ゾロ目の三兄弟

ぞろめのさんきょうだい|----|----

ゾロ目の三兄弟

レビューの数

7

平均評点

61.5(21人)

観たひと

33

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0

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1972
公開年月日 1972/4/14
上映時間 86分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督山下耕作 
脚本高田宏治 
原作今東光 
企画俊藤浩滋 
松平乗道 
撮影山岸長樹 
美術井川徳道 
音楽八木正生 
録音溝口正義 
照明北口光三郎 
編集宮本信太郎 
助監督篠塚正秀 
鈴木秀雄 
平野勝司 
スチール藤本武 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演小林旭 大西仁助
田中邦衛 大西多度吉
渡瀬恒彦 大西永三
土田早苗 水野万紀
弓恵子 大西沢
池田幸路 大西沢松江
北村英三 大西沢文吾
遠藤辰雄 山本源吉
三原葉子 山本しげ
河津清三郎 和田倉満五郎
天津敏 関根林蔵
汐路章 蓮根政
楠本健二 菊次
西田良 境川牛松
有川正治 豊造
潮健児 
鈴木康弘 
岡八郎 井上伝五郎
那須健太郎 武本
チコ・ローランド ポストン
ラッパ 安藤平太
永田光夫 工藤
中村錦司 丸山

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

小林旭の東映出演第一回作品。昭和28年頃の大阪を舞台に、河内の三ゾロと呼ばれる暴れ者の三兄弟が、大資本と結託したヤクザ組織を相手にする破天荒な活躍を描く。原作は今東光の『河内ゾロ』の映画化。脚本は「まむしの兄弟 懲役十三回」の高田宏治、監督は「任侠列伝 男」の山下耕作。撮影は「悪親分対代貸」の山岸長樹。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

昭和28年頃の大阪。河内三兄弟の一人、大西仁助は、安兵衛、三次の二人を従え、和田倉一家の縄張りに進出し、チンピラのジャックの豊造たちを追い出し、大阪鶴橋に河内仁吉一家の看板をかかげた。仁助はこの大阪で一、二の一家をかまえることが夢だった。仁助の出身地中野村では、関西レイヨン工場進出をめぐって、特産豚毛ブラシ業者の源吉と村長一派が対立。仁助の弟で、先祖代々からの百姓稼業を継ぐ多度吉が、業者の先頭に立って男を売ろうとしていた。そんなある日、父危篤の知らせで、生まれ故郷に仁助と、末弟で船員の永三も神戸からかけつけ、久々に三兄弟が顔を合わせた。数日後、ド助平で、ドケチで、喧嘩早い三兄弟は、父親の死をめぐって、内輪争いを始めるが、源吉の家に間借りした水野万紀の出現で、不思議にも三兄弟の内輪もめがピッタリとやんだ。と言うのも万紀の溢れるような女らしさに三人共惚れこんでしまったのだ。芸者だった万紀は、和田倉一家代貸の林蔵に身うけされたが強引な林蔵にいや気がさし逃げ出して来たのだった。一方、村長一派は、和田倉一家と手を組み工場設地を強行しようとした。和田倉は、工場建設を請負い、代貸の林蔵と、子分数人を中野村に送り込み、工場建設に反対するブラシ業者たちに、暴力を使って、いやがらせを表面化させる。この事に怒った多度吉、村民たちは、村役場におしかけ村長一派の企みをあばこうとするが、ここでも和田倉一家の邪魔にあう。仁助は、鶴橋の縄張りの件で和田倉と対立、工場の一戦も持ち込まれたため、和田倉一家に乗り込み、和田倉と対決、工場から手を引かせることに成功した。しかし、これが和田倉の企みであるとは、仁助も気がつかず、大阪一の親分和田倉と兄弟分となったことに大得意となっていた。さらに和田倉は、中国の豚毛を大量にあっせんしようと申し出る。仁助はこの仕事を快くうけ源吉たちを説得。源吉たちは田畑を売って手付金をつくり、取引することになった。ところが取引の日、荷が豚毛どころか、オガクズにすり替っていることを知った。荷がニセ物だと感付かれた和田倉は、外部にもれることを恐れ、立合った業者二人を抹殺する。また、この取引きで業者の代表となっていた源吉は、責任を感じ自殺を計る。一方、万紀の行方を知った林蔵は彼女を引き戻したが、彼女を慕う永三に知られてしまう。永三は単身林蔵の家に乗り込んだが、逆に捕えられてしまう。しかし、仁助によって万紀と共に救出される。勢いに乗った和田倉は工事の再開をはじめた。この和田倉一家の汚いやり口に、遂に大西三兄弟の怒りが爆発、郷里中野村に背を向け和田倉一家に殴り込むのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1972年6月上旬号

映画批評:ゾロ目の三兄弟

1972年5月上旬号

日本映画紹介:ゾロ目の三兄弟

2024/01/31

2024/01/31

59点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/PC 


小林旭の東映初登場作。

ネタバレ

どうもそうらしいのだが、当の小林旭にはそんな雰囲気がゼンゼンなく寂しい。「河内ぞろ」といえば観てはいないが日活にも宍戸錠主演作があるし、二番煎じというヤツなのかもしれない。まあそれは観てからのお楽しみにしておく。というわけで三兄弟には小林旭、田中邦衛、渡瀬恒彦。三人のアンバランスな感じが内容にもこってりと反映されているようで、コメディ紛いの訳のわからなさである。東映の添え物作にありがちな本物感のなさはさすがの山下耕作監督としてもやりにくそうではある。テーマ曲はなかなかいかしているが、女優陣を含めて観るべきものはあまりなかったのであった。

2021/08/08

2021/08/08

50点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


小林旭の東映第一回主演作品

今東光の原作「河内ゾロ」は不知。長男小林旭、次男田中邦衛、三男渡瀬恒彦という“豪華な”メンバー。小林旭の東映第一回主演作品だそうで、この3人が「仁義なき戦い 代理戦争」で顔を合わせるのは、1973年9月。三兄弟に最後に殴り込まれる悪役は、お馴染み河津清三郎と天津敏。遠藤辰雄が、小林の幼馴染で珍しく善人役。

2021/08/02

2021/08/02

60点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


嫁はんは他人、兄貴は兄弟

仲の良い兄弟が村人のために立ち上がる。
内容は広域ヤクザと地元のやくざ(たった3人の組)の争いだが、出入りには子分ではなく、堅気の兄弟が参加する。
どちらかと言えば正統なヤクザ映画ではなく、コメディー。小林旭が日活調でコミックに、田中邦衛がいつものひょうきんさ、渡瀬恒彦が東映調でキリッと見せる。
バックには吉本の漫才芸人らがおかしさを見せる。
笑いながら見る映画。悪役も天津敏と川津清三郎がいつもの調子。

2020/08/19

2020/08/19

62点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


コメディタッチ

日活が1971年に破綻してロマンポルノに転向。小林旭は東映に移籍して、この作品が最初の東映映画。
小林旭、田中邦衛、渡瀬恒彦という三兄弟の組み合わせが嬉しい。「悪名」の今東光の原作ということで、コメディタッチの展開。ヒロインが土田早苗というのも東映らしくなくていいね。
田中邦衛の快演はあるものの、コメディとしては今一つ弾けない。山下耕作はあまりコメディは得意じゃないようだ。
色んなところで、小林旭が歌うが、やはり小林旭の歌声は素晴らしい。
いずれにせよ、小林旭をどう扱うか、まだまだ東映としては模索というところか。旭が真価を発揮するのは、次作の「仁義なき戦い・代理戦争」の武田明ということになる。

2015/12/10

2015/12/11

70点

映画館/東京都/新文芸坐 


河内弁が小気味良い

#1168 新文芸坐「ゾロ目の兄弟」。今東光の原作「河内ぞろ」を高田宏治が脚色した1972年製作の山下耕作監督作品。日活から活躍の場を移した小林旭の東映出演1作目で、父親の危篤で再会したヤクザ、百姓、船員の河内三兄弟が地元に工場を建てようとする大阪の一家と対決する任侠ものである。

2014/06/01

2014/07/03

50点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


安定品質

ラピュタ高田宏治特集「ゾロ目の三兄弟」は、東映の着流し任侠ものが飽きられ、「仁義なき戦い」が登場して実録路線に舵を切る前の、端境期の72年の映画で、山下将軍としては気が抜けたような映画でしたから、つい随所で気絶してしまいましたが、三兄弟ものとしては定番の作りで、安定した品質は保っていたかと思います。