夕やけ小やけの赤とんぼ

ゆうやけこやけのあかとんぼ|----|----

夕やけ小やけの赤とんぼ

レビューの数

2

平均評点

59.3(7人)

観たひと

14

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/8/8
上映時間 92分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督島耕二 
脚本島耕二 
松本昭典 
企画塚口一雄 
撮影小林節雄 
美術山口煕 
音楽大森盛太郎 
音楽総指揮山田耕作 
録音橋本国雄 
照明泉正蔵 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演渚まゆみ 千代崎ヨシ子
前田賢一 石毛ノボル
和波孝禧 田中進
清水昭 千代崎一郎
三宅邦子 千代崎信子
千田是也 千代崎省三
目黒幸子 石毛花江
片山明彦 山口先生
山田耕作 山田耕作
中条静夫 高井
西貝義昭 ハジキの信一
加藤三好 オシャブリ牧人
遠藤素史 級長の公二
水木麗子 女アナウンサー
南方伸夫 果物商主人
網中一郎 八百屋トラックの運転手
森一夫 喫茶店バーテン
吉葉司郎 本屋店員
竹里光子 石毛家近所のおかみさん
若林俊文 石毛家近所の坊や
小杉光史 金魚屋
石川進 ジャズ学校教師
渡辺トモコ ジャズ学校生徒

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

島耕二・松本昭典の脚本を「若い仲間」の島耕二が監督した音楽映画。撮影は「北上夜曲 北上川の初恋」の小林節雄。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ヨシ子はチンピラ仲間で女王のような存在だ。カッ払い、万引、恐喝など朝飯前だ。その手口は、おとりに混血少年ノボルを使って人の注意をそらすというやり方だ。ヨシ子がグレた動機は、ヨシ子を連れて再婚した母が、父や息子の一郎に何かにつけて遠慮し、いつもヨシ子ばかり叱りつけたからだ。ノボルが歌が大好きだということを知ったヨシ子は、ジャズ学校へノボルを連れていくが、そこで肌の色のことを言われたノボルは逃げ出してしまった。泣く泣く帰りかけたノボルの耳に「夕やけ小やけの赤とんぼ」の旋律が闇えてきた。音は近所の盲学校の教室から流れていた。そこでは、盲目の少年田中進がヴァイオリンをひいていた。ノボルは進とすぐに仲良くなった。以来ノボルは盲学校へ行くようになり、その後をつけて行ったヨシ子も盲の子供たちのコーラスを聞くうち今までの自分を反省した。ヨシ子は盲学校の山口先生が一年一度でいいから子どもたちにナマの音楽を聞かせてやりたいと思っているのを知り、楽器屋のウィンドウに出ていたポスターをたよりに作曲家山田耕作の邸を訪ねるが秘書に追い返される。しかしいつもの手でノボルをおとりに山田邸に入ったヨシ子は山田先生に熱心に頼み、先生に進のヴァイオリンと盲学校生徒のコーラスを聞かせるまでにこぎつけた。が、秘書の妨害でまたも挫折。力つきて丘の上にたたずむヨシ子。そこへノボルが駈けつけてきて山田先生がくることを告げた。野外の会場、ヨシ子がバス会社の社長の父にたのんで貸してもらった無料バスで身体障害者の子やハーフたちが続々と集まってきた。指揮台には手押車にのった山田先生が……。八十名余の少年楽団員が演奏を初めた。そのとき警視庁の吹奏楽団が会場に向って行進してきた。そして頭上にきたヘリコプターからはお菓子の雨が……。米空軍のブラスバンドも行進してきた。山田先生の指揮で進少年が「夕やけ小やけの赤とんぼ」の前奏をひきはじめる。各バンドがそれに和して行く。みんな立ち上って合唱しはじめたのだ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年8月上旬号

日本映画紹介:夕やけ小やけの赤とんぼ

2017/11/04

2018/01/31

55点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


渚まゆみが可愛いから許す

シネマヴェーラ渋谷の大映女優特集「夕やけ小やけの赤とんぼ」は、母の連れ子ゆえに家庭内で居場所がないのか、黒人ハーフ少年と遊ぶうち不良の仲間入りしている渚まゆみが、盲学校で音楽に打ち込む少年達を見て心動かされ、彼らのために音楽会を開こうとする話。強引な作りですが、渚まゆみが可愛いから許す。
「夕やけ小やけの赤とんぼ」は、戦前の「風の又三郎」や「次郎物語」、戦後間もない頃の「緑の小筐」など、児童映画に定評のある島耕二の監督作ですが、前半の渚まゆみが不良として描かれる部分も、彼女が仲良くなる黒人ハーフ少年も、有効に機能しているとは言えず、黒人ハーフ少年を媒介させて盲学校生徒たちを知るという形ではなく、渚まゆみが直接盲学校生徒と触れ合う話のほうが、説得力があると思えるなど、脚本作りは甘いと言うほかありません。
さらに、脚本が甘いだけでなく、島耕二の作劇テンポも相変わらずよろしくないのですが、“新スター”とクレジットされた新人・渚まゆみは、ちょっと悲しみを湛えた眼差しが魅力的で、彼女を観ているだけでこちらは満足なのでした。ちなみに、個人的にはこの映画の10年後、「人斬り与太」二部作で渚まゆみに首ったけになりました。

2017/11/07

2017/11/07

30点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ラッパは鳴れども…

子どもと音楽を組み合わせ、山田耕作氏に警察、自衛隊、米軍の楽隊まで動員させ、渚まゆみデビュー作という話題性をも持たせた企画は盛り沢山で、おそらくそれなりの評価は得たと思います。

しかし、出演している多くの人々を眼にして、あまりの取り留めのない動きに、失望してしまいます。
それはキーとなるべき渚まゆみは新人だから下手なのは当たり前にしても、職業女優として自分が何をすべきか全く分かっておらず、ただ漫然と立っているだけのシーンがほとんどです。その後の出演作も、大した事が無いことをみても、映画センスに欠けていたのでしょう。
山田耕作氏も車いすでの無理な出演は、痛々しいだけで、たとえは悪いですが人寄せパンダにもなっていません。先生に失礼です。

ラストの合奏・合唱シーンも現実なのか夢物語なのかはっきりしないのも意味不明で、もっとメッセージを発信して然るべきと思われました。