君は海を見たか

きみはうみをみたか|----|----

君は海を見たか

レビューの数

5

平均評点

53.8(16人)

観たひと

21

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1971
公開年月日 1971/5/5
上映時間 83分
製作会社 大映東京
配給 ダイニチ映配
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督井上芳夫 
脚本倉本聰 
原作倉本聰 
企画久保寺生郎 
撮影中川芳久 
美術間野重雄 
音楽池野成 
録音須田武雄 
照明上原正一 
編集中静達 
助監督野村尚 
スチル薫森良民 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演天知茂 増子一郎
山本善郎 増子正一
寺田路恵 増子弓子
阪口美奈子 木宮佳子
中山仁 大石先生
芳布辰男 和田医師
内藤武敏 木口博士
伊東光一 岡崎靖三郎
荒木康夫 桜井
炎三四郎 田宮
日高加月枝 谷田婦長
小谷野美智子 坂本看護婦
中村伸郎 矢部教授
川内悦子 受付嬢
中原健 中本
佐山真次 安田
木島進介 助手
岡幸四郎 インターン
夏川圭一 インターン
中館慎吾 インターン
杉森麟 執刀医

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

テレビで放映された同名作品の映画化。原作・脚本は「昭和元禄 TOKYO196X年」以来、映画から遠ざかっていた倉本聰。監督は「太陽は見た」の井上芳夫。撮影は「タリラリラン高校生」の中川芳久がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

大和造船所の設計技師増子一郎は、仕事に忙殺され、正一のことは、妹の弓子に任せたままだった。一郎の出張中、正一は身体の異状を訴え、弓子はすぐかかりつけの和田小児科病院へ連れていったか、詳しい原因が判らぬまま、大学病院に移された。精密検査の結果、木口博士の口から殆んど助かることのない癌であることが一郎に伝えられた。悪くて一、二ヵ月、もちこたえたとしても三ヵ月の生命であり、手術をしてもその可能性は零コンマ以下の確率でしかないという。再婚を間近に控えた一郎には悪夢を見ているようで信じられなかった。そして、この恐ろしい現実が確かなものであると知ったとき、彼の胸に苦い後悔が押し寄せてきた。正一の書いた新しい家の設計図を、仕事を理由に見てやらなかったことも、そして二ヵ月も前に、正一が腹部にしこりができているという訴えをなま返事で聞き流していたことも、すべてが彼を苦しめずにはおかなかった。一郎は、休職願いを出し、正一に残された時間を一緒に過ごそうと決心した。彼は、かつて、正一の担任教師大石から、正一は青い海を見たことがないということを聞かされ、土佐の真っ青な海を見に連れていくことにした。正一は狂喜し、はしゃぎ廻った。しかし時間は流れ、何の奇蹟も起こらないまま正一は静かに死んでいった。彼に残されたものは、黒い海しか書けなかった正一が、土佐の真っ青な海を描いた絵だけだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1971年5月下旬号

特別グラビア:「君は海を見たか」の井上芳夫

2014/07/06

2014/07/06

60点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


海の絵

導入部が秀逸である。天知茂の深刻な父親振りには正直疲れてしまう。妹役が良かった。

2014/04/25

2014/04/26

80点

テレビ 


不治の病に侵された子供と向き合う父親の苦悩

ネタバレ

 妻を亡くし十一歳になる一人息子・正一(山本善郎)を持つ増子一郎(天地茂)は、技術主任として足摺岬の海中展望塔の建設のため多忙を極めている。それでも再婚を決意し家を新築する計画でいるが、生活の方も妹のユミコ(寺田路恵)に任せきりで、正一の相手をする余裕などもまったくなかった。ある時、正一が腹部にしこりのようなものがあると訴えたため、念のため病院で診てもらうが、医者からはさらに大きい病院での精密検査を薦められる。検査の結果、正一はガンに侵されており残り3か月の命であることがわかる。僅かの余命しかない息子とどう向き合うか。そしてなにができるのか。一郎の父親としての苦悩が始まる。

 自分の子供の死・・それもガンによる時間的猶予が限られた死・・に直面するという極めて深刻なテーマである。人はそれをどうしのいでいけばよいのか。父親は会社に長期休暇の願いを出す。限られた時間を子供とともに過ごす。そして子供が憧れていた四国の青い海を一緒に見に行く。
 しかしどのようにしても、幼くして亡くなった子供に対し必ず悔いは残る。そして亡くなった後にそれはますます深まっていくかのようにさえ見える。安手のヒューマニズムなど寄せ付けない、人間が生きていくことの重苦しさに息が詰まる思いだ。原作者・倉本聰はここでも人間の実相を直視したシナリオで我々の日常に大きな問題を投げかける。

2014/02/09

2014/02/09

60点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


不器用な父親像

ネタバレ

 残念ながらドラマ版未見のため、天知茂の父親役が割と新鮮で、すっと物語に入っていけました。
 妻が亡くなって父ひとり子ひとりではあるものの仕事優先で息子の面倒を妹に頼りきっていたら、息子が不治の病に…。テーマとしてはありきたりかもしれないですが高度成長イケイケの時代だったことを考えるとまた見ごたえが。
 父親が子とどう向き合うかというテーマは倉本聰がこのあと「北の国から」で掘り下げてゆくのでその原点だと思えば興味深いです。
 恐れていた事態が発覚する土佐清水での場面は、鮮烈。
 子どもへの対応だけでなく妹や婚約者への対応もそれぞれ「おいおい」って感じなのは1970年代前半と考えると仕方ないのかなあ(苦笑

2013/02/19

2013/02/19

50点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


難病もの

ネタバレ

 倉本聰がテレビドラマでえがいた難病ものを、舞台を高知県に移して、映画化している。基本的な筋立ては同じなので、新しい発見はないが、子供が自分の病気が進行したことに気付くシーンがショッキングだ。トイレに入った子供は大喜びで父を呼ぶ。和風便器に残された尿は真っ赤な血尿なのだ。このシーンは上手いと思った。筆者は難病ものが苦手なのだが、本作は、比較的物語に入り込みやすかった。天知茂が父親だからかも知れない。

2000/11/25

2012/03/16

30点

レンタル 


映画がテレビに負けちゃった

テレビドラマと同じ倉本聡の脚本とは思えないほど、ちょっと大げさで芝居がかった残念な映画になってしまいました。ショーケンと天知茂では、描き方も違うでしょうし、テレビと同じでは映画を作った意味もないのはその通りなのですが、テレビと違った良いところがひとつも見つかりませんでした。それに、テレビドラマの方が、長い時間をかけてじっくり描けたぶん感動が伝わってきたのもあるけれど。映画版は、テレビのダイジェストみたいになって、ちょっと損をしたようです。それにしても、結果としては、映画がテレビに負けちゃった・・というところでしょうか。