桃色の超特急

ぴんくのちょうとっきゅう|----|----

桃色の超特急

レビューの数

3

平均評点

65.4(5人)

観たひと

12

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/3/8
上映時間 87分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督渡辺祐介 
脚色川上茂 
原作川上茂 
企画小野沢寛 
撮影須藤登 
美術宮沢計次 
音楽神津善行 
録音村山絢二 
照明岡庭正隆 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演大空真弓 松井夢子
大空真弓 美鳩ゆかり
大空真弓 朱実
大空真弓 水商売の女
松原緑郎 並木吾郎
坂本武 丸井市太郎
花井蘭子 小崎洋子
鳴門洋二 八木課員
若宮隆二 三田社長
丹波哲郎 熊沢長五郎
杉山弘太郎 山村
西一樹 内海
小高まさる モンマルトルの柳
国方伝 エレガント鉄
水原爆 ドモ政
松原由美子 伊東絹代
佐々木孝子 踊り子千鳥
三木浩子 踊り子由美
溝口幸二 上原
津川豊 田中
上林詢 記者高田
泉田洋志 記者山西
野辺澄栄 君子
東堂泰彦 日本航空係員
岡竜弘 列車ボーイ
千葉哲也 大阪タイムズ記者
倉橋宏明 丸一化成宣伝課長

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

原作者・川上茂が自ら脚色し、「契約結婚」の渡辺祐介が監督したコメディ。「恋愛ズバリ講座」の須藤登が撮影した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

丸一化成のファッション・モデル美鳩ゆかりが、大阪で開かれる紡績まつりを前に失踪した。マネージメントした大西洋プロでは、急拠美鳩とそっくりの女性を募集、替玉にすることにした。同プロに出入りしている芸能ブローカーの並木吾郎はこおどりした。ストリッパーの朱実が美鳩ゆかりとそっくりだったからだ。が、朱実が隆鼻術を施してしまったため夢と化した。街中で通りかかった水商売風の女が美鳩そっくりだった。後を追ったが与太者の妨害を受けた。不機嫌になった吾郎は、バーおかめでやけ酒をあびた。マダムの洋子は吾郎の将来を気にして心配だった。彼女も吾郎と同様幼い頃に両親を亡くしていたからだ。アパートに帰った吾郎は、隣の松井夢子の部屋にとびこんでしまう。夢子がまた美鳩そっくりなので驚いた。翌朝、吾郎は夢子を大西洋プロに誘い出した。一等当選だった。ただちに大阪へ出発。大西洋プロの三田は万一を思い、オリエンタル・レイヨンのモデル伊東絹代を妨害するため、柳、鉄、政を使って途中下車を命じた。三人組は夢子を伊東と間ちがえ名古屋で降ろしてしまった、紡績まつりの宣伝に利用されていることを知った夢子は、クロロホルムの水鉄砲で吾郎に計画の変更を迫った。水鉄砲が暴発し、二人は気を失った。眠りからさめた頃には、小牧飛行場に運ばれていた。やっとのことで大阪にたどりついた。吾郎は、三田から夢子を本名で舞台に立たせると言われた。五郎は三田の指示を拒否したが、夢子は本名で舞台に立っていた。吾郎の夢を実らせるために、バラ色の人生を求めるために。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年3月下旬号

特別グラビア:「桃色の超特急」の渡辺組

新作グラビア:桃色の超特急

日本映画紹介:桃色の超特急

2018/09/07

2018/09/09

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『桃色(ピンク)の超特急』。軽快な主題歌を聞いてると楽しくなる。大空真弓が4役をこなし、主題歌まで歌う活躍。特急第1「こだま」で大阪に向かう。走行中のカットで複線の右側の線路を走っている、ホントかなあ。横浜駅ホームにシウマイ娘がいる。売店では「シューマイ」と「シウマイ」の両方表記。

2018/09/07

2018/09/08

71点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


超特急は「こだま」。

 主題歌を大空眞弓が歌う。

 出だし、何人かの女を大空眞弓が演じるが、あまり意味なし。
 シャーリー・マクレーンみたいなオムニバスかと思ってたら、全然違った。
 ストリッパーになるというから期待したのだが、舞台のシーンもなくヤレヤレ。

 こだまのロケが楽しい。
   東京、横浜、名古屋、大阪の古めかしいプラットホーム。
   客席車内、食堂車、スクリーンプロセスでなく実写なのが嬉しい。
   大阪では、道頓堀、心斎橋、通天閣、大阪城と登場。
   変に撮影所にこもってないのがいい。

 産業スパイっぽい場面などベタなコメディで辟易するところもあるが、後半、男と女、二人だけになると、幾分ラブコメっぽくなる。
 「或る夜の出来事」のジェリコの壁ならぬ38度線が登場し、笑った。
  上出来のラストも考えてみたら、「或る夜の出来事」からの戴きかもしれない。
    
    トラックの運ちゃん、丹波哲郎、38才にして貫録。
    大空眞弓さんは当時20才で美しい。
    ウイキペディアを読んだら、5才で爆心地から離れていたとはいえ広島で被曝。
    みな多くを語らなかったが、私が少年時代の時の、周りの大人、親とか先生とか祖父母、大変だったんだなぁ。

    60年代に戦争映画が多かったのは、やっぱり「語りたかった」んだよ。

    この映画は、1961年3月8日の公開だが、同年8月31日、新東宝は倒産。
    新東宝設立は1947年3月。
    製作作品には、「銀座カンカン娘」「野良犬」「細雪(1950)」「宗方姉妹」「西鶴一代女」などの有名作がある。 
    倒産後は、「新東宝映画」「大蔵映画」などのピンク映画への流れがある。

本作は「ピンクの超特急」と読む。
大空さんがシュミーズになるシーンはあるが、エロ度はゼロと言っていい。

思い出話になるが・・・。
1961年の新東宝の倒産前後、大量の新東宝の作品がテレビで放映されたらしい。
私は、当時7才か8才であったが、その中のエロ映画をテレビで見ている。
日中からそんな映画を見ていて、ガキ心になんかまずいなと思った記憶がある。
 親もウロチョロしていたハズだ。
 今日の「桃色の超特急」より遥かにエロかった。(題名不明)
 裸に近い(あくまで近いだけの)格好の女たちが、催眠術にかけられたかヤクにやられたかで、もうろうとして踊りをするといもの。(たぶん。)

 題名が分かる方、教えて下さい。

脱線ついでに・・・。
  あの頃のテレビは、けっこうエロかった。
  11PMとか、夜のワイドショーは各局でお色気を競ってて、簡単なストリップ、ヌードダンスのコーナーがあったもの。
  NHKの「夢で逢いましょう」だって、金井克子さんたちのモダンダンス(黒タイツ)のコーナーが必ずあったワ。

2018/09/05

2018/09/05

60点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


牧歌的時代背景

新東宝の最終年制作の、ニューフェースの松原緑郎と、一人4役の大空真弓に、トラック運転手役で丹波哲郎などを加えたキャスティングでの、ロマンチックコメディ作品です。

通信や交通システムが、50数年前でもあり、さすがに今の尺度では考えられないくらいに未熟な内容で、当時でなければ企画にのらないものであることは間違いありません。
それでも当時は画期的なスピードだったビジネス特急こだまや、航空機などをそれなりに利用しての、まったりとしたスピード感は今となっては貴重な感覚です。

4役をこなしている大空真弓は溌溂と演じていますが、本命の夢子以外は役的にもどうでもいい役どころで、隆鼻術を施したストリッパーはともかくとして、印象にも残らない員数合わせです。
もっと絞って、性格づけをはっきりさせたキャラクターにすべきだったと思いました。