東映のエロ芸者作品といえば、わたしの中では鈴木則文。過去にスクリーン内が爆笑に包まれた映画体験を覚えているせいか、それと比べると本作は物足りない。物語そのものだったり、小気味いい語り口は撮影所が培ってきた技術を感じるが、おもしろい映画ではなかった。野田幸男の監督作を続けて観てきた印象として、彼の魅力は細かなショットを繋げるテンポのよいアクションにある気がする。その意味でも本作の白眉は広間における芸者たちの騎馬戦からのとっ組み合いのケンカだろう。というか、その他のシーンが記憶に残りそうにない。
きっと、映画のクライマックス。芸者9番勝負がかったるかったからだろう。冒頭、芸者一族ながら就職し、一瞬でクビになる。あの勢いで終盤まで突っ切ってくれたら、また印象は変わっただろうに。