極楽坊主

ごくらくぼうず|----|----

極楽坊主

レビューの数

3

平均評点

57.7(12人)

観たひと

18

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル エロス / コメディ
製作国 日本
製作年 1971
公開年月日 1971/7/31
上映時間 82分
製作会社 日活
配給 ダイニチ映配
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督武田一成 
脚本中西隆三 
企画園田実彦 
佐々木志郎 
撮影横山実 
美術坂口武玄 
音楽玉木宏樹 
録音橋本文雄 
照明熊谷秀夫 
編集鈴木晄 
助監督岡田裕 
スチル萩野昇 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演宍戸錠 好田丈胤
岡崎二朗 桶井三休
芦屋雁之助 舞戸役海
隅田和世 夏子
真山知子 霜月八重子
戸部夕子 浩江
相川圭子 安情尼
藤岡重慶 大場和一
深江章喜 横川槍三
加原武門 霜月上太郎
大谷淳 万助
榎木兵衛 早川
藤江リカ 時子
小早川泰子 ミツ江
山本修平 肥田
由利徹 執事
市村博 子分

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

厳粛なる御仏に仕える身でありながら、次々に戒律をぶちこわす好色坊主が主人公の艶笑喜劇。脚本は「喜劇 いじわる大障害」の中西隆三。監督は「ネオン警察 ジャックの刺青」の武田一成。撮影は「女子学園 おとなの遊び」の横山実がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

諸国を修業して廻る好田丈胤は、老師桶井良寛をたずねた。やっとのことで荒れ放題の寺にたどりついたが、良寛は世を去り、後継ぎ息子の三休は競馬、競輪、花礼に明けくれ檀家にも見放される始末。丈胤の入れ智恵で、久しぶりに競艇でもうけた三休と丈胤は、キャバレーに繰り込んだ。そこで、お目当の夏子をめぐって、農協の肥田やヤクザの霜月、横川と張り合った。やっとのことで寺に戻った丈胤は、寺の再建を計ろうと三休に持ちかけたが、当の三休は坊主学校は中退するし、お経を聞いただけでジンマシンがでる始末。そのうち旅僧に化けた役海に寺を乗っ取とられそうになってもかまわず、相変らず仏像まで持ちだしてバクチ場に出入りしていた。スッテンテンになった三休に変って、丈胤が霜月組に巻きあげられた寺の財産を取り返してきた。寺は丈胤の肩入れで檀家もふえ、最初は疑っていた三休も、すっかり丈胤を信用するようになった。一方、どうしてもおさまりのつかないのが横川で、執事や大場を抱き込み、寺の宝、雲舟の掛軸を狙って、寺に乗り込み、本山からの上命で寺の無住を理由に立ち退きをいい渡した。怒った丈胤は腕に物をいわせ、一瞬にして彼らを追っ払ってしまった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1971年9月上旬号

映画批評:極楽坊主

1971年8月下旬号

日本映画紹介:極楽坊主

2019/12/25

2023/07/17

60点

選択しない 


ロマンポルノ前夜祭か

 1971年製作・公開の「極楽坊主」であります。この時代は同じく経営悪化に苦しむ大映と組んだ「ダイニチ映配」による配給となつてゐて、この「ダイニチ」のロゴを見ると物悲しくなります。弱い者同士がくつついても結局弱いままで、大映は倒産、日活はロマンポルノへ舵を切るのでした。監督は武田一成、脚本は中西隆三、音楽は玉木宏樹。

 「極楽坊主」とは、宍戸錠演じる破戒僧。酒は飲むしギャンブル三昧、更に女好きの絶倫坊主。籠の中で女とせくーすしながら、その振動でお寺の鐘を撞く、と云ふ罰当りな行為をしてゐます。それで和尚の由利徹に追ひ出され、師匠の寺を訪ねますが、既に師匠は死去してゐました。で、寺は荒れ放題。

 跡取り息子の岡崎二朗もまたバクチに狂ふトンデモ野郎。好色な音楽教師の藤江リカに童貞を売つて以来、小遣ひ欲しさに付き合つてゐますが、本命はキャバレーで働く隅田和世。寺を継ぐ気は一切なし、そもそもお経を聞くと蕁麻疹が出ると云ふ体質だから始末が悪い。

 ジョーは師匠への恩返しとして、荒れた寺を修復し、檀家が戻るやうに努力します。檀家が戻ればカネも入ると岡崎に寺を継ぐやうに説得します。当初はジョーを疑つてゐた岡崎も、次第にジョーの考へを理解するやうになりますが、悪徳僧の由利徹、ヤクザの深江章喜、藤岡重慶らが結託し、寺に眠るお宝目当てに乗つ取らんと画策します。目玉は「雪舟の水墨画」らしい。迎へ撃つジョーと岡崎は......

 ロマンポルノ直前の作品と云ふ事もあつてか、お色気満載であります。十分おきくらゐに女優のハダカが登場し、ジョーが絶倫ぶりを発揮します。立派な逸物を持ち、女たち(真山知子・霜月八重子・戸部夕子・相川圭子・小早川泰子ら)は皆虜になつてしまふ。立派過ぎて自分でも気付かずに物に当つてドンドンと音がする。「何の音だ? ああ俺か」なんて。

 博才もあり、腕つぷしも強い。得意技は、男の急所を握り潰すと云ふ下品なもの。「めりめりッ」なんて音がして、握つた後の自分の手の臭ひを嗅ぎ、顔を顰めると云ふ漫画的演出が笑へます。

 共演は前述の岡崎・由利・深江・藤岡の他に、寺男の大谷淳が目立ちます。インチキ僧侶の芦谷雁之助、葬儀屋の榎木兵衛らもトボケタ味はひで宜しい。因みに安部徹の名がクレジットにあり、何処で出たのか分からないの意見がありますが、ラスト近くで出てゐます。メイクが派手過ぎて一寸分かりにくいですが。

 キャラクタアとしてはそれなりに魅力的ですが、ジョーさんも半分ポルノみたいな作品によく出演したものです。「ハレンチ学園」シリーズにも皆勤してゐるし、付き合ひが良過ぎる感じですね。やはり日活には愛着があつたのでせうか。ちなみにポスタアの惹句は「数珠のかわりに乳房モミモミ 女のカラダに引導わたす ケタの外れたポルノ坊主!!」......!

2023/04/08

2023/04/08

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


宍戸錠主演のエロティックコメディ。絶倫の破戒坊主がつぶれかかった寺の再生に尽力する。クレジットには安倍徹の名前があったが、見つけられなかった。出演していない気がする。

2021/06/26

2021/06/26

65点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


娯楽映画

女と博打と酒と来れば相当でたらめな坊主という先入観があるが、映画が進んでいくと、この男好田丈胤(宍戸錠)はただ者ではない。
恩師を訪ねて寺に行くと、恩師はすでになく、相当な荒れ寺になっていた。恩師の2代目三休はやはり女と博打、酒におぼれ、坊主になる気はサラサラない。そこで丈胤は坊主本来の姿を見せ、寺の再建に尽力する。
ちょっとエッチなコメディーだが、存分に笑わしてくれる。宍戸錠のトンデモ坊主とまじめな坊主の落差が面白い。