八荒流騎隊

はっこうりゅうきたい|----|----

八荒流騎隊

レビューの数

3

平均評点

61.8(8人)

観たひと

13

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / ドラマ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/5/11
上映時間 90分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督工藤栄一 
脚本比佐芳武 
企画坂巻辰男 
田口直也 
撮影松井鴻 
美術大門恒夫 
音楽山田栄一 
録音墨関治 
照明田辺憲一 
編集宮本信太郎 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演市川右太衛門 星名左馬之介
東千代之介 織部
河原崎長一郎 小次郎
花柳小菊 弥生
堺駿二 矢崎新六
原健策 殿島甚内
田中亮三 脇坂兵助
原京市 藤森左近
浅野光男 黒河内正時
若井緑郎 清川十左衛門
市川百々之助 茂兵衛
坂東吉弥 多十
大川恵子 刀根
岡島艶子 おきわ
吉田江利子 お杉
平幹二朗 岩村隼人正
扇町京子 千鶴
三原有美子 浜乃
阿部九洲男 赤田藤九郎
上代悠司 遠山余市
那須伸太朗 垣内孫四郎
土橋勇 岡倉久兵衛
中条宏美 お国
中根真佐子 萩江
加賀邦男 矢沢勘解由
有馬宏治 市村伝七
河村満和 平井三郎
戸上城太郎 雲風軍兵衛
楠本健二 志賀源十郎
尾形伸之介 伴野長八
関根永二郎 野沢彦右衛門
丘郁夫 下条又七郎
長田健二 喜平次
水野浩 了然
春日弘 庄田孫兵衛

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「半七捕物帖 三つの謎」の比佐芳武の脚本を、「花かご道中」の工藤栄一が監督した右太衛門のスペクタクルもの。撮影は「鉄火大名」の松井鴻。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

信州星名郷は代々星名一族が守り抜いている土地だったが、代官岩村隼人正は一族を滅ぼそうと狙っていた。折から一年の江戸留学を終えた星名の三男小次郎が帰郷した。帰路、小次郎は隼人正の養女になるという千鶴に会い好意を感じ合う。一族の主長男左馬之介、次男織部は江戸風に染んだ小次郎に不安を感じるが、ともかく歓迎の宴を開いた。酒宴の隙を狙い、隼人正は野武士の雲風一味を使い織部の館を襲い、穀物を奪った。左馬之介たちは野武士の探索をはじめるが、小次郎は兄たちの目を盗み隼人正の館に千鶴と密会する。それを知った左馬之介は小次郎を迎えに隼人正のところに乗り込んだ。左馬之介の心配通り、千鶴は養女とは偽りで実は隼人正の側室、彼女をおとりに小次郎を通じて星名一族を滅ぼそうとする隼人正のたくらみであった。隼人正は千鶴との縁組をエサに小次郎から星名館の絵図面を手に入れ館に夜襲をかけた。一族は多数の犠牲者を出し、館を去って秘密のとりでに落ちのびる。隼人正は更に追打をかけ捕えた小次郎の処刑を布告し、星名一族をおびき寄せ、一挙に滅ぼそうと計画した。一族の掟を破った小次郎ではあったが、肉親の情たち難く掟を越えて左馬之介、織部らはワナを承知で隼人正の館に潜入した。十重二十重にはりめぐらされた隼人正の捕手を相手に、処刑場での決戦に勝利をおさめた左馬之介たちであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/11/12

2023/11/12

60点

VOD/U-NEXT 


観たかった工藤栄一監督作品

観たかった工藤栄一監督作品。馬を使った和製西部劇。ラストの殺陣シーン迫力あり。そして平幹二郎の悪役も迫力あり。

2020/08/24

2022/01/24

70点

選択しない 


驚異的な河原崎長一郎の回復力

 工藤栄一監督による、時代劇活劇。脚本は多羅尾伴内の比佐芳武。信州の星名一家を舞台に、一族の三兄弟がワル代官に立ち向ふ物語であります。
 一族の主で長男の左馬之介(市川右太衛門)、次男の織部(東千代之介)は、江戸に学んで帰つてきた三男の小次郎(河原崎長一郎)の帰還を祝ひ祝宴を開きます。星名を滅ぼさんとする悪代官・隼人正(平幹二朗)はその隙を狙ひ、野武士団を利用し襲撃します。無論隼人正本人は表に出ません。それで世間知らずの小次郎は隼人正を信用し、彼女の千鶴(扇町京子)が代官の養女になると云つても疑ひませんでした。左馬之介や織部が隼人正を信じるなと注意しても聞く耳持たず、隼人正の屋敷に出入りするのでした。

 しかし千鶴の養女といふのは偽りで、実態は妾として抱へやうとしてゐました。隼人正は千鶴を餌に、小次郎から星名の屋敷の図面を手に入れます。それは星名を襲撃する為に入手したもので、隼人正たちは屋敷に火を放ち攻撃をかけて来ました。奇襲に多くの仲間が犠牲になり、漸く目が覚めた小次郎でしたが、時すでに遅し。小次郎は捕はれ、股裂きの刑に処すると告知されたのです。左馬之介、織部は小次郎を救へるのでせうか......

 中中ハアドな作風で、集団抗争時代劇の一歩手前といふ趣きです。ただ、市川右太衛門は自らのスタイルを崩さないので、リアル時代劇の中で一人だけ歌舞伎役者が紛れ込んでゐるやうで、これも中中乙なものです。何のこつちや。
 他にも見方が大量に殺されたり、ヒロイン格があつさりワルの手に落ちたりするのが従前とは違ふところですかね。女優陣も従来のお馴染みのお姫様ではなく、扇町京子や三原有美子が起用されてゐます。辛うじて右太衛門の女房の花柳小菊が存在感を見せます。しかし比佐芳武脚本だけに、一応勧善懲悪は貫かれてゐます。クライマックスの右太衛門・千代之介の活躍も中中魅せてくれまる。

 不思議なのは、河原崎長一郎を股裂きの刑に処すると云つたのに、馬に引きずらせる刑になつてゐました。右太衛門たちは既に現地に着いて柵の外から眺めてゐます。早く助けてやれよと思ひます。普通ならあんな刑を受けたら死ぬと存じますが、河原崎は助けられた後、ピンピンして馬に乗つて大暴れしてゐます。この辺は納得がいかない喃。

2015/02/06

2015/04/13

55点

映画館/東京都/東京国立近代美術館 フィルムセンター 


リアルさの表れ

 フィルムセンターの東映時代劇特集で初めて観た「八荒流騎隊」は、地方の豪族・右太御大を配下におさめたい代官・平幹が、御大の末弟である河原崎長一郎を利用しようとし、河原崎はまんまと罠に嵌まるものの、最後は右太御大が次弟の千代之介と共に平幹一派を倒すという話で、自衛隊演習場をロケ先にした豪快で大掛かりなアクションが見所です。
 「八荒流騎隊」は、製作が61年であること、監督が工藤栄一であることなどが相俟って、50年代の東映チャンバラ映画にあった明朗さ痛快さは後景に退き、女が犯されたり斬られたりする陰惨さや、夜の場面が多いという暗さ、言い換えればリアルさが表れており、この数年後には集団時代劇の時代が訪れることを実感させます。