機動捜査班 都会の牙

きどうそうさはんとかいのきば|----|----

機動捜査班 都会の牙

レビューの数

2

平均評点

59.3(8人)

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11

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0

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/8/13
上映時間 73分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督小杉勇 
脚色松村基生 
堀守夫 
遠藤三郎 
原作阿部桂一 
企画柳川武夫 
撮影松橋梅夫 
美術西亥一郎 
音楽小杉太一郎 
録音高橋三郎 
照明高島正博 
編集近藤光雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演山内明 佐竹
内田良平 黒沼
嵯峨善兵 横山
高品格 真壁
青山恭二 大宮刑事
井上昭文 三田村部長刑事
宮崎準 伊藤部長刑事
長弘 金子刑事
長尾敏之助 遠山刑事
高野誠二郎 捜査本部長
深水吉衛 捜査一課長
河野弘 捜査四課長
堀恭子 あけみ
隅田恵子 松江
香月美奈子 曙ユリ
山田禅二 小松
柴田新三 テツ
立川博 アキラ
深江章喜 深見
福田文子 パチンコ屋の女店員
近江大介 事務員

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

機動捜査班シリーズの第四作で、阿部桂一の原作を、松村基生・堀守夫・遠藤三郎が共同で脚色し「機動捜査班 秘密会員章」の小杉勇が監督した。撮影も同じく松橋梅夫。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

午前一時、新橋駅前--一台の白タクが愚連隊に襲われ、運転手小松が暴行された。彼は白タクの営業の元締黒沼興業の営業許可の承諾を得ていなかった。愚連隊は金を出して会員になれば彼の免許証を返すといった。大宮、伊藤刑事ら機動捜査班の覆面パトカーが現場に急行したが、一味は逃走した後だった。酒場アンスコで飲んでいた黒沼のところへ、情報料をもらいに佐竹がやって来た。が、黒沼に追いかえされた。佐竹は広告料のことで黒沼に恨みを抱く「現代週報」の真壁を利用して、黒沼興業の白タク台帳を手に入れようとしたが失敗した。報らせを聞いた大宮刑事も、台帳を摘発出来なかった。黒沼は小松を脅迫し、自分のボス樺山産業と不正な関係にある貿易公団の山脇課長のメモを盗み、山脇をひき殺せと命じた。小松は命令を実行した。捜査一、二、四課は白タクと不正融資事件の捜査に乗り出した。佐竹は小松を連れ出し、山脇殺害の自供をテープにとり、これで黒沼を脅迫し二千万円を奪った。黒沼の事務所で知った女あけみを通して、佐竹は山脇メモで黒沼を再度ゆすろうとした。が、あけみは黒沼の情婦でゆすりは失敗、自分の女ユリのアパートに逃げた。捜査陣は佐竹と黒沼の関係をつきとめ、大宮はユリの行動を監視した。小松が何者かに殺害された。佐竹は樺山産業の社長を脅迫していたが、メモはユリに焼かれてしまった。ユリは山脇の娘で、義母と折合わず家を出ていたのだ。事件は意外なことから解決することになった。真壁が自首していっさいを自白したのだ。大宮はユリのところへ行き佐竹と樺山が第三突堤で取引することを聞いた。機動捜査班は現場に急行、樺山、佐竹らを逮捕した。ユリは焼いたはずのメモを大宮に、父の罪の償いにと手渡した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年9月上旬号

日本映画紹介:機動捜査班 都会の牙

2019/08/29

2023/05/20

60点

選択しない 


井上昭文の刑事部長が良い

ネタバレ

 機動捜査班シリーズの第四作目、「都会の牙」であります。小杉勇監督は同じですが、今回は阿部桂一の原作付きで、脚本も長谷川公之が外れて松村基生・堀守夫・遠藤三郎の三名が参加。そのせいか若干テイストの違ふ作品となりました。

 白タク営業を取り仕切り暴利を貪る黒沼興業。カシラの黒沼(内田良平)は配下のチンピラどもに命じ、自分の傘下に加はらず勝手に営業してゐた運転手・小松(山田禅二)をボコボコにして免許証を取り上げ、ボスの樺山(嵯峨善兵)の悪事を掴む山脇(市原久照)を轢き殺すやうに命じます。

 一方悪徳情報屋の佐竹(山内明)は、小松から犯行の一部始終を録音したテープで黒沼を脅し2000万円を要求。更に「山脇メモ」をネタに強請りますが、利用した女のあけみ(堀恭子)が実は黒沼の情婦で失敗、自分が好意を寄せる女・ユリ(香月美奈子)のアパートに身を寄せます。そのアパートには捜査四課の刑事・大宮(青山恭二)が住んでゐて、ギョッとする佐竹。

 警察側は山脇殺害と樺山の不正融資、黒沼の悪事が重なつてゐると見て、捜査一課、二課、四課の合同捜査となり、二課の三田村部長刑事(井上昭文)が四課にやつて来ますが、彼は黒沼とは戦友同士で、ズブズブの関係に見えます。黒沼への捜査もなほざりになつてゐるやうで、この様子を見て、大宮は「あなたの下では働けない」と、辞職願を出すに至ります......

 ワルの中心がお馴染み内田良平。髭を生やして迫力増加。東京つて、ヤクザが取り仕切るほど白タクが繁盛してゐたんでせうか。前半目立つのが山内明の情報屋。強請り専門のやうで、策士ぶりを披露しますが、肝心のところで間抜けぶりを見せてしまふ。利用した筈の女が実は敵の情婦だつたり、或は殺された男の娘が名を変へて接近してきてゐたり。内田を恨む高品格と組んで暗躍しますが、結局この高品が内田に自白することから瓦解が始まります。

 レギュラー香月美奈子は、曙ユリと名乗つてゐましたが、実は殺された山脇の娘・山脇純子。内田には「山脇メモ」は焼いたと騙し、最後まで守り通し、最後は好意を抱いた青山恭二に託すのです。
 警察側のキャラクタアで特筆すべきは井上昭文でせう。内田とズブズブになつて、これは完全に悪徳刑事ではないのかと、青山恭二が辞職願を出す程の行動。敵を欺く前にまづ見方を、を地で行つてゐます。しかしこの井上さん、好い面構へです。

 ラストのドンパチは益益派手になつて、凡百の刑事ドラマみたいになつてしまひました。日活としては銃撃戦は外せないのでせうか。それよりも香月美奈子を中心とした人間ドラマを深堀して頂きたいと存じます。まあ好き好きでせうが。

2023/03/11

2023/03/18

55点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


そのメモを奪え。

ネタバレ

シリーズ第四作。今回も機動捜査班がマークするのは、当時都会で勢力を拡大しつつあった暴力団。暴力団が抱えている白タク(無認可タクシー)の台帳と公団の不正を記したメモを巡って捜査班と暴力団とが攻防を展開する。犯罪者の情婦ユリの正体が最後に明かされる。ヤクザが経済界に入り込もうとする時代を描いているが、深いところまでは立ち入っていない。