三浦綾子原作の史実小説の映画化。
嵐に遭い漂流した「宝順丸」の生き残り岩吉、音吉、久吉を助けた博士役にジョニー・キャッシュ。カントリー界の大御所らしいが全く知りません。
日本人俳優も西郷輝彦、あおい輝彦と歌手が出演してるのですが
歌を2回ほど披露してくれるのはこのふたりでなくて井上純一。
昔のアイドルにしては意外に歌が上手かった。
この作品、松竹だから商業映画なんでしょうけれど
キリスト教伝道映画のようでもあります。
岩吉、音吉、久吉らは日本に帰るときにロンドン→マカオに渡る。
そこでギュツラフという宣教師から
聖書の日本語訳の手伝いを頼まれたりもして聖書の言葉がたくさん出てきて
画面にもでっかく言葉が書かれます。
イギリスでもキリスト教文化がとても色濃く描かれ、ジョニー・キャッシュも讃美歌を歌います。
(ここからネタバレあり)
大変な思いをして6年をかけてやっと日本に帰る船で浦賀港を目前にしながら
無情にも日本は、日本人の漂流民が乗船していることがわかっていながら砲撃してくるのだった。
(モリソン号事件)
・・・祖国には捨てられたが絶対に捨てないお方がいらっしゃる・・それはイエスキリストである。
というような描き方になって最後も大きく聖書の言葉がでます。
しかし彼らの祖国に捨てられた無念さは伝わってくるものの、
そこからイエスキリストに繋がる映画の作りになっているかといえば残念ながらそれはキビシイかな。
(原作ではもう少し伝わってきた)
漂流中は14か月も死ぬ思いをし、やっとたどり着いたところでは奴隷となり
その後もすぐには日本には帰れず、
鎖国でキリシタンが迫害されていた時代に日本人として聖書の翻訳の手伝いをしたという
のはどんな思いだったんだろう・・こんな数奇な運命の史実ドラマとしては面白く観ることができました。
リメイクではないですがこの話は近いうちにハリウッドで映画化になるらしいので
その前にこの作品を観ておくのもいいかもしれないです。