海に降る雪

うみにふるゆき|The Cold-Hearted Sea|The Cold-Hearted Sea

海に降る雪

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レビューの数

3

平均評点

58.6(29人)

観たひと

40

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 日本
製作年 1984
公開年月日 1984/11/17
上映時間 105分
製作会社 俳優座映画放送=フィルム・クレッセント
配給 東宝
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督中田新一 
脚本石倉保志 
中田新一 
原作畑山博 
製作相澤徹 
北川義浩 
製作補八木欣也 
酒井彰 
河井真也 
撮影姫田真佐久 
美術横尾嘉良 
音楽木森敏之 
主題歌デュー・ドロップ
(「青春残酷物語」)
録音紅谷愃一 
信岡実 
照明島田忠昭 
編集菅野善雄 
助監督中島俊彦 
スチール八木欣也 
製作コーディネーター佐藤正之 
日枝久 
角谷優 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演和由布子 今里塩子
田中隆三 井岡裕一
奥田瑛二 大沢明夫
美保純 高木早苗
風間杜夫 桜田洋
井川比佐志 古田亮
鈴木瑞穂 雄作(塩子の父)
西村陽子 塩子(幼年時代)
浦辺粂子 養老院の老婆
前田吟 戸樫ディレクター
橋本功 旅行代理店支店長
矢野宣 広告会社面接官

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

故郷を飛び出した男女が、愛し合い、同棲し別れるまでを描く。畑山博原作の同名小説の映画化で、脚本は石倉保志と、これが第一回監督作品にあたる中田新一の共同執筆。撮影は「OKINAWAN BOYS オキナワの少年」の姫田真佐久がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

今里塩子は、ボランティアを特集したTV番組に出演した際、効果音担当の井岡裕一と知り合う。塩子は秋田県出身で、旅行代理店に勤めていた。裕一は山形県出身である。2回目のデートで、裕一は塩子のアパートに泊まった。その日から、塩子の部屋で同棲生活が始まった。ある晩二人は、塩子の同僚・早苗のヤケ酒につき合う。男にふられたとしたたか飲んで千鳥足の早苗は、裕一の同僚・大沢の部屋に運び込まれた。改めて飲み始める四人。帰途、突然足がしびれた塩子はうずくまった。幼い頃の持病が時折再発するのだった。塩子をおぶって歩く裕一。塩子の前の恋人は、ボランティア仲間だった桜田である。彼は商社マンとして中近東へ出張していた。その桜田の件で、塩子の義兄・古田亮が訪ねて来た。桜田は、彼の会社の同僚でもあった。桜田が2年ぶりに帰国するからと交際の続行をすすめる古田に、「兄さんの気が軽くなるからでしょ」と塩子はなじる。かつて彼女は、古田に犯された苦い体験があったのだ。クリスマス・イヴ。塩子は帰国した桜田と会い、裕一と同棲していることを打ち明けた。一方クリスマス・パーティの準備をして、塩子の帰りを持っていた裕一は、つい彼女の日記を読んでしまう。義兄に犯されたこと、桜田のこと、裕一は塩子の過去を知り、帰ってきた彼女に冷く当たった。日記を読まれたと知った塩子は、汚ないとなじり、「鍵を置いて出て行って!」と裕一を追い出した。年が明け、大沢の家を訪れた裕一は、ヤケ酒の夜以来、住みついているという早苗から、塩子が会社をやめたことを聞いた。ある夜、TV局から出て来る裕一を、塩子が待っていた。裕一は彼女をホテルに連れて行った。再び同棲生活が始まった。塩子は妊娠していることに気付いたが、何事にも肝心の点にふれようとするとはぐらかしてしまう裕一を見ていると言い出せない。いらだちが積もり、裕一の汚ない面ばかりが目につき、塩子は彼と激しく言い争ってしまう。ある日、偶然に裕一の方から、塩子が堕胎したことに気づく。自省の念に目が覚め、心からのいたわりと優しさをもって彼は塩子に接するが、間もなく別れの時が来た。「いつかもう一度会おう」と約束し、塩子は故郷へ向かう列車に乗った。北国の駅に降りた彼女の眼に、昔と変わらず海に雪が降っている状景が移った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1984年12月上旬号

日本映画批評:海に降る雪

1984年11月下旬号

グラビア:海に降る雪

日本映画紹介:海に降る雪

2013/03/19

2013/03/19

72点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 

 和の演技は素晴らしい。早々に五木ひろしと結婚して引退したのが惜しい女優だ。本作は、脚本も稚拙な面があるが愛すべき作品だ。和の魅力を引き出すのに十分な作品だ。和は本作の中で永遠に生きている。

2013/02/14

2013/02/14

72点

テレビ 


東京暮らしの女性の愛と孤独

ネタバレ

 秋田から東京に出て来て、旅行会社に勤めながらお年寄り介護のボランティアに参加したり英会話教室に通ったりしながら一人で暮らしているシオコ(和由布子)は、テレビ局でBGMなどの音の合成の仕事をしている山形出身のユウイチ(田中隆三)と知り合い急速に親しくなって同棲を始める。
 シオコは幼い頃から、突然足が痛くなるという持病を持っておりそれが時々彼女を苦しめる。大人になって上京したシオコは最初東京の姉の家に住み始めるが、そこで義理の兄に不義を強いられたという経験を持ち、またその後はボランティアで知り合った商社マンの桜田とも一線を越えた関係にあった。
 シオコは優しいユウイチとの同棲生活を大事にし明るく振る舞おうとするが、ユウイチがシオコの日記を見てこれまでの男性経験を知ってしまったため二人の間に溝ができてしまう。

 ここにあるのは1980年代の東京で、少し突っつけばすぐに崩れてしまいそうな若い男と女のもろくてはかない愛のかたちだ。男はいつもどこか煮え切らないし女も異性関係に引きずられ自立できていない。愛しあう二人はともに根なし草のようで落ち着かない。
 シオコはユウイチとの間にできた子供を堕ろし、駅のホームでユウイチの見送りを受けながら一人秋田行きの列車に乗る。つまり故郷に回帰していく。間近に海が見え雪が降り積もった田舎の駅に降り立った時、女は本当の安堵とやすらぎを覚えたろうか。
 映画を見終わった後、都会に暮らす若い女性の切々とした孤独が特に心に残った。

2012/12/18

2012/12/18

70点

選択しない 


当時の東京生活者の典型を描いている

和 由布子は、当時は一流半程度の女優であった。
今改めて観ると、当時の時代をよく反映した女優だと感じる。

特にスタイルがいい訳ではなく、顔も丸顔で大き目だ。
しかし、彼女の純真な笑顔はこの上なく魅力的で、当時のオヤジ達から絶大なる人気があった。

当時の田舎生まれで上京した女性達のアパート住まいの様子を、正確に描いていて懐かしい。
次第に彼女が妖艶に変身していく様を意図的に描いており、彼女の魅力だけで引っ張っていく映画になっている。

後半に、ラブホテルのシーンがあるが、当時24歳の彼女のやや無駄肉がついた裸が観れる♪
その純真さとのギャップにエレクトしてしまうのであった。

都内の街中を、若い主人公がチャンチャコを着て歩くシーンがあるが、80年代ではよく見られたことだと思い出し、微笑ましくなった。