混血児リカ ハマぐれ子守唄

こんけつじりかはまぐれこもりうた|----|----

混血児リカ ハマぐれ子守唄

レビューの数

6

平均評点

60.9(20人)

観たひと

36

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1973
公開年月日 1973/6/23
上映時間 85分
製作会社 オフィス二○三=近代映画協会
配給 東宝
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督吉村公三郎 
脚本新藤兼人 
原作凡天太郎 
製作安西一人 
高島道吉 
遠藤雅也 
撮影杉田安久利 
美術阿部三郎 
音楽竹村次郎 
録音黒岩竜彦 
照明岡本健一 
編集近藤光雄 
助監督臼井高瀬 
スチール新藤次郎 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演青木リカ リカ
河原崎次郎 五郎
宗田政美 竜巻お万
平井佳代 カツアゲお藤
栗原妙子 チャリンコお浜
笠原玲子 くちなわのお京
田沢淳子 八百屋お七
大木正司 鬼の兵曹長
田道秀幸 モラルさん
初井言栄 院長
柳原幸一 ハブのゴン太
陳永富 軍曹
加藤善己 伍長
内田直哉 上等兵
扇谷敏 一等兵
深沢英子 黒人女
市毛良枝 娘ジュン
殿山泰司 精神病院々長
マンモス鈴木 ゴリラ男
清水幹生 ニクイソン
ボス・アルストルム ジョージ権藤
田中邦衛 兵隊キチガイ

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

“混血児リカ”シリーズ第三作目。国際悪徳商人を追って、天城山中、伊豆海岸で奔放な活躍をするリカを描く。原作は凡夫太郎の同名劇画。脚本は「混血児リカ ひとりゆくさすらい旅」の新藤兼人、監督は「甘い秘密」の吉村公三郎、撮影は「混血児リカ ひとりゆくさすらい旅」の杉田安久利がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

少年院にまい戻ったリカは、院のボス・竜巻お万と反発しながらも、脱走の機会を狙っていたが、ある日、保護員のスキに乗じて脱走に成功した。リカはなつかしい古巣、横浜港に戻って来た。その時、親子心中をはかった黒人女とその娘ジュンを救った。ジュンの父はアメリカ人で、ジュン親子を棄て、失踪していた。ジュンが黒人の母を恨んでいると知ったリカは同じハーフとして同情するのだった。ある日、ジュンは愚連隊たちに追われている時に、オートバイに乗った隠密刑事・五郎に救出された。ホテルへ入った二人は、愛の交歓へ。その時、突如、警官が乗り込んで来た。リカは再び少年院へ。お万が手ぐすねひいて待っていた。凄絶なリンチを加えられるリカ。ある日、所長と兵曹長がぐるになり彼女たちを外国へ売り飛ばそうと精神病院へ送った。精神病院でリカは性欲のカタマリのようなゴリラ男に襲われた。手に汗を握って両者の獣のような闘いを見守る看護人のスキを狙って、お万たちは大暴れを開始、院内は大混乱となった。やがて、オートバイで逃走に成功したリカたち。その頃、ジュンが貿易商のニクイソンに連れ去られていた。ニクイソンの山荘が天城にあると知ったリカは、天城へと向かった。その山荘では、ジュンを使って、外国へ売るブルーフィルムの製作が行なわれようとしていた。そこへ、リカと五郎が現われた。激しい拳銃の応酬。スキをみてニクイソンが、リカたちのオートバイのタイヤに弾をぶちこみ、ジュンを連れて逃げた。リカと五郎は運よく厩にいた馬に飛び乗り、今井浜のニクイソンの別荘にまで追いかけて来た。その場に、リカと決着をつけようとお万たちも来た。勝負は後に、とばかりリカとお万たちは、別荘を襲撃、見事ジュンの救出に成功するのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2017/12/12

2022/09/04

60点

選択しない 


いとも簡単に脱走するズべ公たち

 混血児リカのシリーズ、第三弾にして最終作「ハマぐれ子守唄」です。よく三作も製作したものです。監督は過去二作の中平康に代り、近代映画協会立ち上げメムバアの一人、吉村公三郎。一般に名匠と呼ばれる人だと存じますが、こんなアウトローなシャシンも撮つてゐたのですね。資金難を救ふ為でせうか。
 脚本は引き続き新藤兼人。この人も良くやりますな。嘗ては吉村監督とのコンビで名作を連発した筈ですが。音楽も同じく竹村次郎ですが、今回はコメディタッチの曲調が多い気がしました。

 サテ又何かをしでかしたか、リカ(青木リカ)は少年院に戻ります。牢名主の竜巻お万(宗田政美)以下、同室のメムバアはリカをイタブつてやらうと手ぐすねを引いてゐますが、リカの相手では無いやうです。リカは容易く脱走し、ホームグラウンドの横浜へ。そこでリカは黒人女(深沢英子)と娘のジュン(市毛良枝)が心中するのを救ひます。ジュンの父は米人で妻子を棄て失踪したといふ。同じ境遇のリカは純に同情するのでした。

 色々あつてリカは又もや少年院へ。リカの脱走の為、とばつちりを喰つたお万たちは、リカをリンチにかけます。手を焼いた兵曹長(大木正司)は「お前ら皆気違ひだ」といふ事でズべ公たちを精神病院送りにします。名前が「ユートピア精神病院」で、人を喰つてゐますね。
 精神病院の院長(殿山泰司)は結託してゐて、彼女らを売春組織に売り飛ばす算段をしてゐました。しかし精神病院でも易々と脱走するズべ公たち。リカはジュンが天城に連れ去られたと聞き、早速救出に向ひますが......

 三作目ともなると、トンデモ設定にも慣れてきてそれなりに愉しめるやうになります。しかしジュンの両親はアメリカ人父と黒人母なのに、娘の市毛良枝は純和風の顔をしてゐます。頭が混乱するのであります。因みに黒人女を演じた深沢英子とは、有田麻里さんなんですね。顔を黒くしてゐるし、俄かには分かりませんでした。市毛さんがこんな若い時分からこんな映画に出てゐるとは驚きました。オツパイを晒すシーンがありましたが、明らかにこれは吹替ですな。

 他にも気になる出演者が......二枚目枠には俳優座の河原崎次郎さんですが、実に似合はない(笑)。院長の初井言栄は、穏やかな人格者の建前と口汚く罵る本音のギャップが面白い。ズべ公の一人に、特撮少年の憧れ・笠原玲子さんが登場。豪快な脱ぎつぷりを見せてくれます。精神病院院長の殿山泰司は近代映画協会の大物なのに、もつと良い役をやらないのでせうか。

 更に、青大将田中邦衛が「兵隊キチガイ」なる役で登場。物語にどう関はるのかと思つたら、ワンシーンだけキチガヒぶりを披露して終りでした。何だこれは。ワルの総帥で「ニクイソン」なるふざけた名前の役を演じた清水幹生、これまた特撮少年にはピンとくる顔です。「帰ってきたウルトラマン」の「許されざる命」の回で、合性(合成ではない)怪獣レオゴンを生み出してしまふマッドサイエンティストを演じてゐました。

 アメリカ批判は控へ目ながら健在。当時の世相を感じさせるものとして、経済大国となつた日本人を揶揄する「エコノミックアニマル」といふ言葉があります。円が強くなり、ワルどもの取引でも「ドル払ひはやめてくれ、円かマルクにしてくれ」といふ台詞がありました。現在の落ちる一方の日本の国力を思ふと、隔世の感があります。

 主役を演じた青木リカは、この後「学生やくざ」での出演が確認できますが、その後は消えてしまつたやうです。元元直ぐに辞める気だつたから、未練は無かつたのでせう。お疲れさまでした。
 世間の人は、吉村公三郎だの新藤兼人だのの名前を気にするから素直に鑑賞出来ないのでせう。これは体調の悪い時の鈴木則文が監督したプログラムピクチュアの一作だと思ひ込めば良いのです。お色気アクションコメディとして、気軽に見たら良いんぢやないすか?

2010/05/20

2018/02/07

45点

購入/DVD 


田中邦衛さん出演

混血児リカ、シリーズ3作目。
主人公リカ役「青木リカ」さんのプロフィールはすべて不明。
日本&アメリカ のハーフさんですかね?。

2014/09/30

2014/09/30

60点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


吉村監督が

ネタバレ

まさか吉村監督が、これを撮るなんて思いもしなかった。タイトルさえ地上波では放送できない上、主役が棒読みの演技がまったくの素人。でも、嫌いではない。笠原怜子も出演しているし。

2014/04/19

2014/04/19

90点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


’きちがい’には軍国主義者が多い

新藤兼人は、広島出身。アメリカ帝国主義に対する怨みがある。
きちがいは安倍ちゃんのことかな。

2013/01/24

-点

選択しない 


元町商店街(信濃屋の看板、喜久屋洋菓子店)、山下公園、マリンタワー、中村川、横浜駅舎(東口)と駅前。

1973/07/25

2012/09/03

58点

映画館 


1巻行方不明

オリジナルより10分短い。精神病院のエピソードの巻がまるまる抜けていた。
差別問題に引っかかって東宝がその巻だけ抜いたと勝手に解釈したが、
もしかしたらただの自主規制だったかも。吉村・新藤コンビの汚点のような凡作。