女シリーズの3作目。中村メイコ、左幸子が演じた金沢の妻・竜子役が、本作ではさらに市原悦子に変更。二人に比べると可愛すぎるのでは?と思ったけれど、意外に市原悦子の竜子も良い感じ。そして、スリを商いにする夏純子演じる浮子と、彼女の兄貴分である米倉斉加年演じる武。後者の口癖が「笑わせるぜ」で、始めのうちは何とも思わなかったものの、徐々にその言葉の裏に隠された悲哀やどうにもならない現実が見えてくる。が、何だかんだと浮子も武も前向きで、人の気持ちに寄り添う優しさがある。私的には、雨の中で佇む姉川を無視してもよいところ、そっと傘に入れてあげる浮子が好き。ラストの彼と彼女のオチは、予想通りとはいえ思わず笑ってしまう。