喜劇 女売り出します

きげきおんなうりだします|----|----

喜劇 女売り出します

amazon
レビューの数

8

平均評点

67.1(28人)

観たひと

47

観たいひと

5

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ
製作国 日本
製作年 1972
公開年月日 1972/2/5
上映時間 89分
製作会社 松竹
配給 松竹
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督森崎東 
脚本掛札昌裕 
森崎東 
原作藤原審爾 
製作上村力 
撮影吉川憲一 
美術佐藤之俊 
音楽山本直純 
録音中村寛 
照明三浦礼 
編集森弥成 
助監督大嶺俊順 
スチール佐々木千栄治 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演森繁久彌 金沢
市原悦子 竜子
夏純子 浮子
米倉斉加年 
久里千春 村枝
荒砂ゆき きた子
岡本茉利 朝子
中川加奈 タマ子
西村晃 銀作
財津一郎 石井
小沢昭一 姉川
瞳麗子 鳥子
秋本ルミ 礼美
花澤徳衛 徳田
植田俊 菊田
関千恵子 あけみ
穂積隆信 かおる
葵三津子 こでまり
赤木春恵 おかみ
田中正人 木村
加島潤 監視員
旭瑠璃 スリ
沖秀一 スリ係の刑事
岡本忠行 やくざ
秩父晴子 女中
谷よしの おばさん
佐々木梨里 リリ子

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「新宿芸能社」を舞台に、藤原審爾原作の「女」シリーズ第三作。脚本は「女番長ブルース 牝蜂の挑戦」の掛札昌裕と「生まれかわった為五郎」の吉川憲一。監督森崎東。撮影も同作の吉川憲一が、それぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

“あたいがスリだってさあ調べて”と威勢のいい啖呵と共に裸になったちゃりんこ浮子が、ストリッパー斜旋業「新宿芸能社」の金沢、竜子、踊り子島子、タマ子たちのおトソ気分をフッ飛ばした。浮子に満員電車の中で、財布をスラれた金沢が、デパートで彼女を見つけ「芸能社」に連れてきたのである。最初は威勢のよかった浮子も、金沢と竜子に親身になって説教されると涙を流して更生を誓い、「新宿芸能社」に住み込んだうえ、手先の器用なことから手品ストリップを考えつき、人気はうなぎ上りとなった。ある日、浮子の父親で前科十七犯のスリの親分浅草の銀作の身内で左ききの武が、浮子を連れ戻しにきた。父親のいいつけとあって仕方なく浮子は帰っていった。その途中、無意識でスッてしまった女の財布の中に、母親が田舎で仕送りを待っているという内容の手紙があり、心をいためた浮子は、財布を元の女のところに帰したいと武に相談する。しぶしぶ一肌脱ぐことになった武が訪ねあてた女朝子は、身体を売って仕送りをしている健気な女だった。事情を知った武と浮子は、体を張ってヤクザから朝子を救いだし「新宿芸能社」で働けるようにしてやる。その後、浮子は彼女のファンの税務所員姉川から求婚された。その頃、「新宿芸能社」出身ですし屋をしている村枝と、店員きた子が、すし職人菊男を奪い合っての大喧嘩が始まった。きた子のあこぎなやり口を見かねた浮子は、口八丁手八丁、出刃を振り回して暴れるきた子から菊男を離したが、菊男は何んと朝子とできてしまっていた。この事件でせっかくの縁談が破談になってしまった浮子だが、くじけもせず陽気に踊り続ける。一方、武は例の売春組議のヤクザに右手の指二本をつめられ、百姓をして生活するため田舎の八丈島に帰っていった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/08/14

2023/08/14

70点

レンタル/東京都/TSUTAYA 


森崎東監督の秀作喜劇

ネタバレ

「笑わせるぜまったく」が口癖の米倉斉加年のしたたかさ。西村晃の迫力ある親分。小沢昭一のズッコケタ税務署員。そして脳梅毒で死んでいく“浅草様”(哀しい)。都会の片隅で生きている魂をもった人々の群像劇。夏純子がチャーミングな作品。

2021/08/08

2021/08/29

70点

映画館/大阪府/シネヌーヴォ 


女シリーズの3作目。中村メイコ、左幸子が演じた金沢の妻・竜子役が、本作ではさらに市原悦子に変更。二人に比べると可愛すぎるのでは?と思ったけれど、意外に市原悦子の竜子も良い感じ。そして、スリを商いにする夏純子演じる浮子と、彼女の兄貴分である米倉斉加年演じる武。後者の口癖が「笑わせるぜ」で、始めのうちは何とも思わなかったものの、徐々にその言葉の裏に隠された悲哀やどうにもならない現実が見えてくる。が、何だかんだと浮子も武も前向きで、人の気持ちに寄り添う優しさがある。私的には、雨の中で佇む姉川を無視してもよいところ、そっと傘に入れてあげる浮子が好き。ラストの彼と彼女のオチは、予想通りとはいえ思わず笑ってしまう。

2020/12/05

2020/12/05

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『喜劇 女売り出します』。満員電車でおばちゃんの頭が目の前に来てイラつく金沢(森繁久彌)。このおばちゃん役者は誰だっけ?。よく見かける人。新宿芸能社は新宿のゴールデン街裏辺りの設定。都電廃線直後だろう。浅草の花やしき、六区では映画館がまだ健在。「新宿トルコ」の場所はどこだろう?

2020/07/23

2020/07/26

70点

選択しない 


ブレッソンの「スリ」とは全く違うベクトルのスリ師たちの生き様。
笑わせるぜ全く。というセリフと裏腹に全く笑ってないのは、言葉だけでも笑ってると言わないとやり過ごせない苦しみが滲み出てる。
この、笑わせるぜ。には場面ごとに色んな意味合いを含んでいておかしかった。
チ○コの話から急に「人間無い物ねだりが一番不幸せなんだよ」という真理を語り出す森繁先生。

2018/10/29

2018/11/04

60点

選択しない 


強き女たち

ネタバレ

 新宿芸能社を舞台にした元気な女たちの群像喜劇。これ演者を変えてシリーズのようにしていくつか製作されていたんですね。確かにストリッパーたちの体臭でムンムンするような舞台設定には生活感と活気に溢れていて楽しい。そこに出入りする人々の人情喜劇をこの監督らしい荒っぽい演出でみせる。
 ここでは男たちの存在感は実に薄い。女たちの勢いに押されて見る影もない。東映ヤクザ映画のような男臭さとは無縁。しかしそれがむしろ当時の世相であったろう。男らしさなど幻想になりつつあった時代だからこそヤクザ映画にあれだけ観客も夢中になったのだと思う。
 それからするとこの映画は現実の男の情けなさをはっきりと見せつける極めて現実的な映画だったのかもしれない。
 アヴァンの冒頭、満員電車の中で若い女(夏純子)の股間に足を割り込ませる痴漢親父が森繁。何のことはない彼女に財布をスられるという体たらくぶりからスタートして男たちは常に女にやり込められる役回りである。
 露骨な性表現をも敢えて避けずきっちりと描いてしまうあたりが、山田洋次らのオブラートで覆う演出と違うところ。そんなところを楽しみながら鑑賞。

2012/07/05

2012/07/06

70点

レンタル 


1972年キネマ旬報邦画ランキング15位

ストリップ斡旋業を営む夫婦(森繁久彌・市原悦子)と成行きで世話をする羽目になった若い女スリ(夏純子)に降りかかる災難を、時にウエットに、時にドライに描いたコメディー映画。一寸先は闇の男女の恋路や任侠がらみの親子の別れなど、ホロリとさせる味わいがあった。チンピラを演じた米倉斉加年は寅さんを彷彿させるキャラクターとは言えないだろうか。売春宿から助け出された田舎娘の笑顔が、ストップモーションになるラスト。まさに女性のしたたかさと神秘性を象徴させたカットであった。