日本女侠伝 真赤な度胸花

にほんじょきょうでんまっかなどきょうばな|----|----

日本女侠伝 真赤な度胸花

amazon
レビューの数

8

平均評点

64.2(31人)

観たひと

42

観たいひと

6

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970/1/9
上映時間 94分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督降旗康男 
脚本笠原和夫 
企画俊藤浩滋 
日下部五朗 
撮影古谷伸 
美術井川徳道 
音楽八木正生 
録音渡部芳丈 
照明和多田弘 
編集宮本信太郎 
スチール藤本武 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演藤純子 松尾雪
小沢栄太郎 松尾兼之助
石山健二郎 陣之内七兵街
山本麟一 トッカリ松
小松方正 小杉信作
五十嵐義弘 マキリ
浅松三紀子 ピリカ
山城新伍 益川源次
橘ますみ お梅
香川雅人 吾市
三島ゆり子 お玉
牧淳子 八千代
丸平峰子 お駒
紅かおる 若江
清水元 古賀
高野真二 木島
小田真士 岩井
那須伸太朗 村上
世羅豊 戸川
唐沢民賢 亥之吉
森敏光 重助
椿竜之介 万平
中村錦司 本田署長
天津敏 大野金次郎
林彰太郎 鬼常
名和宏 竜神安
三国一太郎 ガン留
笹木俊志 喜代蔵
宍戸大全 仙八
遠藤辰雄 向井三蔵
矢奈木邦二郎 井上
蓑和田良太 坂田
大城泰 榎本
大河内広太郎 桑原
高森和子 風見志津
徳大寺伸 風見周平
村居京之輔 郡長
高倉健 風見五郎

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「日本暗殺秘録」の笠原和夫が脚本を書き、「新網走番外地 流人岬の血斗」の降旗康男が監督したシリーズ第二作。撮影は、「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」の古谷伸が担当した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

開拓期。北海道札幌。博労総代の松尾兼之助は、馬市の利権をめぐって、博徒大野金次郎の子分に射殺された。それを目撃した飼子頭の源次を捕えた大金は、源次を脅迫して博労総代に立てた。一方松尾の番頭七兵衛は、兼之助の遺言通り、松尾の一人娘・雪を九州から呼び寄せ、後継者になるように説得したが、雪は断わった。しかし、兼之助の遺書を見て、父の跡をつぐ決心をした。理事会の表決は割れて、黒白をつけるには、行方不明の理事風見五郎の一票が必要になった。木島牧場が大金一家に放火されたのは、そんな頃だった。暴走した馬を追う雪を底なし沼から救ったのは、風見五郎だった。五郎の父周平は昔兼之助と広大な土地をめぐって争い、敗れた周平は、自害したのだった。七兵衛から一切を聞いた雪は茫然とした。そんな時、源次が大金一家から逃れて来た。これを機に松尾派は源次を証人に立て、理事会開催を進めた。一方、大金一家もこれを潰すべく、子分を集めた。源次が大金一家に殺されたのはそんな折だった。数百人の子分を集めた大金は、警察署を占領した。大金一家の悪どいやり方に業をにやした五郎は、恨みも忘れ、雪の正義感に心うたれ助力を申し出た。銃を手にした雪と五郎を先頭に、一同は警察署に殴り込み、激闘の末、大金を倒した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020/04/22

2021/12/04

65点

選択しない 


今度は北の大地で馬喰だ

 「日本女侠伝」二作目は明治末期の北海道が舞台であります。開拓といふ名の略奪侵略行為が行はれてゐた頃でせう。即ち一転して西部劇風のアクション映画に仕上つてゐます。荒唐無稽。降旗康男監督作品。脚本は笠原和夫が担当。

 博労総代の松尾(小沢栄太郎)は、対立する大野(天津敏)配下に殺害されます。総代の後釜に呼ばれたのが、九州からやつて来た一人娘の松尾雪(藤純子)。一旦は総代を継ぐのを断る雪でしたが、父の遺した文書から経緯を知り受諾します。
 一方大野側は源次(山城新伍)を立てる。源次は松尾殺害時に現場に居合せたため、大野に拉致され監禁されてゐました。表決は大野側5名に対し松尾側が一名理事が少なく4名しかゐません。理事長(清水元)が自ら松尾側に一票投じて、辛うじて引分、継続審議みたいになります。

 その欠けた一名といふのが風見五郎(高倉健)で、かつて彼の父(徳大寺伸)は雪の父と対立して自害してゐます。開拓の手段として農業か馬喰かで争つてゐまのでした。それで五郎は恨みをもつて牧場へ戻つてきます。理事長は歓迎するが、父の仇をとつて復讐するといふ五郎の言葉に困惑するのです。かなり険悪な態度。完全に復讐モードに入り、とても友好的な雰囲気にはなりません。
 しかし大野たちの嫌がらせ行為はエスカレートし、遂には警察署まで占拠する無法ぶり。余りの非道さに五郎は怒り、雪たちの側に付くのでした......

 といふ事で、前作とはがらりと雰囲気が変つてゐます。馬賊芸者から馬喰へ。シリーズものとはいへ、「緋牡丹のお竜」とは違つて毎回藤純子の役名は違ひます。舞台も北九州から北海道へと変り、和風西部劇に任侠映画が絡む感じであります。
 健さんは今回も主役を喰ふ存在感。しかし藤純子も負けずにドスやライフルを駆使して戦闘します。前回の芸者は踊るだけでクライマックスは健さんに任せつきりだつたので、観客が不満に思つたのでせうか。いづれにせよ、結論からいふと彼女は何を演じても絵になる、スタア女優だなと。

 ワルの頭領はお馴染み天津敏。あまりのあくどさに仲間の筈の遠藤辰雄さへ諫める場面もあります。無論最後は高倉・藤のタッグに敗れ、無様に死ぬ訳ですが。
 今回高倉健は死にません。総代を断り旅に出ると宣言した藤が追ひかけるのですが、この後二人がどうなるのかは分かりませんね。結ばれるといふ保証はなく、観客の想像は色々と膨らむ訳です。

 やや雑なホンと一本調子の演出ですが、役者陣(石山健二郎、山本麟一、小松方正らが特に良い)の奮闘で、見られる作品になつてゐると存じます。しかし血は出過ぎですねえ。ドバドバ。

2020/09/18

2020/09/19

64点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


無国籍映画

日本女侠伝の第2作。再見。
共演は第1作と同じく高倉健。舞台は九州から北海道へ移る。藤純子は、父親の跡を継いで馬喰になろうかという女性。馬の市の権利をめぐって、悪役天津敏と相対する。高倉健は、藤純子の父親に恨みを持つ男として登場。最初は、敵対するが、後に一緒に行動するようになる。
藤純子は、本作では一転して洋装姿。でも、やっぱり着物の方が似合うね。
北海道の雄大な風景を背景に、使われるのはライフルや銃。殴り込みも、短刀や刀ではなく、拳銃とライフルになる。藤純子も、市井の人にも関わらず、ライフルをぶっ放す。まるで、日活の「渡り鳥」シリーズのような無国籍アクションだが、日活のように乾いた映画にはならずに、湿った映画になるのは東映らしい。
ただ、物語展開に無理があるし、何だかとっ散らかったような珍品となってしまった。やはり、藤純子は着物がいいのではないか。

2020/09/14

2020/09/14

64点

レンタル 


珍しくハッピーエンド

ネタバレ

2020年9月14日に鑑賞。DVDにて。1時間34分17秒。シネマスコープ・カラー。監督補:原田隆司、助監督:篠原正秀、擬斗:谷明憲。[協力]十勝農業組合連合会、釧路市 吉永長吉郎。

他の出演者は、清水元、東竜子、志賀勝。志賀勝は台詞が2つある。屋根からライフルで高倉健を狙うが藤純子がショットガンで撃ち屋根から落下する見せ場がある。ノンタイトルだが、川谷拓三が出演している。台詞なし。天津敏の手下で黒い山高帽を被っている。ラストの銃撃戦で高倉健か純子に撃たれた死んだ。多分。そこまで画面に映らない(笑)次回作の「日本女侠伝 鉄火芸者」(1970)では、川谷拓三はタイトルに名前が出て台詞もある。

明治末年・北海道。帯広の近く「久壽里[クスリ]町役場」、元佐賀の鍋島藩の松尾兼之助(小沢栄太郎)は、開拓民の代表元秋月藩の風見周吉らが郡庁から借りていた土地を賄賂で払い下げを受けて、馬市場を始め「馬喰総代の鑑札」を得ていた。札幌から来た大野金次郎[ダイキン](天津敏)らが助役(遠藤達雄)と諮って、次期の馬喰総代を狙い馬市場を独占しようとし、松尾を狙撃する。佐賀から来た娘松尾雪(藤純子)は爺や陣之内七兵衛(石山健二郎)らと大野と対立する。理事会の総代選挙で5対5となり、もう一人の理事の風見五郎(高倉健)が帰って来る。

だが、高倉健は松尾に土地を奪われ父親が割腹自殺し女郎になった姉も亡くなり、その恨みを晴らすため是が非でも馬市を潰そうとする。 

爺「開拓民の風見は資材を農民たちに分け与え切腹した」純子「自由と正義を守ると言っていた父がそんな卑劣な手段を。私が命を賭けて守ろうとした土地は、そんな穢れた土地だったんですね」理事長の医師「あの当時はそうしなければ・・・馬市が出来ていなければ、この町も北海道の馬産も」爺「旦那様がなさったことは、間違いではありません。旦那様を信じてあげてください」

純子「どうしてもあなたに力になって戴きたいのです」高倉健「おれはあんたの父親に追い出された者だぜ」純子「父は勝ち誇っていた訳ではありません。父もあなたのお父さんと同じように開拓民のために犠牲になった一人なんです」高倉「あんたは干したトウモロコシを食べられなかったな。残された姉は17歳、俺は12歳。貧乏な俺たちはあれをしゃぶって生きて来たんだ。姉は女郎屋へ俺は網走の牧場へ買われて行った」

高倉「俺がなぜ死ななかったか。姉は19歳で死に、この土地を1坪でも2坪でも買い戻してくれと、たった1圓札を握りしめて。ここは俺たちの土地なんだ。牧草地を掘り返して畑にしなきゃ、父と姉は浮かばれない。馬市だけはぶっつぶす」ここまで言った高倉がなぜ翻心したのか?

高倉が純子の側に立ったのだから、理事会でもう1回投票し馬喰総代の鑑札を純子が得れば、大野は敗れて馬市は開かれるのに、高倉と純子が殴り込みに行く。まあ、他の味方の理事たちが大野に警察署に監禁されて(高倉「後は皆殺しにされるだけだ」→まさか?)それを救い出すということだが。両者がバンバン、ライフルを撃ちあう。純子もショットガン?を撃ちまくる。このラストのアクションをしないとダメなんですね。純子は他にも「カラテ」のようなアクションを見せる。

純子「私は今日まで間違っていました。新しい町を作るには、父のしたことも正しいと思っていました。罪もない3人をあんなむごい姿で殺してしまった。父が命を賭けて切り拓いた土地を守るには、私の血を流すべきだったんです。これから覚悟を決めて戦います。誰にも助けは請いません。私が倒れたら後はお願いします」う~ん、ここは分からん。「あなたのお父さんもここクスリの開拓民のために血を流されたんです」ここの論理はちょっとこじつけです。

[一番ダメな所]
・山城新伍と妻お梅(橘ますみ)と少年とアイヌの男マキリが逃げるが大野らに殺される。お梅が首を撃たれて血が噴き出す。何と12秒間も血が噴き出す映像が続く。これは、ダメです。いくら「真っ赤な度胸花」ってタイトルでも。

・ラストで天津敏が撃たれる。血が噴き出し倒れる。ここも10秒間以上映像がある。これも要らないよ。

白樺林、外景の撮影が良い。ラストの断崖を空撮で撮った映像は素晴らしいです。北海道ロケの賜物です。

役場・木造二階建て、ポスター「一銭に笑う者は一銭に泣く 逓信省?」、松尾兼之助の墓「明治四拾年拾壱月貳日歿 行年六拾歳」

純子「父と私は20年も縁が切れています。佐賀を離れて20年・・・。8年前に母が死んで。私は志那大陸へ行こうと、満洲の日本人小学校に奉職することが決まり、来月は・・・ここに来たのは分骨して母の隣に・・・」

父の小屋、父の日誌、「痛憤断腸!」、種馬牧場、爺、純子が作った鍋(しょっぱい)に「ワシもましな三平汁(鮭の塩鍋)を作るのに3年かかりましたから」、山本麟一(トッカリ松)が手の平に「の」の字を書いた。「ヤキマナコ、あれが見えないのか」、高倉健の馬の乗りこなしは巧い。ラスト、純子は干してあった干しトウモロコシを2本取って去る。

2018/11/29

2018/12/04

70点

購入/DVD 


アクション女優?

任侠映画とは思えない西部劇調、というより日本でやってるからスキヤキ・ウェスタン、日活の無国籍アクション映画という趣。

シリーズ第一作の「侠客芸者」は藤純子が殴り込みをせずに、健さんの死に涙するというもの。藤純子が殴り込みしないんじゃカタルシスが無いじゃないか、と憤っただけに、今回は殴り込むんで結構、結構。そうこなくちゃ。

しかも北海道が舞台なら西部劇で行くかという趣向を変えたのも良かった。藤純子はバトルヒロインとして、他の女優と違うのは和風であること。着物で闘うなんて藤純子にしかできない。これで他の女優と差別化が出来るのである。

だから今回の洋装はホントは不満がある。しかし、それを乗り越えているのは、この映画を観たら藤純子が着物では出来ない空手で敵をやっつけるという殺陣が良い。スピードはないけど、きちんと決めている。セクシーが売り物のアクション映画でお姉ちゃんがやっているへなちょこな動きとはわけが違う。こういう格闘場面も着物を着ていると出来ないが、今回であれば出来る。だからこれも入れてみたのだろうと思う。そうでなけりゃ、舞台が沖縄じゃなくて、北海道に住んでいるのに空手を使うという趣向が判りません。トンファを持つ敵とも戦うぞ。

藤純子が引退せず、「燃えよドラゴン」以降もシリーズが続いていたら、もしかして志穂美悦子と共演して空手アクションを披露していたのではないか?そんな夢想をするのであった。

藤純子の魅力は和風バトルヒロインであることである。だが、今回の西部劇風任侠映画で、彼女は現代劇でのアクションものでもいけたのかも知れない。ガンを持つ様も結構決まっているし。

2017/06/13

2017/06/13

65点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


和製西部劇

博労の権利をめぐる争いに巻き込まれた跡継ぎの娘の話。
時代が明治末期とはいえ、警察を占拠したり、銃撃があったり、白昼堂々の実力行使(殺人)とストーリーが現実的的ではない。
藤純子と高倉健の魅力で見せる映画。
面白いのは小松方正の地元新聞の社主。緋牡丹シリーズの熊虎親分のような笑いを誘うキャラクター。

2015/06/13

2015/06/13

80点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


笠原和夫シナリオ

和風西部劇。