不良番長シリーズ、堂堂の15作目。「一網打尽」であります。これまた野田幸男監督作品。主題歌の歌詞は「Oh~番長」しかないのでせうか。
梅宮辰夫演じる神坂弘は、今回登場時は一匹狼です。新宿で暴れてゐますが、大手の暴力団・共友会には痛い目に遭つてゐます。同じく新宿を根城にする愚連隊チーム(安岡力也・久保浩・鈴木ヤスシ・岡崎徹・誠直也ら)と衝突しますが、共友会を共通の敵とするといふことで手を組み、神坂が改めてリーダーとなつたのです。但しここでは「カポネ団」といふ呼称はされないやうです。
ネリカン枠は藤竜也が昇格。力石といふ役で、神坂と同時に出所する筈が、生意気な態度を取つた所為で延期になつてしまひます。お陰で力石と間違へられて神坂が共友会から命を狙はれました。会長の大滝(内田朝雄)が仕向けたものですが、この一事をもつてしても、共友会といふのが如何に腐つた組織かが分かります。即ち、出所したら厚遇で迎へるといふ約束を破り、逆に消してしまはうといふ事ですな。
前回不似合ひなネリカン枠にさせられた山城新伍は、今回強欲でお下劣なコミックリリーフに復帰。やはりこれでないと、不良番長シリーズの感じが出ませんねえ。ヒロイン格は真理アンヌといふ事になりますかな。わたくしは妹の久万里由香の方が好きなんですが、余計な事は言ひますまい。
今一人、ひし美ゆり子が共友会から逃げてきて、カポネ団の仲間からは疎まれますが、どこへも行くところがない境遇ゆゑ、梅辰は仲間として抱へるのでした。スレンダーかつ豊満な肉体を披露してゐます。ただ、少し頭の足りないやうな描写がされてをり、その最期も間抜けなものでした。ちよつと可哀想な感じです。
ところで、「ウルトラセブン」の「友里アンヌ」といふ役名は、元元真理アンヌの起用を睨んで付けられた名前。それが実現せず、豊浦美子を経て菱見百合子(当時)に決つた経緯があり、その真理アンヌとひし美ゆり子の両者が出演してゐるのは因縁を感じます。
決戦シーンは例によつて火薬やダイナマイトを多量に駆使した派手なものになつてゐます。山城がまた槍捌きを披露したり、コミカルな場面も多いですが、やはり一時期頂点に達したおバカ度には届きません。ただ、教会で結婚式を行ふ新郎新婦に渡瀬恒彦と藤江リカがゲスト的に出演してゐるシーンはクスリと笑へます。しかも神父役が由利徹だし。
やはり前作のシアリアスな作風から一気に元には戻らないやうです。無論この作品単体で見たら、別に問題はございません。設定もリセットされてゐる事だし。見終つたら内容を忽ち忘れる作品ですが、見てゐる間は愉しめる一作と申せませう。