高校生ブルース

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高校生ブルース

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レビューの数

13

平均評点

55.0(51人)

観たひと

84

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル エロス
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970/8/22
上映時間 83分
製作会社 大映東京
配給 ダイニチ映配
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督帯盛迪彦 
脚本伊藤昌洋 
原作柴田成人 
企画藤井浩明 
仲野和正 
撮影喜多崎晃 
美術山口煕 
音楽伊部晴美 
録音高橋温生 
照明上原正一 
編集中静達治 
スチル椎名勇 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演関根恵子 北原美子
内田喜郎 加藤昇
伊藤幸子 美子の母
堀雄二 佐伯
篠田三郎 五十嵐
八並映子 トシ子
浅見ちづ子 明美
成瀬亜紀子 恵子
川内悦子 礼子

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

話題の新人関根恵子が主演する“レモンセックス路線”の第一作。脚本はこれが第一作目の伊藤昌洋。監督は「十代の妊娠」の帯盛迪彦、撮影は「ガメラ対大魔獣ジャイガー」の喜多崎晃がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

十六歳の美子は人間が食欲を感じることと同じ自然さで、クラスメイトの昇と、薄暗い体育倉庫で肉体関係を結ぶ。美子の性に対する知識は無知に近く、昇に生理のことを聞かれるまで自分の体内に変化があることに気がつかなかった。それを決定的にしたのは、体操の時間に吐きけをもよおしてからだった。昇との気の遠くなるような恍惚感を共なう営みの結果が妊娠という厳粛な恐ろしい事実を招くとは、美子には信じられなかった。それは彼女の全存在を根底から揺がす衝撃的な出来事であった。それにも増して、昇は狼狽した。昇は、なんとしても堕さねばならないと思ったが、初めての経験でなす術もわからぬまま相談相手も見つからず窮地に追いこまれていった。それでも昇は、クラスで性の権威と目される五十嵐に相談したり、学校から帰ると、こっそり兄の背広を着て産婦人科の前をうろついたり、また本屋で、性生活とか出産、育児とかいった本を立ち読みしては、周囲の大人たちからうさんくさい目でみられ、急ぎ足で引き返すようなうしろめたい日々が続いた。一方美子は、新しい生命の存在を実感しながら、その心理に大きな変化が頭をもたげつつあった。それは自らの出生にまつわる何か不確かな疑惑であった。自分が父と母との快楽の果てに産みおとされたと考えるや否や、自分の存在にたまらなく自己嫌悪を感じた。その頃、いても立ってもいられなくなった昇は、患者のいそうもない産婦人科を見つけて、やっとのことで事情を話した。翌日から昇は医師から教えられた一万五千円の中絶費用を作り出すために、家族にわからぬように牛乳配達のアルバイトを始め、美子への責任を果たそうとした。美子はお腹の赤ん坊を堕す決心をし、ちょうど昇と関係をもってから三ヵ月目に、昇を体育倉庫に連れていった。不安に怯える昇に、美子はマットの上に横になり「私のお腹を思いきり踏みつけて」と告げるようにいった。昇は非人間的な行為からくる戦慄と、一抹の安堵感とで狼狽するが、美子の声にあやつられ夢中で美子の下腹部を踏んだ。激しい腹痛に襲われながらも一人で家までたどりついた美子の様子にあわてふためいた母は、医者から「流産です」と言われ昂奮のあまり泣き伏してしまった。やがて元気を取りもどした美子だが、一人になると短期間に重りすぎた悲しみが出口を見つけて一気に美子を襲った。美子はベッドの上で身をよじり、烈しく涙を流した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1970年9月下旬号

日本映画紹介:高校生ブルース

2023/07/27

2023/07/28

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


「思いっきりお腹を踏みつけて! 高校生がママになるなんて…… 高校生自身がレポートした衝撃の映画!」

関根恵子のデビュー作。
当時15歳でフルヌード。
15歳には見えない大人びた感じ。
高校生の青さが痛い。
心も痛いが物理的にも痛い。

2020/08/17

2020/08/17

30点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


十代の妊娠をテーマにした関根恵子のデビュー作。
とにかく脚本が酷い。特に流産するため自分の腹を蹴らせるなんて、いくら16歳の子供でもそんな乱暴な発想は無いだろう。
美人だが本作の関根恵子はムスッとした表情が多く、彼女の魅力が生かされているとは思えなかった。
ウルトラマンタロウの篠田三郎が無精髭の高校生役で好演。この頃から芝居は上手かったな。

2019/09/12

2020/03/30

40点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


男の発想による解決策

ラピュタ阿佐ヶ谷のレイトショー“大映青春篇 恵子・レモンの頃”と題した関根恵子主演作特集、彼女のデビュー作「高校生ブルース」は、ほぼ同世代のわたくしにとっては高校1年生の時に公開された映画で、正直なところ馬鹿にして観る気も起きず、今の今まで観逃していましたが、いかにも男性的発想のお話でした。
原作はどうやらティーン向けの小説のようで、脚本を書いた伊藤昌洋は東宝争議の中心的人物・伊藤武郎の息子(父と東宝争議について書いた本を読んだ事があります)。凡庸な脚本だと思って観ていたら、終盤近く、妊娠中の関根が“私は産んでもいい。父親が誰かバレてもいい”と居直るあたり面白くなりました。
関根恵子が居直ると、キャラクターに増村保造映画のような図太さが出てきて、映画が面白くなりそうな気がするし、じじつそれまでクローズアップを多用するばかりで凡庸に思えた帯盛迪彦の演出も、舞台設定を美術教室の彫刻だらけの部屋に据え、ちょっと面白い画面を作りましたが、終盤の展開にはガッカリしました。
一度は居直ったかに思えた関根恵子が結局選び取った自ら流産するという道は、女の子が自分で選ぶとは到底思えぬ男の発想による解決策に思え、帯盛迪彦の限界が露呈していました。関根恵子自身は、初主演作として十分に頑張っていたとは思います。

1990年代

2018/06/14

60点

レンタル 


無題

20年ほど前、ビデオレンタルで借りて鑑賞。

何といっても、当時15歳の関根恵子が上半身裸で初体験シーンを体当たりで演じた衝撃のデビュー作。
キャストも「高校生番長」シリーズから登板している俳優もいて、篠田三郎は髭を生やして「番長」に見えるは、小野川公三郎はメガネをかけて「ガリ勉」風。八並映子の出番が少なめなのが惜しい気も。

ちなみに、当初ヒロインは南美川洋子をキャスティングしていたそうで、当の南美川は台本を読んで、「会社に見捨てられた」とショックを受けて降板を申し出たそうだ。
そして、後年高橋惠子がインタビューで「当初予定されていた女優さんが怪我で降板して…」と語っていたと知って驚いたとのこと。
確かに、この作品を観る限りでは、南美川さんの気持ちもわかる気がする。「十代の妊娠」がギリギリのところだろう。
南美川と関根の共演作品が作られなかったのも、そうした背景があるのでは?とにらんでいる。

この作品のヒットで、大映は「レモンセックス路線」の映画を量産することになるのだった。

2018/02/09

2018/02/09

-点

映画館/東京都/新文芸坐 

『高校生ブルース』。役柄と同じ年代の関根恵子が主演。ヌードを惜しげもなく見せる大胆な演技。相手役の内田喜郎はおどおどした感じを表現している。女って強い。なんと内田喜郎に自分の下腹部をストンピング攻撃させる。同級生役の篠田三郎は当時二十歳を超えてたので高校生には見えない。

2018/02/09

2018/02/09

55点

映画館/東京都/新文芸坐 


大人の存在感が希薄


15歳で新人の関根惠子という脱ぎっぷりの良い女優を得て、50年代の「性典シリーズ」の流れをくむ本作品がつくられたのではと思われます。

性典シリーズは題名のケバさに比べて、内容はまじめだったみたいですが、本作品は時代も進み、性の表現も緩和され、題名は青春学園ドラマ風ですが、高校生のおそらく一番の関心事である性に対する内容で、かなり直接的なセリフや描写が取り入れられています。

妊娠についての指南書的な内容もあって、物議も醸し出したと思いますが、興味本位のみのスタンスで挑んでいないので、年月を経ても、鑑賞に耐えられる仕上がりになっています。