まる料亭松葉屋に乗り込んだ。その帰途主水之介は銅右衛門の命をうけた地獄道場の刺客に襲われた。家に戻った主水之介は奉行所の古文書を調べたが、「うん、十年昔か……」と謎のような言葉を吐いた。その後、主水之介は一目置くほどの腕前の浪人檀造酒蔵と会った。銅右衛門が雇った刺客である。大森のある料亭で、清兵衛が平戸屋の娘おしまに挑みかかった。清兵衛は十年前の平戸屋の秘密をネタに、おしまを手ごめにし、平戸屋の財産を手に入れようという魂胆だが、銅右衛門の凄じい唐手を浴びて絶命した。一方、主水之介の妹菊路が何者かに呼び出され、行方不明になった。そこで主水之介は平戸屋の根岸の寮へ乗り込み、銅右衛門に向かっておしまの父六右衛門は唐手で殺されたのち、抱き合い心中させられたこと、また六右衛門は十年前、銅右衛門や清兵衛らと禁制の品を密輸した仲間だったことをあばいた。おしまは父の罪におののき、銅右衛門のいいなりになっていたのだ。主水之介の愛刀が床の間の柱を斬ると宝石、麻薬などが散乱した。京弥が菊路を助け出したころ、今は主水之介の味方となった造酒蔵の必殺剣が嵐のように荒れ狂うのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1962年2月上旬ベスト・テン決算総特集号

日本映画紹介:旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷

2023/11/28

2023/11/28

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷』。市川右太衛門は衣装持ち、シーン毎に異なる着物で登場。殿様を慕うマドンナは水谷良重(二代目水谷八重子)。悪役の葛生役の坂東好太郎は今一つピンとこない。東千代之介は最後まで死ななかった、スターを殺しちゃまずいのだろう。石黒達也は唐手の達人だったとは吃驚。

2015/04/23

2021/02/06

65点

選択しない 


結束信二のやつつけ仕事か?

 戦後版の旗本退屈男シリーズも、これで遂に20作目であります。よくこれだけ製作したものです。題して「謎の珊瑚屋敷」。監督は松田定次でも佐々木康でもなく、倒産した新東宝からやつて来た中川信夫。脚本は引き続き結束信二であります。

 退屈のお殿様こと早乙女主水之介(市川右太衛門)の取り巻きの一人、鉄砲玉の勘吉(品川隆二)が「天下の一大事だ!」と一心太助よろしく駆け込んできました。馴染みのお染(小畑絹子)が飲み屋を開店したといふ。早速店に顔を見せる主水之介。お染の新たな門出を祝つたのですが......

 何とそのお染が廻船問屋の平戸屋主人と心中を図つたのです。退屈の虫が疼いた主水之介、これには何か裏があると睨み、調査を開始します。今回も「チーム退屈男」を総動員。勘吉のほか、喜内(渡辺篤)、京弥(沢村訥升)、妹・菊路(北条喜久)、お良(水谷良重)、そして平戸屋の娘・おしま(北沢典子)も加はり、長屋の面面も協力。

 平戸屋では十文字屋銅右衛門(石黒達也)と西海屋市兵衛(沢村宗之助)の荷物を秘かに移動し、更に番頭の清兵衛(本郷秀雄)が一枚噛んでゐるやうです。これらが今回のワルたちらしい。しかも、死んだ平戸屋にも何か謎があるやうで、娘のおしまはそれを知つて悩んでゐます。
 ワルどもは何かと嗅ぎ回る主水之介が邪魔であります。刺客として檀造酒蔵(東千代之介)なる浪人者を雇ひますが......

 シリーズも末期となり、その顔ぶれも変化してきました。特に女優陣はかつての東映お馴染みの人たち(喜多川千鶴・花柳小菊・長谷川裕見子・大川恵子・丘さとみ・桜町弘子ら)は一切出なくて寂しい。京弥の恋人にして主水之介の妹・菊路は北条喜久。後に霊能者・北條希功子として活動する人ですね。漫画家・つのだじろうによると、物凄い霊能パワーを持つらしい。伝法枠は水谷良重さんですが、わたくしこの人の良さがあまり分かりません。寧ろお染役の小畑絹子の方が好きなんですけどね。新東宝随一の美女と呼ばれましたが、出身映画会社によつて運不運があるやうです。

 久しぶりの京弥さまは沢村訥升。北大路欣也に比して華はないかも知れませんが、これくらゐの方が良い。勘吉の品川隆二が好いですな。後年の焼津の半次を思はせるイキの良さであります。一方東千代之介は何をやりたいのかイマイチはつきりしませんでした。てつきり最後は主水之介と一騎打ちがあるかと期待したのですが。
 ワルどもも進藤英太郎や山形勲や薄田研二や原健策なんかが出ない。石黒達也や沢村宗之助では、大映京都レヴェルですな。
 
 演出に関しても、新東宝で怖い傑作映画を撮つた中川信夫としては、今一つ物足りないのであります。それでも退屈の旦那と水谷良重が二人で去るエンディングは幻想的で美しいと感じましたが。
 愈々次作は最終作「謎の竜神岬」であります。名残惜しい。

2015/08/13

2015/08/13

55点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


だんだん面白みが少なくなってきた

特段書くこともないぐらい平凡な作品。
いつもの東映の悪役が姿を見せず、石黒達也と澤村宗之助が代理。そういえば主水之介の周辺の人物も大きく代わりみな新顔ばかりのような気がする。
一番の問題は東千代之介分する浪人の性格が描ききれていず、なんか中途半端に終わってしまったことである。あっと驚くどんでん返しもないし、浪人の不満を口にさせただけというのは面白くない。