赤い家

あかいいえ|The Red House|The Red House

赤い家

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レビューの数

7

平均評点

63.1(18人)

観たひと

26

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1947
公開年月日 1948/8
上映時間 100分
製作会社 ユナイテッド・アーチスツ映画
配給
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「肉体と幻想」「緑のそよ風」のエドワード・G・ロビンソンが新人ロン・マッカリスターと共に主演する映画で、「我等の町」のソル・レッサーが製作したもの。サタデイ・イヴニング・ポスト所載のジョージ・アグニュー・チェンバーレイン作の小説に基づき、「ハリウッド玉手箱」のデルマー・デイヴスが脚色監督し、「我等の町」のバート・グレノンが撮影している。助演者は「ローラ殺人事件」のジュディス・アンダーソン、無名より抜てきされた三人の新人アリーン・ロバーツ、ジュリー・ロンドン、ロリイ・カルフーンおよびオナ・マンスン等で、音楽は「失われた週末」のミクロス・ローザが作曲した。1947年度である。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

足の不自由なピート・モーガンは、オックスヘッド森の近くに、広い農場を持っている。森も彼の所有地であり、人を雇いさえるれば、手広く耕作もできるのに、偏屈者の彼は妹のエレンと養女メッグと三人暮らしをしている。メッグは学校友達のナス・ストームに手伝ってもらうように、養父に勧める。ピートは余り気が進まなかったが、エレンも口添えするのでナスを雇う。メッグもエレンもさびしさがまぎれて大喜びだ。数日後、ナスはオックスヘッド森を通り抜けて、近道して帰ろうというと、ピートは大反対し、気味の悪い目にあうから絶対通るなという。そのため却って好奇心をそそられ、ある晩通ろうとすると奇妙な音やピートに似た気味の悪い声に、おびえて逃げ出してしまう。そして二度目にはこん棒を持った巨人に殴られる。物心ついて以来、森に入ったことのないメッグは、ピートの挙動を怪しみ、ナスを襲ったのも彼ではないかと疑う。そして日曜日に、メッグはナス及び友達のティビー・リントンと三人で、森の探検に出かける。探検は成功しなかった。それを知ったピートが激怒して、テラーに侵入者には発砲しろと命令したからだ。テラーはピート・モーガンに森の番人として雇われている男で、ナスを襲ったのも彼であった。しかし若い者同士は親しみやすく、ティビーとテラーは、メッグとナス同様、愛し合う仲となったのである。ピートは物狂わしい挙動が多く、ナスとメッグの仲を嫉妬し、ナスを追い立ててしまう。エレンは兄が発狂するのではないかと思い、ある日石油とボロ布とマッチを持って森の中に入る。森の中の赤い家を焼払って兄の悩みの種を葬ってしまおうというつもりなのだ。ところがテラーがおどしのために射った弾丸を胸に受けて倒れる。死に臨んだエレンはメッグとナスに赤い家の秘密を語った。数年の昔、メッグの母親ジーニイを恋していたピート・モーガンは嫉妬からメッグの父を殺して誤ってジーニイも殺してしまったのである。2人の死体を2人乗馬車に積み馬にむちをくれて、馬車もろ共に底無しのどろ沼に追い込んだ。ーこの話しを終わるとエレンは息をひきとった。既に気の触れていたピートはメッグと共にトラックで赤い家へ出かける。ナスが森でテラーを探していると彼女をだましたのである。警官を連れて来たナスは、赤い家へ急いで母と同じ運命に陥ろうとしていたメッグを救う。警官の弾丸に傷いたピート・モーガンは、トラックに飛び乗ると全速力で底無しの沼に向かって走らせた。

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2022/07/14

2022/07/14

70点

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ニューロティック・サスペンス

ネタバレ

2022年7月14日に鑑賞。DVDにて。1時間40分02秒。スタンダード・黒白。THALIA PRODUCTIONS=ユナイト映画。

エドワード・G・ロビンソンがこの役とは。メグ役のアリーン・ロバーツが可愛い。「武装市街」(1950)も娘役です。

メグの母親はジーニー(ジュヌヴィエーヴ)である。ピート・モーガンと妹エレン・モーガンは「メグの両親はメグを預けて南へ農場を捜しに行ったが、事故で亡くなり、メグが2歳の時に養女にした」と言う。

メグの父親は誰なのか?エレン「ネイス(・ストーム)をまた雇ったら。メグに友人が必要よ。ネイスはいい子よ」ピート「ハーブの時もそう言ったな。15年前、俺はジニーと結婚するために一生懸命働いていた」→メグがジーニーとピートの娘なら、ピートは自分の娘だと言うだろう。と言うことは、メグはジーニーとハーブの娘なんだ。

ピートが結婚しようとしていたジーニーをハーブに取られて赤ん坊が生まれた。彼らは森の奥の「赤い家」と隣の「氷室」に住んでいた。ジーニーに復縁を迫ったピートが赤い家に行き、ジーニーの悲鳴を止めよう窒息死させてしまい、帰宅したハーブも殺し、死体を馬車に乗せて隣の氷室に入れると、床が陥没していて馬車ごと水没してしまった。赤ん坊のメグを救い出してエレンと一緒に育てた。赤い家から帰る途中でピートは崖から落下して片脚を失った(赤ん坊を抱いていただろうから、この設定は無理がある)治療に来た医師バーンとエレンは恋仲になるが、あきらめて兄ピートの世話に一生を捧げている。

画面では、監督・脚本:Delmer Daves、原作小説:George Agnew Chamberlain、撮影:Bert Glennon、音楽:Miklos Rozsa である。

出演は、Edward G. Robinson(ピート・モーガン)、Judith Anderson(妹エレン・モーガン/「レベッカ」[1940]の怖い家政婦が代表作)、Alene Roberts(メグ・モーガン)、Lon McGallister(ネイス・ストーム)、Julie London(ティビー・レントン/裕福な牧場の娘/ネイスの彼女)、Rory Calhoun(猟師テラー/ピートの森の森番)、Harry Shannon(バーン医師)、Ona Munson(ストーム夫人)、Walter Sande(ドン・グレン/ストーム夫人の再婚相手)、Arthur space(保安官)ほか。

2019/12/07

2019/12/07

75点

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シンプルミステリーに終わらず。

デルマー・デイヴィス監督による、森の秘密・ミステリー。
🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲🌳 🏠 🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲🌳🌲
モーガン兄妹は、深い森奥の農場で暮らしている。兄妹に育てられた養女メグは、子供の頃より森には近寄らないように言われていたが・・・。

(本作中、非現実の例えで「ロケットで月へ行く夢」と言っているが、22年後に実現してしまいました。)
(わかりやすい映画と思いきや、終盤急展開、予想を反してダークなストーリーとなりました。)

2019/10/09

2019/10/09

80点

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なかなか面白いサスペンス映画

深い闇のような森の中に「過去の秘密」が封じ込められていることが、だんだんと判って来て、ハラハラドキドキするサスペンス映画。
主演は、エドワード・G・ロビンソン。一見優しく見える男が、実は恐ろしい人間だったりするのを見事に演じている。
監督は、デルマー・デイヴス。ヒッチコックの『レベッカ』で恐ろしい存在感を見せたジュディス・アンダーソンも本作に出演。

この映画、高校生たちがスクールバスで通学している場面から始まる。
そして、のどかに見える農場に住む女子生徒メグ(アリーン・ロバーツ)が学友の男子生徒ネイス(ロン・マカリスター)を自分の義父ピート(エドワード・G・ロビンソン)に「彼に農場を手伝ってもらって!時給○○ドルで…」ということで、ピートの農場で平日午後は働くことになったネイス。
しかし、このネイスには派手な女子生徒ティビー(ジュリー・ロンドン)なる恋人がいる。メグはそれも知っての上で…。

ネイスが農場で働いて、夜遅くなったので「森の中が近道だから、森を通って帰る」というネイスに対して、ピートはなぜか「森の中を通るのは止めろ!」を繰り返す。
このあたりで「森に何か謎があるな…」と思っていると、ピートいわく「赤い家からの声が聞こえても知らんぞ」というセリフ。ますます森の中が怪しい予感。
更に、森の入口には「立ち入るな、危険!」の立て看板まである。

ピートには同居している同年代の女性エレン(ジュディス・アンダーソン)がいる。最初、彼らは夫婦かと思ったら、兄妹だった。これまた謎…。
優しい男だと思っていたピートが、ネイスたちが森に入ったりするうちに、だんだんと錯乱状態になってくるあたりが怖い。
そして、ピートは養女のメグのことを「ジィニー」と呼ぶ。「なんだコレは…?」と思っていると、メグがピートに「ジィニーって誰?」と尋ねる。更に謎が深まって行く…。

このあとも物語は続くのだが、怖い怖い展開になっていくので、この辺で止めておく…(笑)

しかし、こんなに不気味さ漂う映画が、あまり有名作品とならずに存在しているので「映画の世界は深いなぁ…」と思う。

そもそも、この映画、サスペンス映画にも詳しい作家(映画評論家)の川本三郎さんの著書「サスペンス映画ここにあり」で紹介されている1本であるが、本作を観終わるまでは川本三郎さんのその本の『赤い家』のページを読むことができなかった。ようやく読める(笑)
この本で紹介されている55本のサスペンス映画を全作観るのを(とりあえずの)目標にしているが、なかなか観るのが難しい作品が残っている…。
川本三郎さんの本で紹介作品の1本になっていなかったら、この映画を観ていなかったかも知れない。感謝です。

2007/04/11

2014/01/12

79点

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デルマー・デイヴィス

後年、トロイ・ドナヒューあたりの専門監督みたいだったデイヴィス監督。
当時の映画ノートを引っ張り出すと、この監督の1,2の作品かと書いてある。
「レベッカ」に似た雰囲気もあり、当時はやりのニューロティック(神経症的)作品。
ジュディス・アンダーソンが出てるせいか。
心理サスペンス・ミステリーと評しています。
歌手として有名なジュリー・ロンドンの美しい姿を拝める。
  *彼女をスクリーンで見たのは、1967年新宿劇場「0011ナポレオン・ソロ ミニコプター作戦」のゲスト出演。
   当時、もうオバサンでしたがロバート・ヴォーンとキスシーンがありました。
   この頃、このシリーズはお色気が減退していたこともあり、何だかホッとしたのを覚えています。
   私は中学2年生でした。
   このナポソロはテレビものかもしれないのだが、劇場公開版は微妙にお色気場面を追加したヴァージョンのものもあり、はっきりと区別できません・・・。

2013/10/14

2013/10/14

40点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


古いだけで良いとは限らない

限定されたロケ地と、ほぼバラックのセットで済んでおり、極めて低予算で仕上がった作品と見てとれる。
従って登場人物も、くせ者のE・G・ロビンソンの他は若手中心でギャラもさほどかかっていないと思う。

そして、おそらくスタッフ関連の経費もかけなかったと思われ、この時代の作品としては、やや長尺になってしまっている割には、平板的なストーリー展開でメリハリの利かない作品どまりになってしまっている。
又、E・G・ロビンソンのキャラクターにおんぶして、性格付けのしっかりした役づくりをさせていないため、ただ気持ちの悪い老人役で終わってしまっていて勿体ない。

2012/12/19

2012/12/20

70点

購入/DVD 

目の表情で好々爺と異常者を演じ分けるエドワード・G・ロビンソンと怪しげな暗い森の雰囲気が秀逸な心理スリラー。
ヒロイン役のアレン・ロバーツの清純さも然る事乍ら、あばずれカップルを演じるデビュー間もないジュリー・ロンドンとロリー・カルホーンの妖しい色気も注目。