世界観、キャラクター、ストーリー、音楽
何をとっても最高の作品。
公開からすでに30年以上経ているが、おそらく50年経っても100年経ても色褪せることはないだろう。
シータ、宮崎駿の描く少女の中でも最高のヒロインだ。
王族の子孫としての気品と優しさ。
パズーやドーラ一家でなくとも彼女のためならという気持ちにさせる魅力を持っている。
それにしても、出てくる登場人物の一人ひとりが皆素晴らしい。
ただ、一つ残念なのはジブリ作品にありがちな、声の出演者として俳優を起用する点だ。
今回で言えば、寺田農・初井言榮・常田富士男らだ。
もちろん、彼らには何の落ち度もなく、声優としても最高の仕事をしている。
しかし、声優は声優一筋で人生をかけている人たちなので、できれば本職の方々を起用してほしいと常々思っている。
それにしても、久石譲のすばらしさ。
どの場面の音楽も素晴らしい。
ただ、一つ残念だったのは、この映画を20年ぶりくらいに見たせいいか、序盤でパズーが鳩のために吹いてやるトランペットの曲(ハトと少年)を聴いた瞬間、出川哲郎くんの顔が頭に出てきたのだ。
その理由がわからずとまどったため、ネットで調べたところ、ほぼ毎回見ている「出川哲郎の充電させてもらえませんか」の中で、彼が宿屋で宿泊した翌日の朝に必ず流れるBGMだからだった。
この番組のSEはいつも似たようなシーンでお決まりの曲を流している。
なので、ほぼほぼ毎週のようにこの曲を聞いていたのだ。
どーにも困ったもんだ。
それにしても、宮崎駿はすごい。
このあと、この映画を超える作品を作ってしまったからだ。
「千と千尋の神隠し」
絶対に誰も思いつかないという意味では千と千尋の方がすごい。
さすがにこれを超える作品は二度と生まれまい。
もし、できるとすればやはり宮崎駿しかいないだろう。
私が生きているうちに宮崎駿を超える作家の登場を心から望んでいる。