原作は、石原慎太郎の教育啓蒙書「スパルタ教育」(1969)で、
それを元にストーリーを創作した作品。
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子供にも厳しく悪事にも毅然とした態度であたる大人の姿を、
公正さを象徴するアンパイアという設定を通して描いた映画。
石原慎太郎原作だから、
とにかくスパルタ絶賛で子供の人権なんて無視して構わないという内容かと思いきや、
そんな無茶なことはなく、それなりに子供や若者の立場にも立っている。
とはいえ、結局は教育に対して主張しているだけの映画という印象で、映画としての面白味は無い。
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【あらすじ】
主人公(石原裕次郎)は後輩にもきびしいプロ野球の審判員で、日曜も仕事でナイターで帰りは遅く、起きるのも遅くて5人の子供と触れ合う時間が少なかった。
同僚が危篤状態になり、彼の娘(有川由紀)を呼びに学園紛争中の高校に乗り込んで無理やり連れ去り、それがきっかけでその高校生たちの指導を頼まれ、シンナー遊びなどにも毅然とした態度で応対した。
子供たちの成績が下がっていたずらにも明け暮れ、一緒にいてくれないことに文句を言われた裕次郎は、妻(若尾文子)まかせだった子育てを、一転自らスパルタ式教育を施した。
そんな父親が判定をめぐって突き倒され観客にも野次られて翌朝飲んだくれて帰ってきたのを見てがっかりした子供たちは、夏休みで母と有川と共に裕次郎の父(田崎潤)の実家に行った。
しかし、その町で暴れ回って住民たちと対立していた不良たちが、田崎の家に乗り込んで人質に有川を連れ去っていった。
翌朝、裕次郎が来て不良たちに立ち向かって有川を助け、それを見た子供たちは父を尊敬するようになった。
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(以上、2007年の鑑賞時に書いた文章に、
加筆&訂正をしたもの)
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【基本情報の訂正】
アスペクト比(スクリーンサイズ)がアメリカンビス(1:1.85)
になっているが、
日活のサイトを見るとシネマスコープ(1:2.35)と書かれている。