サード

さーど|A Boy Called Third Base|A Boy Called Third Base

サード

amazon
レビューの数

23

平均評点

75.2(142人)

観たひと

219

観たいひと

17

  • VODで観る

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1978
公開年月日 1978/3/25
上映時間 103分
製作会社 幻燈社=ATG
配給 ATG
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督東陽一 
脚本寺山修司 
原作軒上泊 
企画葛井欣士郎 
製作前田勝弘 
撮影川上皓市 
撮影助手小林達比古 
美術綾部郁郎 
美術助手渡辺正弘 
音楽田中未知 
録音久保田幸雄 
録音助手川嶋一義 
照明上村栄喜 
照明助手磯崎英範 
編集市原啓子 
衣裳東京衣裳企画室 
製作進行石川泰正 
助監督青池憲司 
スチル江西浩一 
協力坂本明郷 
大谷浩之 
星埜恵子 
高城哲 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演永島敏行 サード
吉田次昭 ?B
森下愛子 新聞部
志方亜紀子 テニス部
島倉千代子 おふくろ
内藤武敏 裁判官
峰岸徹 ヤクザ
片桐夕子 赤いセーター
西塚肇 短歌
根本豊 とべちん
池田史比古 アキラ
佐藤俊介 小指
鋤柄泰樹 漢字
水岡彰宏 異論
若松武 緘黙
飯塚真人 宮島
宇土幸一 イレズミ
渋谷茂 田中
尾上一久 吉田
藤本新吾 小山
岡本弘樹 ヨシミ
穂高稔 院長
市原清彦 主任
今村昭信 教官山辺
杉浦賢次 教官広田
清川正廣 教官鈴木
津川泉 教官小野
小林悦子 黄色いスカート
大室温子 サファリルック
秋川ゆか ムーヴィ
関口文子 チビ
角間進 
北原美智子 祭りの少女
品川博 宗教家

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

一人の少年院生が、少年と大人の狭間を彷徨しながらも、成熟に向って全力で走り抜ける姿を描く、軒上泊原作『九月の町』の映画化。脚本は「ボクサー」の寺山修司、監督は「日本妖怪伝 サトリ」の東陽一、撮影は川上皓市がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

関東朝日少年院は三方を沼で囲まれている。鉄格子の中で、少年達は朝早くから点呼、掃除、食事、探索等の日課を黙々とこなす。元高校野球の三塁手として活躍した通称サードもその少年達の一人であった。しかし、数日前、上級生のアキラがサードの優等生ぶりが気に入らずケンカをしかけたため、二人は単独室に入れられていた。ある日、サードの母が面会にやってくる。退院後の暮しをあれこれ心配する母に、サードは相変らず冷淡な態度を示すのだった。少年達が待ちこがれる社会福祉団体SBCがやってくる。三ヵ月に一度やって来るこの日だけが、若い女性に接する事ができるのである。SBCとのソフトボールの試合中、一人の少年が院に送られてくる。サードの仕事仲間で数学IIBだけが取得の、IIBと呼ばれている少年である。ある日、農場で一人の少年が逃走した。誰とも口をきかなかった、緘黙と呼ばれる少年である。その騒ぎにまぎれて院の生活に馴じめないIIBも逃走を図るが、やがて連れ戻される。サードはそんなIIBを殴り倒す。走っていくなら何処までも走れと、無言で語るサードの表情には、確固とした決意が読みとれた。サードの頭の中に在るのは、ここへ護送される途中に垣間見た、祭りの町を走り抜ける夢であった。彼が「九月の町」と名付けたその町は、彼が少年から大人へと成長する時に、彷徨しながら通りすぎる青春であった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1979年2月下旬決算特別号

特別カラー・グラビア:日本映画作品賞 「サード」

1978年4月上旬春の特別号

今号の問題作:サード

1978年3月下旬号

グラビア:サード

1978年3月上旬号

キネ旬試写室:サード

日本映画紹介:サード

1977年12月下旬号

グラビア:「サード」

1972年11月下旬号

DISK 「マクベス」にみるサード・イアー・バンドの思考:

2020/06/18

2020/06/19

90点

選択しない 


サード
と、聞くと、元野球少年だった自分は「4番」を連想する。
パワフルで、ここぞという時のハッスルプレー。そんな奴がサードを守る。
この永島敏行の恵体っぷりと、やらかした罪のそれはまさしく4番の仕事。
とにかく苛立っている。大人にも自分にも親にも仲間にも苛立っている。それはホームベースという本来持ち得る「ゴール」ないし「目標」がないからだ。完全に見失っている。
物語は饐えた臭いのしそうな前半から、青臭く青春の臭いのしそうな後半のグラデーションの見事さ。この順番でなきゃと思わせる。
後処理まで映す細かさとチャイムの音。性表現においてとことんリアル。この年代の女の子が平気で脱いでるのみるとやっぱ面食らう。
顔の表情ではなく乳に滴る汗で表現する感覚の鋭さ。
おならの話を続けるカミカミおじさんとかコミカルなシーンもあったし、ATG 寺山修司 と聞いて敬遠してたけど、こりゃ傑作。
答えを探し続けて走り続けるエンドロールのキレに驚く。
「自由になるとまた倦怠を感じた」

1982年

2020/06/15

100点

選択しない 

出演者の大半が新人か素人で台詞も何となくぎこちない。
田中未知の不安定な旋律が
重苦しいストーリーと妙に調和している。

この街を出て、どこかもっと大きな街へ行こう。
つまらない田舎の高校に通うサード(永島敏行)IIB (吉田次昭)
新聞部(森下愛子)テニス部(志方亜希子)は、つき合っているという
わけではないけれど、何となく気の合う仲間。
4人は、憂鬱な街から脱出するためにお金を稼ぐことにした。
新聞部が大根でも売るように、あっさりと「私たちの身体を売ろう」
と言う。
テニス部も何の屈託もなく「そうよ、身体を売ろうよ。私たちの」
狼狽する男達を巻き込むようにして始まった売春家業。
サードとIIBが客を見つけテニス部、新聞部が相手をする。
商売は軌道に乗ったかと思ったが・・・
新聞部が気に入って取った客が実はヤクザ(峰岸徹)でトラブルに。
暴行を受けたサードは思いもよらず、ヤクザを殴り殺してしまう。

少年院に入ったサードは、何かを求めて走り続ける。
そう、ホームベースを探して走り続けるしかない。自分のペースで。
少年院を出たら真っ先に、護送車の中から見た祭りの街、
9月の街へ行こう。
嫌がらせ、喧嘩、友人の自殺。様々な経験をしながらサードは
9月の街を思い描きながら今日も走り続ける。

最初、深夜のテレビ放送で「サード」を見たとき、確か高校に
入ったばかりの頃か、激しい衝撃を受けて、しばらく残像が離れなかった。
こんな身体の芯にまで衝撃を与える作品があるんだと、映画というものを
自分の中で再確認した。まさに当時の僕にとって、運命的な出会いであった。
すっかり、映画の魅力(サードという作品の魅力)に取り憑かれてしまって
映画監督になろうと上京して大学に(早稲田を志望したのはただそれだけの
理由だった)入ったのが懐かしい思い出。今では、すっかりただの
オヤジサラリーマンとなってしまったけれど、この作品を見るたびに
10代の瑞々しい感覚を思い出してしまう。

売春をする前に、バージンじゃあ嫌だからと、何となくパートナーと
なっていた4人は学校で初めての経験をする。
永嶋敏行と森下愛子の図書館での絡みも印象的であったが、吉田次昭が
行為の前に射精してしまい、志方亜希子が「つまんないな」と呟くシーンに
リアリティーと女の残酷さを知るのだった。しかし、一方では、あのときの
射精に、未熟ながらも可能性そして多くの選択肢ある若さのエネルギーをも
感じたのであった。

ホームベースのないランナーは走り続けるしかない。まだ若く単純な私は
その言葉に純粋に共感を覚え、走り続けるサードとともに自分も自分の
ペースで走り続ける決心をしたのだった。

感化されやすいと言われるかも知れないけれども、私にとって、今の人生を
歩むことになったのもこの作品があったからで、つまり、この作品を
知らなければ田舎から上京しようとも思わなかったわけで、そういった
意味からも「サード」は人生を変えた大切な作品である。

2020/05/04

2020/05/04

80点

購入/ブルーレイ 


ATGの雰囲気たっぷり

ネタバレ

今見るとほんとに当時の空気感を思い出す、貴重な一本。なにより、寺山修司の脚本が素晴らしいのか、その展開が実にリアルで日常ですごい。切り取った演出もすごいけど、なによりあの空気感を抑えた撮影録音照明は素晴らしい。決してメジャーなエンタメにはならないけど、ドキュメンタリーってだからいいんだよねって思わせる、ドラマだ。少年院の空気感も、あらためてブルーレイの高画質で見るとまざまざと蘇り、過去の映画をみているとはとても思えない臨場感。森下愛子はにっかつの映画よりも素敵です。

2019/07/03

83点

レンタル 


ホームベースのないランナー

青春時代の危うさ、儚さ、無力感を感じさせる作品で、全体を通して暗い印象を受けた。それぞれに登場人物がサードだったり新聞部だったりⅡBだったりと、やや冷たさを感じさせる愛称で呼ばれているのが独特だと思った。若き日の永島敏行や森下愛子の、自然体でいて青春の残酷さをうまく表現した演技も良かった。街を出る夢のために高校生が売春をするシーンのショッキングさと、誰でも当てはまりそうな初めてのセックスのぎこちなさのギャップ。そしてサードが何故殺人を犯したのかが分かるシーンの衝撃。サードが夢の中で見るホームベースがないままひたすら走り続ける光景が暗示するように、どこにも行き着く場所がない虚しさと、それでも止まることなく走り続ける疾走感が、暗闇の中に光る一筋の希望を感じさせる。

2019/04/24

2019/04/25

70点

購入/DVD 


寺山修司は、短歌好きですね。

東陽一 監督による、少年院・夢想・青春ドラマ。
少年院に収監されている、少年(あだ名=サード)の日常と過去が、
ドキュメンタリータッチで描かれる・・・。

(幻のホームベースは、鉄格子の外の世界。それは、サード(永島敏行)の未来なのですね。
そして、サードは、ホームベースを探しひた走る。)

2000年代

2019/04/16

75点

レンタル 


無骨な存在感

その昔に観たときは、主人公の鬱々とした心情にあんなに共鳴できたのに、大人になった今観ると、今ひとつピンとこない自分を発見。まぁそれも、当方もそれなりに齢を重ねたということだと今更ながらに実感する。

主人公の屈託した心象風景でもあろうグレートーンに沈んだ画面とともに、デビュー間もない永島敏行の無骨な存在感が印象に残るオーソドックスな青春譚だった。