喜劇 家族同盟

きげきかぞくどうめい|----|----

喜劇 家族同盟

レビューの数

2

平均評点

60.9(15人)

観たひと

30

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1983
公開年月日 1983/12/28
上映時間 87分
製作会社 松竹
配給 松竹
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督前田陽一 
脚本中島丈博 
前田陽一 
原作中島丈博 
製作名島徹 
撮影長沼六男 
美術芳野尹孝 
音楽田辺信一 
主題曲ダ・カーポ 
録音小林英男 
小尾幸魚 
照明佐久間丈彦 
編集太田和夫 
助監督梶原政男 
スチール赤井博且 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演中村雅俊 山中晴男
中原理恵 三島百合子
渋谷伸弘 三島正太郎
有島一郎 池田弦一郎
ミヤコ蝶々 小国ナツ
川谷拓三 小堺幾雄
佐藤B作 キーコ
中尾ミエ 香山夢之丞
高田純次 阪東蝶太郎
小松政夫 写真屋
コント赤信号 司会者
ダ・カーポ フォークグループ
平田満 スナックのマスター

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

血のつながりのないニセ物同士が集まって、ファミリーごっこをしているうちに本物の家族のように結ばれていく様を描く。脚本は「五番町夕霧楼(1980)」の中島丈博と本作品で監督も手がけている「次郎長青春篇 つっぱり清水港」の前田陽一の共同執筆。撮影は「魚影の群れ」の長沼六男がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ここは横浜の寿町。もう60歳はいくつか過ぎた浮浪者の弦一郎は、港湾労働者の青年・晴男に「息子になってくれ」と言い寄っていた。晴男の兄貴分でサラ金業の幾雄は、この話に興味を持って弦一郎に事情を聞くと、弦一郎は半年前にゴミと一諸に三百万円の大金を拾ったのだが、その金で以前からの夢だった、戦災で亡くした息子と暮したい、たとえ仮の息子でもいい、普通の家庭を持ちたい、というのだ。幾雄は「弦一郎に五千万円の保険をかける。お前が受取人になるんだ。心臓が弱そうだから心臓に負担になるようなことをやればいいんだ」と気のり薄な晴男を承諾させてしまった。息子ができたら連れ合いが欲しいと弦一郎は、ヤリテ婆のナツを選び、さらに晴男に惚れているおカマのキーコが妹に志願してきた。そして晴男は、事情を全く知らない正太郎という子連れの保母・百合子と結婚。これで弦一郎の夢だった“一般家庭”が誕生した。晴男は百合子には銀行員と偽って幾雄のサラ金会社に勤め、百合子の前で弦一郎とナツが“夫婦喧嘩”してみせたり、ごく普通の家庭ゴッコが続けられた。一方いつまで経っても元気な弦一郎に業を煮やした幾雄は、彼を健康の為と称して過激な運動をさせ、あげくはサウナに閉じ込めて虫の息にさせてしまった。間一髪、晴男が気が付いて救けた。晴男は家庭ゴッコを続けているうちにいつしか“ファミリー”を愛おしくなってしまっていたのだ。さて、ナツは近くの演芸場で公演している劇団が子役を募集しているのを知り、正太郎を楽屋へ連れていった。ところが女座長の香山夢之丞は正太郎のことを三年前に捨てた自分の子供だと言い出した。百合子と正太郎も実の親子ではなかったのだ。この家庭ゴッコにも崩壊の時がきた。晴男がサラ金に勤めていることが百合子にバレ、さらに、弦一郎が寝ている百合子に思わずキスをしてしまい、彼女が気づいて大騒ぎとなったことから、晴男と百合子の仲を嫉妬したキーコが全部他人同志だということを百合子にバラしてしまったのだ。その夜のうちに百合子、ナツ、キーコが家を出た。翌日、今では百合子を深く愛してしまっている晴男は百合子の姿を求めて走りまわった。そして、彼女が正太郎を夢之丞に託し、この町から去ろうとするところで出会った。「正太郎は俺たちの子だ」晴男は百合子を連れて再び夢之丞に会いに行き、頭を下げて正太郎を返してもらった。その頃、家では、家庭が崩壊したのを知らない幾雄は「俺も仲間に入れてくれ」と、酔っ払って押しかけ、弦一郎とともに酔いつぶれていた。途中で目覚めた幾雄は、弦一郎を殺すのは今がチャンスと石油をまいて火をつけようとするが、気が変わって、再び寝てしまった。だが、くすぶっていた火はたちまちのうちに燃え広がり、弦一郎だけが駆けつけた晴男に救出され、幾雄は焼死してしまった……。数日後、中村川に浮かぶダルマ船に、以前のように暮らす池田家の人たちの姿があった。彼らは、本物の家族も及ばぬ親密さで結ばれているようだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1984年3月上旬号

日本映画批評:喜劇・家族同盟

日本映画紹介:喜劇家族同盟

1984年1月上旬号

グラビア:喜劇・家族同盟

撮影現場訪問:撮影快調「喜劇・家族同盟」前田陽一監督 インタビュー

2023/08/28

57点

選択しない 


物足りない

他人同士が一緒に暮らして家族ごっこをする姿を通して家族とは何か、血の繋がりが必要かなど考えさせるドラマ。テーマは面白いが肝心のドラマが面白くない。当時、自分の好みだった個性派を多数キャスティングしていながら活かしきれていない。オカマ役の佐藤B作辺り、もっと笑いをとれるとおもうんだが。ミヤコ蝶々さんだけは貫禄でしたが。

2015/04/04

2015/04/09

65点

購入/VHS 


疑似家族

ネタバレ

ヴィデオテープのたたき売りでワゴンセールで見つけて、これはレンタル店でも置いていない貴重なものだと購入。その割には買ってから数年たってからの観賞。カビがはえて観られない状態にならなくて良かった。

血のつながらないアカの他人同士が疑似家族を形成するが、最後には本物の家族の繋がりを築くという話。
この映画が作られた頃は核家族が進んで、祖父母と同居という形が崩れて、また祖父母の方でも迷惑かけたくないから独り暮らしをするといった空気になってしまったころではなかったか。

そんな中で松竹らしく心温まる話ではあるが、この疑似家族に入ろうとして、入れない川谷拓三の存在が作者のこの映画のテーマとして描きたかったのではないか。

彼は当初は同僚の中村雅敏に息子になってくれという老人有島一郎の金を狙い、中村に息子になってやれと強要し、その金が取れないとなると老人に生命保険をかけさせる。

が、そのうちに寂しくなった川谷は中村の家族ごっこに加わりたくなるが、拒否させられてしまう。
その後、この疑似家族は崩壊、老人と一緒に酒飲んでいた川谷は、老人が寝入ったときに、放火して保険金を得ようとする。が、考え直して火を消して寝るが、完全に火が消えたわけではなく、川谷は火事で焼死。

家族が欲しくてたまらなかった川谷のみじめな死。

そして、一度は壊れた疑似家族は再び集まり、血はつながらなくとも絆を深める。

家族だと血の繋がりが一番重要だろうが、そうでなくても家族の絆は築けるからそれにこだわる必要がない。

と同時に血の繋がりは問題にならなくても、なんだかイメージに合わないと彼らから家族になることを拒否された川谷は、家族にはふさわしくないと烙印を押された残酷さに、作品の毒気がある。

無名時代の高田純次がシリアスな芝居をしているので、今のイメージとは違うので最初は似ている人なのかと思った。