母娘監禁 牝<めす>

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母娘監禁 牝<めす>

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レビューの数

5

平均評点

71.1(32人)

観たひと

49

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル エロス
製作国 日本
製作年 1987
公開年月日 1987/2/28
上映時間 75分
製作会社 メリエス
配給 にっかつ
レイティング R指定
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督斉藤水丸 
脚本荒井晴彦 
原作西村望 
企画沖野晴久 
製作山田耕大 
プロデューサー半沢浩 
撮影鈴木耕一 
美術山崎美術 
音楽篠崎耕平 
録音映広音響 
照明宮崎清 
編集JKS 
アシスタントプロデューサー村尾典子 
助監督北浦嗣巳 
スチール西本敦夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演前川麻子 小林チヅル
加藤善博 石川実
石井きよみ ミサ
九十九こずえ ひろ子
梶谷直美 ミネコ
下井田育実 サチコ
河原さぶ 上野
本多菊次朗 タケシ
田辺広太 若い男
千葉裕子 サチコの母
上田耕一 小林敏治
吉川遊土 小林富子

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

同じ男たちに輪姦される母と娘の姿を描く。西村望の原作『紡がれる』を映画化したもので、脚本は「ベッド・イン」の荒井晴彦、監督は「人妻暴行マンション」の斉藤水丸(信幸改)、撮影は「部長の愛人 ピンクのストッキング」の鈴木耕一がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

小林チヅル、ミサ、サチコは仲のいい17歳の女高生だ。ある日、三人はデパートの屋上で待ち合せた。しかし、ミサは声をかけてきた見知らぬ男とホテルに入っていた。そして、約束の時間を少し遅れてチヅルがデパートに着くと、通行人が頭上を見上げて悲鳴をあげている。サチコが身投げしたのだ。サチコの葬儀も終った数日後、チヅルは机の上に遺書を残して家を出た。チヅルはテレクラで知り合った石川という男と会い、彼のアパートで関係する。チヅルは母に電話して遺書を取り消すと、そのまま石川のアパートに居すわった。無職の石川は金が底をつくと、ゲームセンターでひろ子という女をナンパし、友人の井上に金を取って抱かせた。石川は売春で金を稼ぐためにミネコという女を拾ってきた。石川はひろ子やミネコをチヅルの前で抱くので、彼女は耐えきれずアパートを出るが、行くあてもないので、すぐに戻ってしまう。ミネコもいなくなり、気嫌の悪い石川は、チヅルに友人のミサを呼び出させ、井上に紹介した。そんなことがあって、石川はチヅルにも売春を強要するようになった。石川に未練のなくなったチヅルは隙を見て逃げようとするがどうにもならない。そして、ある日、やっと母に連絡が取れて、迎えに来てもらうことになった。チヅルの母、富子が現れると、石川や上野は、チヅルのためにつぎ込んだ百万円を払え、さもなければ体で返せと迫った。チヅルに背を向けさせ、服を脱ぐ富子。一人、二人と石川の仲間が富子に押し入っていく。チヅルは数人目の男を相手にしている母を見たとき、母の手が男の腰をしっかりとつかんでいるのを見た。母は牝になっていたのだ。雨の中、解放された帰り道、母は自動販売機のジュースを飲む。チヅルはその姿を見て、差していた傘を放りだして走り去る。そして海の中で一人彷徨う彼女の姿があった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1987年4月下旬号

日本映画批評:母娘監禁・牝〈めす〉

1987年4月上旬号

日本映画紹介:母娘監禁・牝〈めす〉

2021/12/10

2021/12/29

60点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


「ひこうき雲」流れて……

主演の前川麻子がいい。とびきりの美少女ではないし、胸だって小さい。地方都市のどこにでもいそうな女子高生。

青空に飛んでいく風船と、落下する少女の切り返しにハッとさせられる。このシーンから映画の雰囲気ががらりと変わる。死にそびれこの世につなぎとめられた少女は、ダメ男と堕ちていく日々を選ぶ。ダメ男の一人、河原さぶの怪演も特筆ものだが、ダメ男はダメ男なりにきちんと描かれている。

娘を開放する条件に体をダメ男たちに自由にさせる母。「そっちを向いていなさい」という母の願いに顔を背け、怒りと悲しみで冷蔵庫の中に籠る少女。冷蔵庫は体内回帰願望の象徴、子宮の暗喩に他ならない。そう、母の凌辱シーンという陣痛を経て、少女は子宮から再度、この世界に生まれ落ちるのだ。

映画の最初と最後で、スクリーンいっぱいに広がる海。流れる「ひこうき雲」(ただしユーミンのカバー)は同じでも、冒頭でテトラポットの上でじゃれあっていた三人は、ラストでは主人公一人になっている。死と再生――生まれ変わった少女は、何かを吹っ切ったように街を行く。

危うい青春を描いたロマンポルノ後期の名作。

2020/02/14

2020/02/15

60点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 

特筆すべきは脚本が荒井晴彦。冒頭の海岸で自殺の相談をする女子高生。そこでかかるユーミンのひこうき雲。
飛び降り自殺のスプラッタから同棲やら色々色々あって最後に冒頭同様のひこうき雲。中盤の展開が濃すぎて女子高生の自殺話が途中からすっかり忘れてしまっていたが。
主役の男は加藤義博。82年「探偵物語」を経て86年「ビリーザキッド」の翌年29歳時の作品。なんと2007年48歳時に亡くなっていたらしい。。なんと悲しい。合掌。
ちなみにひこうき雲はユーミンぽいが、違う人が歌っているよね多分。

2019/09/28

2019/09/29

68点

購入/DVD 


荒井晴彦脚本

荒井晴彦脚本、斉藤信幸監督作品。
仲のいい女子高生三人組。その内の一人が、ビルの屋上から飛び降り自殺で死んでしまう。主人公は自分も死のうと思うが、町でやくざな男に捉まって、そのまま自堕落な生活に入っていく。
最初は、ひたすら男とやるだけだったが、金がなくなると、友人を騙して男に売ったり、ついには自分も売春をするようになる。その挙句に、母親に助けを求め、結局は母親が体を差し出して、男たちから解放される。流されていく主人公に対して、結構辛辣な視点がある。もっとまじめに人生を生きなさい。そして、その責任は自分で取りなさいと言っているかのよう。
帰り道、母親は解放されたように、缶コーヒーをごくごく飲むが、それは将来の主人公の姿に重なる。慌てて目を背けて先に行く主人公。
前川麻子さんは、女子高生らしく、可憐な感じで良かった。スケコマシの男、加藤義博もまずまず。

2019/01/12

2019/01/12

55点

レンタル 


ドラマとポルノがバランスよく

ドラマとして成り立つ物語と、ポルノとしてのエロスがバランスよい作品。ドラマ性に走りすぎてエロスシーンがエロに感じない作品を良くみる。「どこがポルノだ!ポルノをバカにするな!」と言いたくなる様な作品。本作はポルノとしても十分扇情的。そして物語もしっかりしている。
特筆すべきは前川麻子の魅力。本作で、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞、おおさか映画祭最優秀新人賞受賞。彼女が本作の多くの部分を背負っている。
時代も感じさせてくれて、世界観を作ってくれる。旧国鉄の組合員に対する今ならブラック企業と言われる扱い。テレクラ。岡田有希子事件。集団自殺。女子高生売春等々。ユーミンの「ひこうき雲」を主題歌に。
女をナンパして売春させる男達と絡みとられた自殺願望を持つ女子高生。助けを求めた母は女を見せる。ヒロインは日常生活に戻っていく。
本作で地方の田舎として描かれるのが茨城県水戸市の駅前。現在魅力度ランキング最下位を連覇している茨城県。その対策として知事がヘッドハンティングした部長が「水戸は駄目だ」とネットに書いて問題になった。関係付けて考えてしまった(笑)

2013/02/17

2013/02/17

76点

映画館/高知県/高知あたご劇場 


前川麻子の魅力

ネタバレ

前川麻子の魅力が光っている傑作である。本作がロマンポルノの代表作であることには違いない。
 前川麻子と死の問題が、彼女の母親を巻き込んで、監禁される事件となる。解放後に、母が缶ジュースをゴクゴクと飲むシーンの独善性を現している。目の覚める様なシーンだ。
 前川麻子は、現在、ロマンポルノ女優に対するインタビュアーとして活躍されているが、本作を観ると、もう一度女優として活躍してもらいたいと思う。彼女が俳優を廃業したのは、ロマンポルノの大いなる損失だ。