若き日の次郎長 東海道のつむじ風

わかきひのじろちょうとうかいどうのつむじかぜ|----|----

若き日の次郎長 東海道のつむじ風

レビューの数

4

平均評点

66.4(17人)

観たひと

27

観たいひと

7

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1962
公開年月日 1962/1/3
上映時間 89分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督マキノ雅弘 
脚本小野竜之助 
企画小川貴也 
撮影坪井誠 
美術鈴木孝俊 
音楽服部良一 
録音石原貞光 
照明和多田弘 
編集宮本信太郎 
スチル鈴木一成 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演中村錦之助 清水の次郎長
水島道太郎 大政
ジェリー藤尾 森の石松
渥美清 関東綱五郎
田中春男 法印大五郎
加賀邦男 桶屋鬼吉
大村文武 吉良仁吉
河原崎長一郎 玉屋玉吉
神木真寿雄 神戸長吉
千秋実 片輪の権
丘さとみ お蝶
北沢典子 お竹
星美智子 お甲
渡辺トモコ おもと
香川良介 津向の文吉
松浦築枝 おとよ
堀正夫 徳太郎
北龍二 黒田屋喜左衛門
水野浩 甲州屋弥左衛門
片岡半蔵 万屋
杉狂児 喜市
尾上華丈 忠助
阿部九洲男 雲州
中村時之介 加州
片岡栄二郎 美州
本郷秀雄 薩洲
和崎隆太郎 追分三五郎
小山田良樹 大野鶴吉
波多野博三 増川村仙右衛門
中村錦司 三保の豚松
大前均 お相撲常
山形勲 猿屋勘助
沢村宗之助 三馬政蔵
尾形伸之介 裕天仙之助
近江雄二郎 川崎馬定
遠山金次郎 荒川新太
柳永二郎 平垣三郎兵衛
熊谷武 「有らく」の主人
源八郎 商人A
伊吹幾太郎 近所の早耳
浜田伸一 宿場人足A
小森敏 宿場人足B
汐路章 宿場人足C
南方英二 勘助の子分A

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

次郎長シリーズの第三話。スタッフは前作「東海一の若親分」と同じ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

甲府宿に落ちついた次郎長は、片目の不思議な人足、権に賭場で挑まれた。敗れた権は、次郎長に首を渡すと言い張ったが、次郎長は笑って別れた。甲府に、石松、仁吉、玉吉、長吉などがやって来た。次郎長はお蝶、大政らを津向の文吉親分の家へ行かせた。そんなところへ、権が猿屋の勘助の家にしょっぴかれたと人足が飛びこんで来た。病人まで働かせようとする三馬政に、手むかった権は、三馬政の親分勘助の家に連れこまれたのだ。次郎長は、鬼吉、石松を連れて勘助の家にのりこみ、権をとり戻した。そして、次郎長も子分の後を追って津向の文吉の家に行った。文吉親分の賭場では、お甲という女客が一人で勝ちまくっていた。そこへ、権から次郎長に至急甲府へ来てほしいと連絡が来た。権の人足仲間薩州が叩き殺されたというのだ。次郎長来るのしらせに、二足草鞋の勘助は、甲府勤番支配平垣三郎兵衛を抱きこみ、次郎長を召捕らせた。権と仲間の人足も一緒に捕えられた。留守を預る大政は、子分一統を引連れて甲府にのりこんだ。勘助と三郎兵衛は、次郎長達を祭りのイケニエにすることにした。大政らは策を練り、石松をわざと牢に入れ次郎長に連絡させた。祭りの当日、次郎長達は、牛車にのせられて町なかに引っぱりだされた。そこへ、大政らが斬りこんで来た。その最中、権はお甲をみてびっくりした。お甲は権の昔の恋人だったのだ。次郎長は勘助を斬り倒した。そこへ、平垣の隊が「御用」とばかり押寄せてきたが、「やくざ同志のデイリ」と次郎長はつっぱねた。しかし、平垣はどうしても次郎長召捕りにかかった。だが、町の人々が次郎長に応援するので平垣はしかたなく引上げて行った。大喜びの群衆と、新しく人足頭になった権と、お甲の睦じい姿を背に、次郎長一家は甲府宿を背にした。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年12月下旬号

日本映画紹介:若き日の次郎長・東海道のつむじ風

2025/08/08

2025/08/08

65点

VOD/YouTube 


題名通り若い次郎長親分が甲府の街を取り仕切るヤクザと悪代官をやっつける。千秋実とジェリー藤尾に渥美清がゲスト(?)歌のオマケも楽しい東映チャンバラ絵巻。見せ場たっぷり町の衆も巻き込んでの大団円もこれまた面白い。

2017/08/01

2022/05/07

70点

選択しない 


当時の甲府に「松竹梅」があつたのでせうか

 マキノ・錦之助コンビの「若き日の次郎長」シリーズ、三作目にして最終作。
 前作で新婚旅行としやれこんだ次郎長(中村錦之助)と女房のお蝶(丘さとみ)、この作品の冒頭はその続きみたいで、次郎長は甲府を目指すやうです。しかし馬子の権(千秋実)は、甲府へは行くなといふ。何やらヤバイ事があるらしい。その助言を無視して甲府入りする次郎長でした。

 そこでは、悪代官・平垣三郎兵衛(柳永二郎)がヤクザの猿屋勘助(山形勲)に十手を与へ、悪政・圧政を強ひてゐました。甲州屋弥左衛門(水野浩)の娘・お竹(北沢典子)を強引に妻に迎へやうとしたり、人足を人間扱ひせず、逆つた人足仲間の薩州(本郷秀雄)を殺す非道ぶり。義憤を感じた次郎長は、薩州の弔ひをした廉で責苦を受けた上、権ら人足仲間と共に牢に入れられます。

 大政(水島道太郎)ら次郎長一家は、連絡係として石松(渥美清)に牢番を挑発させワザと牢に入らせます。ここで脱出作戦を確認する一同。祭りの日に、晒し者にされる次郎長たち。ここで大政たちが一気に襲撃、次郎長を奪還し、逆に平垣の屋敷に殴り込むのでした......

 この「東海道のつむじ風」は、小野竜之介単独で脚本執筆してゐるやうです。マキノ監督は関つてゐないのか、少し整理されてない部分も散見されます(千秋実と星美智子の関係は明らかに説明不足。寧ろこのくだりはカットした方がすつきりします)。
 女優を輝かせる名人ですが、今回はイマイチ、マキノ節は物足りません。丘さとみは女房としてやや貫禄を示しましたが、星美智子は壺振りでチラリズムをみせるくらゐ、北沢典子の悲哀は通り一遍の演技と見受けられます。

 一方男優たちは、ジェリー藤尾、渥美清、千秋実らが存在感を見せました。さういへば藤尾は後に結婚する渡辺トモ子と共演ですね。ワルの柳永二郎は次郎長に命を助けられ、人足たちの罪はない、皆無罪放免だと宣言させられます。実際には、かういふワルは反省しないので、次郎長が去ればまた同じことをするでせう。それにしても、ピストルの弾一発でやられる山形勲は呆気ない最期でした。

 マキノ雅弘監督はこの後、「次郎長と小天狗 殴り込み甲州路」なるシャシンを撮り、錦ちやんも出てゐますが、主演は小天狗の北大路欣也でした。監督には、錦ちやん版次郎長をもう一本、東映オールスタアで撮つて欲しかつた喃と勘考するのでした。

2009年

2016/07/19

75点

テレビ 


胸がすくようないい男

『若き日の次郎長』シリーズ第3段。
この作品の個人的な見どころは、関東綱五郎役で渥美清さんが出演していたことです。ジェリー藤尾の「森の石松」も一度観てみたかったので、見られて嬉しいです。

<ストーリー>
甲府に向かった次郎長一家が、悪政に苦しむ人足(籠を運ぶ人)達を痛めつけるヤクザの猿屋勘助らをやっつけて、悪徳代官に正義の挑戦状を叩きつけるという痛快時代劇。

甲府の町は高い税金と厳しい取り立てがヤクザによって行われ、彼らは逮捕権も行使して、町民たちをいじめていた。やくざの猿屋勘助だけをやっつけても、悪徳代官がいる限り、何人もの猿屋勘助が現れるだけだと、次郎長は町民が一体になって代官に訴えることが必要だと考える。猿屋勘助に殺害された人足の弔いをしたという理由で、次郎長一家と人足たちは牢屋に入れられてしまった。

町では牢屋に入れられなかった次郎長の子分達が町民に協力するよう根回しする。次郎長立ちが牢屋を出て市中を引き回される日に、計画は実行された…。

やくざである次郎長一家と甲府の町民たちが一体となって悪徳代官をやっつける!最後は期待を持たせておいて、力技で押し切られたような印象が残りますが、マァいいでしょう(笑)

出会う男たちを次々魅了する次郎長(錦之助)の魅力が全開の作品です。キップが良くて男気があり、曲った事は大嫌い。困った人がいれば首をつっこまずにはいられない!胸がすくようないい男です。

渥美清さんは出番は少ないですが、滑舌の良さはすでに際立っていました。この数年後にブレークする「男はつらいよ」の寅さんは的屋ですが、本作の関東綱五郎も的屋だそうで、口八兆の役がよく似合う役者さんなのだと思いました。

ジェリー藤尾の石松も面白いのですが、どうもイメージが違いました。やっぱり石松は森繁久弥が最高ではないでしょうか!

2016/05/01

2016/05/01

65点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


甲府-代官-やくざとくれば

マキノ節炸裂。甲府で代官(柳永二郎)が出てきて地元のやくざ(山形勲)とくれば当然ヒーローのお出まし。湯治に来たはずの次郎長が代官および地元のやくざの横暴に正義感を爆発させる勧善懲悪の一席。
代官を相手にするためいろいろな仕掛けをし、だんだんと盛り上がっていく。最後はおなじみの「ワッショイ」も登場。挿入歌もあり。マキノ次郎長の一丁上がり。
ただ、子細ありげな権(千秋実)と流れ者の壺振りお甲(星由里子)との関係がイマイチ描写不足。また仕掛けの中でお甲が係わるきっかけとかが説明不足。
楽しい映画で、ユーモアたっぷりに堪能させてくれる。さすがに東映の脇役陣。