池袋・新文芸坐にて鑑賞。
喪服を着た岡田茉莉子の回想形式で始まる物語。
松竹スコープのカラー映画が美しく、フィルム状態も良好で、昭和30年代の銀座・沼津などがカラーで見られるのは嬉しい。
岡田茉莉子が喪服を着ていたのは、以前お世話になったパトロン(滝沢修)の葬式だからだが、そこから滝沢修の思い出場面となる。
そして、山村聰との「仕事面でのパートナー関係」が始まるのだが、これが親子みたいになっていくあたりが面白い。
滝沢修の次は東野英治郎、杉浦直樹、田村高廣などと様々なかたちでの関係となっていく岡田茉莉子は、だんだんと自立していく女となっていく姿を好演。
中村登監督の描き方も不思議なタッチで、テンポ良く次から次のエピソード…というよりも「流れるような感覚で変遷していくエピソード」を描いているあたりも見事。
なかなか面白い映画だった。
<映倫No.12430>