反逆児(1961)

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反逆児(1961)

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レビューの数

15

平均評点

75.1(69人)

観たひと

110

観たいひと

11

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/11/8
上映時間 110分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督伊藤大輔 
脚色伊藤大輔 
原作大佛次郎 
企画栄井賢 
小川貴也 
製作大川博 
撮影坪井誠 
美術桂長四郎 
音楽伊福部昭 
録音中山茂二 
照明和多田弘 
編集宮本信太郎 
スチル鈴木一成 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演中村錦之助 三郎信康
岩崎加根子 徳姫
松浦築枝 望月
喜多川千鶴 小侍従
久我恵子 於莵
三笠乃里子 小夜
山本操子 若菜
中条宏美 かや
吉井鏡子 さつき
梅垣尚子 一ノ姫
東千代之介 服部半蔵
安井昌二 天方山城
片岡栄二郎 久米新四郎
河原崎長一郎 小金吾
嵐歌之介 薬丸
神木真寿雄 筈丸
進藤英太郎 渋河四郎兵衛
遠山金次郎 浅太
片岡半蔵 伊作
吉岡清孝 竹千代
杉村春子 築山御前
河野秋武 減敬
中村錦司 亀弥太
風見章子 
稲村理恵 こずえ
菊村光恵 阿以
条ちづる 弥々
泉春子 
弥生弘子 美津
松川純子 くれは
月形龍之介 織田信長
大邦一公 生駒主水正
原健策 羽柴秀吉
桜町弘子 しの
北沢典子 お初
明石潮 酒井忠次
香川良介 大久保忠世
三津田健 平岩親吉
中村時之介 井伊直政
浅野光男 本多忠勝
佐野周二 徳川家康

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

大佛次郎の『築山殿始末』より「月の出の血闘(1960)」の伊藤大輔が脚本を書き、自ら監督した戦国時代劇。撮影は「江戸っ子繁昌記」の坪井誠。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

武田の大軍を迎えて鮮かに勝利を収めた家康の一子三郎信康は、一躍織田陣営に名をあげ、岡崎の城に凱旋したが、次女を生んだ妻徳姫は気位高く信康が産室を見舞うことを許さなかった。今川義元の血をつぐ築山御前を母に持ち、九歳で信長の娘徳姫を娶った信康は戦国時代とはいえ、血の相剋に生きる運命児だったのだ。父母は身の立場から浜松と岡崎に居城を別にしている有様、築山御前の冷い仕打に妻としての態度も忘れかけた徳姫との溝が深まって行くのも仕方がなかった。苦悶の続くある日、信康は野で菊を摘む花売のしのに一度だけの愛を与えたが、築山御前と情を通じる鍼医減敬の配下亀弥太に目撃されていた。妻には心の隔りを感じる信康にも服部半蔵、天方、久米ら忠誠の部下があった。信康だけを愛する母築山御前は、怨敵信長を討ちとるようにと老巫女梓を供に持仏堂に籠り、信長・徳姫父子の呪殺を祈願していたが、亀弥太の情報から一計を思いつき、しのに今川家を建てる男子を孕ますべく侍女小笹と名を変えさせて信康の身辺に置いた。母の企みに気ずいた信康にもまして徳姫の打撃は大きかった。築山御前の謀略は意外に大きく減敬らを使い、武田方に織田徳川の情報を売ろうとしていたことも明らかになった。「母上が信康の母でさえなければ斬り、父上が信康の父でなければ討ちます。生きるに生きられぬ思いはこの信康……」と絶句、障子の蔭で立ち聞くしのと梓を一刀で仕とめた。徳姫は十二カ条の訴状を父信長に屈けた。夫婦の誤解もとけてひしと抱きあう二人だったが時は遅く、かねてから信康の抬頭を快く思っていなかった信長は、秀吉の入智恵をもって訴状をたてに、信康と築山御前の断罪始末を家康に命じてきたのだった。家を護るために妻と子を死路に追いやらねばならない家康にもまして、信康の胸中は複雑だった。母は既に浜松に護送され信康の死場所も二俣城に決った。介錯は事もあろうに服部、天方、久米。三者三様の慟哭のうちに信康最期の時が訪れた。時に天正七年九月、そして信長が本能寺の変に斃れたのは、信康自刃の二年八カ月後の事であった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年11月上旬号

新作グラビア:反逆児 

日本映画紹介:反逆児

2023/02/21

2023/02/21

80点

VOD/YouTube/購入/携帯 


家康の嫡男である徳川信康の生涯を描いた作品で、萬屋錦之介氏(公開当時は中村錦之介)が信康を演じております。
この作品、当然ながら信康の母築山御前もでており、こちらは往年の大女優杉村春子氏が演じております。
公開が昭和30年代ということもあり、この頃はさすがにまだ「築山御前=悪女」というイメージが強かったのか、悪女どころか妖怪じみた描き方をされてます……。
「どうする家康」で家臣達からも慕われているあの朗らかでほっこりした奥方はどこのお姫様だよ(笑)

2021/11/17

2021/11/17

80点

映画館/東京都/新文芸坐 


錦之介の顔

封建社会の掟に縛られ、身動きが取れない事に苛立つ信康・中村錦之介。
前半は佐野周二、杉村春子、月形龍之介らの重鎮に、錦之助ら若手の青臭さが浮いて見えたが、自らの運命に逆らえず自害されられる事がわかってからの苦悩と葛藤は、
「下郎の首」「この首百万石」などと同じく、不条理を受け入れざるを得ない者の悲哀がより強く観る者に迫りました。
伊福部昭の壮重な音楽もより悲哀さを増しています。

広いスクリーンに横一杯に映る、壮大な合戦や城内での宴のシーンはきらびやかでした。

傑作です。

2020/03/16

2020/03/16

80点

その他/渋谷ツタヤ、DVDレンタル 


立派な映画。

歴史を知らず、錦之助が誰を演ずるのかも知らずに見た。
(信長かと思った。)
序盤は、退屈な戦国絵巻を見せられるかと思いもしたが、とんでもなかった。

錦ちゃんが演ずるのは、徳川(岡崎)三郎信康。
家康の長男。
この人、何代将軍だろうと思って見てた。
母の築山は今川義元の姪、妻は織田の娘。
これが怖い。
嫁・姑の争いに、今川と織田の血が絡む。
今川にとって織田家は仇。
徳川は織田陣営。
前半は、杉村春子演ずる築山の、《とんでも》行動に笑いもして見ていたのだが、次第に・・・。

前半の明るさと終盤とのギャップがいい。
伊福部昭も、やっぱりいい。
いや~、名作です。

情けない家康、佐野周二、ぴったし。
桜町弘子、可憐。

双葉十三郎氏、1位「反逆児」、6位「用心棒」
淀川長治氏、1位「反逆児」、3位「用心棒」




2019/05/19

2020/01/31

75点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


伊藤大輔が見事なドラマを組み立て

ラピュタ阿佐ヶ谷の錦ちゃん特集「反逆児」は7年ぶりでしたが、徳川家康がまだ織田信長家臣だった時代、家康の息子三郎信康を主人公にして、織田に滅ぼされた今川義元の娘を母に持ち、織田の長女を妻にした彼の苦悩を主題に、伊藤大輔が見事なドラマを組み立てた映画。信康の妻を演じた岩崎加根子さんのトーク付きでした。

2019/10/24

40点

選択しない 


悲劇のヒーローに成り切れない錦之助ありきのスター映画の限界

 大佛次郎の歌舞伎の戯曲『築山殿始末』が原作。
 織田信長政権下、徳川家康(佐野周二)の嫡男・信康(中村錦之助)の第二子の誕生から、正室で信長の娘・徳姫(岩崎加根子)との確執、生母で今川義元の血を引く築山御前(杉村春子)の今川家との内通事件を通して、信康が切腹に至るまでを描く。
 物語そのものは、事件の顛末を描く説話形式を採っているが、中村錦之助を主役とする信康を主人公に描いているために、人格と素行に相当問題のある信康が悲劇のヒーローに成り切れず、徳姫とのラブストーリーにも相当無理があり、中村錦之助ありきのスター映画の限界を感じさせる。
 粗暴な上に女癖は悪く、奥方や側近に対しての理不尽な言動など、信長(月形龍之介)や父・家康に対する反逆も、信長・家康に正当性があるように見えてしまい、どこが反逆児かといった感じ。どうやっても花を持たせられない中村錦之助に、無理やり花を持たせている。
 このため、ラストの切腹もむしろ当然といった感じで主人公に少しも同情できないのが何とも痛く、悲劇のヒーロー像になり得ていない。
 徳姫とのとってつけたような和解も、愛してるといった台詞やキスシーンが武将らしくなく、現代劇のラブストーリーを見せられているようで、どうにも不自然。違和感アリアリで、実記ものとしての興趣を削いでいるが、死を観念してから切腹に至るまでの過剰にセンチメンタルな描写もくどくて、話が進まないために瞼が重くなるという逆効果。
 築山御前の丑の刻参りも実記ものとしては相当に浮いている印象だが、杉村春子の演技がホラー映画のようで、作品から切り離せば見どころとなっている。
 介錯をする服部半蔵に東千代之介。(キネ旬6位)

2019/05/21

2019/05/22

60点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


頑張りすぎちゃったかな・・・

 オープニングの音楽が何となく溝口健二の「雨月物語」(1953年)に似てる気がした。但し音楽を担当しているのは「雨月」は早坂文雄で、本作は伊福部昭。
 今川の血を継ぐ母、織田信長の娘である妻との間で苦悩し、信長の天下統一の野望を果たすのに邪魔であったがために悲しい最期を遂げることとなった徳川三郎信康の悲劇。公開当時はかなり評判が良かったそうだが、私にはどうも合わないみたい。
 中村錦之助、ダイナミックな演技で魅せるが、全体的にちょっと頑張りすぎたかな。信康が信長に舞を披露するところは結構好きな場面だけど。切腹した信康を斬ろうとする彼の家来たちも、明らかにオーバーアクト。あれはちょっと観るのが辛かった。淀川長治氏が伊藤監督の演出、絶賛していたようだし、監督本人も錦之助の演技に涙したそうだけれど…う~ん、どうなんでしょう。
 花売りの桜町浩子と信康が出会う場面、ふたりの関係が何か良い感じに観えた。愛し合うようになるのかな、と思ったけれど別にこれといって特に進展はなく。ちょっと残念だったな。